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岸田総理の所得税減税はなぜウケない?

岸田総理が経済対策を打ち出しまして、その一つの柱が所得税減税ということなんですが、評判は悪いです。
なぜ評判が悪いのか、減税なのに受け入れられないのかを解説したいと思います。

岸田総理は、おそらく財務省とかも反対したのに所得税減税に踏み出しました。
やるのかやらないのか、額が2万なのか4万なのか、いろいろありましたけど、私は評価はしたいと思うんです。

ただ、評判が悪いんですが、なんでダメだと思われているのかと言うと、一つは時限(1年のみです)。
感じが悪かったのは、総理が指示した時に宮沢自民党の税調会長が「1年が極めて常識的だろう」と言いました。
減税するという中身が決まる前に、やっても1年だけと言ったことは悪かったと思います。

防衛費の増加を賄うために、所得税、法人税、タバコ税の3つで、税金を来年度から上げるということを言っていました。
来年度は減税することになったんで、さすがに来年度は増税はしませんと言い始めたんですが、そうなると再来年度から増税だろうと思うと、減税して増税だから、結局取られると思って減税したものも全然ありがたくないということになります。
これが時限とセットで、印象が悪くなっていると思います。

最後は、岸田さんは、あだ名で色々言われている事について、払拭したいということで「とにかく減税をやるんだ」としているようですが、それは選挙目的でバラマキだろうと思われています。
つまり哲学とか理念が所得税減税にないんじゃないかと思われたのが、私はウケない三大理由じゃないかなと思ってるんです。

じゃあどうすればいいのか。
それは上の3つと異なる所得税減税をやればいいんです。
何かというと、国民民主党が言っている所得税減税です。
我々は法案を国会に所得税減税を出しましたけれども、まず時限ではありません。
そして、増税が控えてるんじゃなくて、「安定的な税収増があるんであれば所得税減増税はやめる」、加えて「減税する」と言えばいいんです。

哲学理念なんですが、我々の所得税減税の哲学は極めて明確なんです。
岸田さんの説明で間違っていると思うのは、「デフレから脱却するために所得税減税する」ということを言ってるんですけど、今インフレでしょ?
インフレに対して物価が上がって生活が苦しいからやろうとしているのに、デフレ脱却という前の発想で所得税減税を言ってるからウケが悪いんだと思うんです。

我々はどういう理由で所得税減税を言ってるかというと、これはインフレに対応して所得税の体系を見直そうと、明確な理念と哲学に基づいて言ってるんです。
税の世界には基礎控除と言うものがあります。
「人間が生きていくために必要な所得には課税しない」ということで、憲法25条「すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。」と書いてあります。
最低限の暮らしを成り立たせる所得に課税して取り上げていると最低限の暮らしができなくなるので、最低限の暮らしをするための所得には課税いたしません、その金額を除いた残りの所得に税率をかけましょう、です。

この基礎控除っていうのは最低限の生きるコストには課税しない、それを賄う所得には課税しないということなんですが、30年デフレでしたから生きるコストは変わらなかったんですよ。
でも今はインフレですよね?
デフレから物の値段が上がっていくインフレ。
まさにガソリン代、電気代、野菜、全部が上がっているので、生きるコストがアップしてるんです。
そうすると、生きるために最低限生活を成り立たせるために必要な所得には課税しない、そのために差し引く額が基礎控除だとすれば、この基礎控除はインフレに合わせて上げなきゃいけないんです。

1995年を最後にやらなくなったんですが、それまで1970年代80年代に物価の上昇に合わせて基礎控除は引き上げてきました。
なんでかというと、生きるコストが上がるからです。
でもこの30年デフレだったので、1995年を最後に基礎控除にサラリーマンの方の給与所得控除を加えた額っていうのはずっと一緒です。
これが103万円なんです。
いわゆる税の103万円の所得税の壁です。
今は社会保険料の年収の壁で、106万130万が有名になってますが、このことは忘れてはならないです。
103万の壁っていうのは、所得税の基礎控除の額なんです。

私が岸田総理のアドバイスするんだったら、まず防衛増税のうち所得税の増税はまずやらないと宣言する。
その上でインフレに対応した基礎控除を上げることによって、時限ではなく恒久的に、生きるコストの増加に伴う基礎控除を引き上げ減税を行う、ということを言えば非常に理路整然としてると思います。
こういうことをアドバイスする人はいないのか、ということを私は言いたいんですけど、とにかく岸田総理が支持率を上げる方法は、私の言うことを聞くことです。
「俺の話を聞け」、これを岸田総理に何かの機会で申し上げたいなと思います。
ここは聞く力を発揮していただきたいなと岸田総理に期待を申し上げまして、私の考える理想の所得税減税をお伝えさせていただきました。

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