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2023年度「あきたかた二十歳のつどい」市長メッセージ

20歳を迎える皆さん、誠におめでとうございます。
人生の節目を迎える皆さんに向けて、いったい何の話をしようか、めちゃくちゃ考えました。
政治か経済か哲学か、悩みに悩んだ末、結局、漫画にしました。
今日は漫画から学ぶ、誇り高い生き方についてお話をしてみます。

取り上げる漫画は「鬼滅の刃」です。
わかります?
アニメ化されましたし、映画化もされました。
鬼滅ですね。
この中でめちゃくちゃいいシーンがあったと、言葉があったというのを、皆さんにこの機会を使ってお伝えします。

ちなみに鬼滅の刃はさすがにわかります?
読んだことある?見たことある?
鬼滅の刃を見たことも聞いたこともないっていう人います?
大丈夫です?なんとなくうっすらイメージありますか?

大正時代をテーマに、少年が刀で鬼を倒していくっていう漫画です。
その中でこんなシーンがあります。
鬼滅全23巻なんですが4巻、最初の方で出てきます。
炭治郎と善逸、伊之助が仲間になるんです。
かなり初期です。
仲間になったその時、宿に泊まっています。
宿を翌朝発つんですが、その際にお世話になったおばあさんからこう言われます。
「どのような時でも誇り高く生きてください」と。
すかさず伊之助が「どういう意味だ?」って聞きます。
誇り高く生きる。
今これを皆さん自身が問われて、パッとこういうことかなって思いつく方がいらっしゃいますか。
なかなか答えにくい問いだと思います。
これは皆さんに限らず、世間一般の大人でも即答できる人はなかなかいないと思います。
その際に炭治郎はこう答えます。
炭治郎15歳なんですけど。
自分の立場をきちんと理解して、その立場であることが恥ずかしくないように正しく振る舞うことかな。
かなって言っときながら全然迷いがないです。
15歳の炭治郎がこう言ってます。
今、炭治郎のセリフに、立場という言葉が出てきました。
立場という言葉を聞いて、皆さんそれぞれがイメージされること、これはあると思います。
例えば、与えられた立場、持って生まれた立場というものがあります。
例えば家族です。
皆さんがこの世に生を受けたからには、お父さんやお母さんがあって、それからすると皆さんは子供という立場です。
遡れば、おじいさんやおばあさんが、それぞれに必ずいらっしゃって、そこからすれば皆さんは孫という立場です。
さらにここから自分で得る立場というものが増えていきます。
与えられたものではなく、自らの意思で得た、決めた立場です。
今学校で学んでいる方もいらっしゃれば、すでに社会に出て働いていらっしゃる方もあるかと思いますが、それらはもうすでに皆さん自身が選んだ立場です。
それぞれの立場において、正しい振る舞いをこれからも意識してみてください。

話が漫画から一旦外れるんですが、川崎レナさんという方の名前を聞いたことありますか?
去年の今頃話題になった方なんですが、国際子ども平和賞というところで受賞をされ、スピーチをされました。
その中で、私の石丸伸二の話も少し触れられたんですが、当時彼女は17歳、大人に向けてこう言いました。
特に政治家に向けて言ったんですが、政治家である前に、かっこいい大人になってくださいと、17歳の女の子から大人に向けて、つまり皆さんに向けて発せられた言葉です。
そのかっこいい大人、立場にあるべき行動をしている大人、実は鬼滅に出てきます。

これは映画にもなったんで、また話というか名前ぐらいは覚えがあるかと思うんですが、煉獄杏寿郎。
煉獄さん出てきて早々にいなくなってしまうんですが、無限列車という列車の中で戦う局面なんです。
その流れで猗窩座という、非常に強い鬼と上弦の鬼と戦います。
かなりの苦戦を強いられるんですが、その際に炭治郎たち、要は未熟な鬼殺隊、若者をなんとか守り抜こうと、炎柱としてこう言います。
「俺は俺の責務を全うする。ここにいる者は誰も死なせない。」
そして煉獄さんはその言葉の通り、仲間を、部下を誰一人失うことなく戦い抜きます。
しかし残念ながら、煉獄さん自身は猗窩座に討ち取られてしまいます。
残りの命もわずかとなった局面で、炭治郎たちにこう言います。
「自分の死は気にしなくていい」と。
なぜかといえば「柱ならば誰であっても同じことをする」と煉獄さんは考えていたからです。
立場というものをしっかりと理解し、その中で何を成すべきか分かっている人間というのは、このように散り際まで美しくあるんだろうなと、漫画の話であるんですが、実に深い示唆が、人間模様がそこに描いてあるように感じました。

この立場というもの、これから皆さんがいろんな局面で得ていきます。
自分で選んだ立場には大きな責任が伴います。
その立場と責任、時に苦しく、時に辛くあるかもしれませんが、その中にこそ生きる喜びが存在します。
今日なぜ、煉獄杏寿郎の話をしようと思ったかというと、煉獄杏寿郎なんと設定が20歳です。
今の皆さんと同い年で戦っているというのが漫画の中に出てきます。
今この中に柱の人はいないと思いますし、これから鬼殺隊を目指す方もいないと思いますが、同じ20歳であります。
是非、これからそれぞれがかっこいい大人になってください。
どうか心を燃やし続けてください。
皆さん全員が、誇り高く人生を歩み続けるよう願っています。
私は皆さんを信じます。
健闘を祈ります。

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