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【能登半島地震】災害時の偽情報に注意!

今日は1月1日に発生を致しました能登半島地震について取り上げたいと思います。

今日私が皆さんにお伝えしたいのは、災害時になると、いわゆる偽りの情報、必ずしも科学的根拠のない、噂・デマ・フェイクニュース、こういったものは特にSNSで拡散しがちなので、このことについて改めて皆さんにも注意をいただきたいということと、今回は被災者の支援であるとか復旧復興に場合によっては妨げになる可能性がありますので、是非、一次情報にしっかり当たって確認をしていただきたいと思います。

今回私が気になったのは、能登半島には、志賀原発という原発がありまして、この原発が大変なことになっている、あるいは実はひどいことになっているのに、それを国や政府は隠しているんではないのかと、そういった情報がかなり広まっています。
政治家の中にも、そういったことを発信するようなポストもあって大変気になったので、私も事実関係を淡々と述べた発信を続けてきたんですけれども、整理をしてお伝えをしたいなというふうに思います。

まず志賀原発なんですけれども、1号機と2号機があるんですが、いずれも今、定期点検中で停止中です。
動いていないということ。
そして、現在において、外部電源や必要な監視設備、そして冷却設備は正しく機能しておりまして、安全上問題となる被害は発生していないということです。
北陸電力からも累次にわたってプレスリリースがなされています。

ただその中で、初期の段階で言われたのは、1号機の変圧器、2号機の変圧器が共に火災が発生して大変なことになっている。
しかもこの火災が発生したのに、これを隠蔽しているというような噂が広がったわけです。
これは広がった理由もあって、官房長官が一番最初に発表したときに、火災が起こってそれを鎮火したというような発表をしたわけです。
実はプレスリリースを改めてよく見ますと、「噴霧消火設備が起動した」とあります。
つまりいわゆるスプリンクラーです。
1号機の変圧器については噴霧消火設備を手動で起動ということになっています。
何でかというと、後でわかったんですけれども、1号機の変圧器で3600リットルの絶縁油が油が漏れていた、2号機の変圧器は3500リットルが漏れていた、ということになっていました。
当初、油が漏れてたので、「焦げ臭い匂いがする」と報告があったので、焦げ臭いということは、つまり燃えてるんだということで、スプリンクラーを手動で作動させたということです。
そうなると、燃えてるからスプリンクラーを出して消火したってことで、一旦、規制委員会や国、そして官房長官にも伝わって、そういった発表になったんです。
後に北陸電力がさらに詳細に調べてプレスリリースも出していますが、「1号機の変圧器も2号機の変圧器も火災の発生は確認されておりません」というふうに出しています。

これが事実なんですけれども、やはり燃えてるのにそれを隠しているというような形で広がっていってしまったということは、非常にわかるんです。
東日本大震災の福島第一原発事故がありましたから、政府は何か隠してるんだというような思いになるのはわかるんですが、事実関係としては今私が申し上げた通りで、当初から火災の発生は確認されていなかったとのことです。
初期の段階で匂いが充満して、それで手動のスプリンクラーを作動させたことで、油が漏れたんで焦げ臭い匂いがしたことも事実です。
そのことで一次情報を国にサッと上げたんでしょうけれども、結果として間違ってた、正しくなかったというのは、これは責めるべきではなくて、とにかくまずは情報を上げて、正確に確認して、新しい情報を次々に上げる。
で間違った情報を上げることを罰していると上げなくなってしまって、かえってまさに隠蔽体質になってしまったりするので、まずいだと思った情報ほど早く、国や規制委員会に対して、上げることは私は間違ってないと思います。

もう一つは使用済み核燃料を入れている水が漏れて放射能が外部に出たんじゃないのかということも指摘をされましたけれども、1号機の貯蔵プールは95リットル、2号機の貯蔵プールは326リットルが飛散したということなんですが、外部の放射能への影響はないということです。
実際モニタリングポストという線量を測る装置があるんですが、数値に変化はありませんし、外部への放射能の影響はないということもプレスリリースをされています。

もう一つ非常に話題になったのが、津波でやられたんじゃないのかということも言われて、実際この11メートルの高さのところに4メートルの防潮堤あるいは防潮壁を設けて、建屋を守るということにしているんですが、今回の3メートルの海水上昇はは何かというと、この海から取水槽という水を取るようなルートがあるんですけれども、ここの取水槽内の海水が3メートル上昇したということが確認されたということなので、いわゆる海面からの津波の高さを正確に表したものではないということです。
仮に3メートルが津波だったとしても、11メートルの高さの上に、さらに4メートルの防潮堤がありますから、そもそもここに達していませんし、全く影響はないということが事実です。
ただ、この防潮壁が地震で少し傾いたということもプレスリリースされてますので、11メートルを超えてさらに4メートルのところまで津波が来て、それで津波の圧で傾いて危なかったのではないのか、というようなことが一部Twitterでも出ておりました。
正確には11メートルの高さに4メートルの防潮堤があるので津波は全く届いておりませんで、この取水槽内の水位が3メートル上がったということです。

確かに原発に関しては、いろいろなイデオロギーもあって、反原発の方もいらっしゃるのは確かなんですが、ただ災害時なので、一次情報に当たっていただいて、出所がよくわからない噂のような情報に過ぎないものに惑わされないようにしていただきたいと思います。
我々政治家としても、できるだけこの一次情報をしっかりとった上で、頻度高く正確な情報を発信していきたいというふうに思っています。

最後に「人工地震じゃないか」ということをネット上でも出てますが、人工地震でこれだけの規模を起こせません。
冷静に考えればわかりますし、そもそも能登半島では数年前から地震が起きていました。
その意味では断層の150キロにわたる一直線に地震の震源地が分布してますけれども、海の中に、例えば核爆弾を埋めて大量に爆発させれば一定の振動を起こすことはできますけれども、今回は非常に大きなマグニチュードの地震が起きてますので、人工的に起こすということはほぼ不可能です。
その意味でも冷静に考えていただければと思います。
人工地震だっていうのは飛びつきやすいんですけれども、冷静に科学的な根拠に基づいてご判断をいただきたいというふうに思います。

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