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経済対策は所得税減税がカギ!ブラケットクリープに注意!

経済対策をこれから考えていく上で、所得税の減税がカギになることを解説したいと思います。
私は強く言いたいのは、「国民への税収増の還元」ということを言うのであれば、所得税の減税こそ今決断すべきだということを解説したいと思うんです。

ポイントは何かというと、ブラケットクリープと横文字で難しいんですけども。
知らないうちに負担が増えている、という問題なんですが、それに対する対策として、所得税減税をしっかりやるときが来ましたというなんです。

簡単にまず例を申し上げます。
例えば、課税される最低限から所得が超えたら税金がかかり始める最低限を100万円としましょう。
100万円以下だと、年間だと95万円稼いでる人は所得税ゼロです。
この100万円を超えた部分に、例えば20%の所得税がかかります。
そういう税制だという前提で話をします。

Aさんは今まで300万円の年間所得がありました。
じゃあこの人にかかる所得税はいくらかというと、300万から課税最低限の100万を引いた200万に20%の所得税率がかかり40万円を国に納めてください、ということになります。
このAさんが最近、賃上の流れが出てきている中で、1割所得が増えました。
そうすると300万円の1割っていうのは30万円ですから、年間所得が330万円になったケースを考えます。
このケースでAさんが今度新たに、いくらの所得税を払うかというと、さっきと同じ式に入れます。
330万円から課税最低限の100万引いて、230万円に対して20%の所得税をかけると所得税額は46万円になります。

所得も増えているから税金も増えています。
ただここで着目してもらいたいのは、所得の上昇率は10%でしたが、国に収める税金は40万円から46万円になって15%増えています。
だから皆さんも賃金が上がったとかいろいろ言うんですけど、あんまり増えた感じがしないと。
もちろん、ガソリンとかエネルギー価格が高いっていうのはありますし、物価が高いっていうのもありますが、そもそも増えた皆さんの所得にかかる税金が増えてるんです。
しかも所得の上昇率以上に税負担の上昇率が高い。
これがブラケットクリープです。

このたまきチャンネルでも、2021年の税収は予定より10兆円増えました。
去年2022年度は6兆円増えました。
今年は税収成長を2.7ぐらいで見れば、今年も10兆円ぐらい上振れするというような話をしました。
つまり国は予定したよりたくさんお金が税金として入ってきて、ラッキーなんです。
なぜかというと、所得の上昇分以上に税金がたくさん入ってきて上振れしている。
10%ポイントかと思ったら15%ポイントで、5%ポイントも高い。
この差額がさっき言った税収の上振れ分の源になっているんです。

ある程度、制度上こういうことはあり得るんです。
ただやっぱり所得の上昇以上に税金取っちゃうと、やっぱり豊かさが感じられないということになりますし、皆さんご存知の通り日本の所得税っていうのは、所得の低い順から0%、5%、10%高くなって22,32とか増えていくわけです。
いわゆる累進課税になってますから、そもそもこの300から330になった時に、0.2と同じ税率かけましたけれど、そもそも所得がだんだん上がっていくと、この0.2そのものが上がっていくということになって、累進課税で税率上がると、さらにこの15%増えるということになっていくわけなので、所得の上昇以上に税金の増加率が高いという状況に対応をしないと、働いても働いても賃上げが実現しても、生活が苦しいということになるので、このブラケットクリープ対策としての所得税減税を私はお勧めしています。

これはオーストラリアでもアメリカでも、こういった対応はしっかりなされています。
例えば課税最低限を100万に設定しましたけれども、この10%の所得の上昇に合わせて、これを110にすれば220になって44万円となって、10%の上昇で所得の上昇と税金の上昇率が一致します。
だから同じようなペースで所得が増えたら税率も増えるんだったらいいんですけども、所得の上昇以上に税金が増えてますから、その意味ではさっき申し上げたように、10%増えたなら、課税最低限の100万円を10%増やして110にすると、税金の増加率も所得の増加率と同じ10%になる、こういう調整を賃金上昇局面ではやるべきです。
それを所得税の減税という形でやるべきだということを提案しています。

賃金インフレが起こる時には、インフレ税という税金が知らないうちに忍び寄るように増税になっているんです。
この忍び寄る増税を調整する、負担を増やさないという政策が、今こそ必要なので岸田総理には所得税減税を決断してもらいたいと思います。
しっかりと総理にも直接私から申し入れをしたいと思います。

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