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性犯罪から子どもを守る日本版DBS創設法案提出見送り!

日本版DBSを新たに創設しようとする法案を、臨時国会で提出を見送るのではないのかという報道がありました。
そもそもDBSとは何か、そしてそれを見送ることでどういう問題があるのか説明したいと思います。

最近、学校の先生が生徒にワイセツな行為を働いたり、学習塾で盗撮があったとか、そういうのが1日1回ぐらいは報道されて、非常に悲しいというか、情けないというか、憤りも感じます。
子供を育てる親としては、子供に対する性犯罪は根絶しなければいけないし、そういうことに関与した人がいたら、二度と教壇には立ってもらいたくないし、子供にも近づいてもらいたくないと思うのは、多くの人の気持ちだと思います。

子供に接する職業につく人は、過去そういった子供に対する性犯罪を犯したことがあるかどうか調べて、前歴のある人は教職につけさせないように情報公開をしたり照会をして、制約・制限するといった仕組みや組織が、イギリスにはあります。
それをディスクロージャー・アンド・バーリング・サービスといい、日本語訳で前歴開示就業制限機構ですが、その日本版を作って導入すべきではないかと思っています。
実はなかなか文科省内でやる気がなかったところ、私や参議院の伊藤たかえさんが質問することによって、与党側も動き始めて、制度を作ろうと法律をいろいろ議論した結果、この秋の臨時国会に出すって話になってましたが、与党内で検討した結果、見送るということになったそうです。

なんで問題になったかというと、いくつか論点があって、まず一つは政府が作った案だと、対象者が学校の先生と保育士さんに基本的に限られています。
子供に接する職業って他にもありますよね。
例えば学習塾の先生であるとか、スイーミングスクールの先生であるとかいっぱいあるわけなんですが、基本的に学校の先生と保育士に限定されています。
はっきり言って我々が最初やろうとした時は、学校の先生に限定しようとして保育士も入ってなかったんです。
何でか分かります?
学校の先生は文科省の所管、保育士は厚生労働省の所管、学習塾は経済産業省の所管なんです。
多分、経産省がやる気がないので入ってないんですね。
自民党内で揉めたのは、学校の先生と保育士、文科省と厚労省の所管する職業だけに限定されてていいのか、ということが問題になったそうです。

2つ目はいろんな犯罪がありますけれども、悔い改めて更生することもありますから、制限期間を一定期間に区切った方がいいんじゃないかということが政府案ではなっていたのを、もう少し期間を伸ばした方がいいんじゃないのか、と与党内で議論になったそうです。
ただ小児犯罪というか小児性愛のようなものについては統計上再犯率が高いと言われていますので、限定したからといって更生が期待できるかどうかというような問題もあるので、この期間を伸ばすべきではないかという議論は当然あると思います。

3つ目にいろんな性犯罪があるんですけれども、冤罪もありますから、裁判手続きを経て、あるいは捜査を経て、明確に強制わいせつ罪とか刑法などに違反して有罪が確定したものに限定するのか、があります。
あるいは条例違反であるとか、迷惑防止条例違反みたいな、痴漢とかいろんなことがあります。
盗撮については最近法律ができて、飛行機の機内でCAさんを盗撮したりするのは明確になりました。
その意味では法律違反になりましたけれども、必ずしも刑法をはじめとした法令違反じゃなくて条例違反であるとか、あるいは教育委員会の懲戒処分を受けたとか、そういったものは対象に入ってないので、そういう刑法をはじめとした法令違反だけではなくて、条例違反とか懲戒免職とか、そういったものも対象に含めて職業就業制限の対象にすべきではないか、ということがあります。

こういうことが自民党の中でも議論されてまとまらなかったので、提出見送りということになっていますが、私は法案を出してきたらいいと思います。
もちろんこういう問題意識は我々持ってますし、これまでも国会などでも言い続けてきたので、与野党・国会で不十分な法案を修正かけて、与野党が合意して成立をさせていく。
こういう論点があって揉めたってことであれば、自民党内で終わらすんじゃなくて、国会に出してきて、しっかり議論しましょう、ということを私は提案したいと思います。

いろいろ揉めることの根本的な原因は何かというと、一つは憲法が保障する職業選択の自由なんです。
もちろん犯罪を犯した人でも更生して、自分の望む職業を選択できる自由がある、これは憲法上保障されてます。
だから、むやみやたらに制限してしまってはいけないので、明確に法令違反で有罪になった人とか、あるいは職業も一定のものに限定する、そして一定の期間に限定する、というのは憲法上の要請から出てくるとはいうものの、こういう犯罪を犯して被害者も出ているわけですから他の職業で頑張ってもらったらいいんです。
学校の先生がもう一回学校の先生というのもあるんですが、ただ犯罪を犯しているわけですから、子供と接しない別の仕事でやれば憲法が求める職業選択の自由にも反しない、あるいは憲法との整合性もギリギリつくと思いますので、こういう議論は役所に任すんじゃなくて、政治家が国会でしっかり議論して、憲法上の議論があるんだったら憲法審査会でも議論して、日本版のDBSは速やかに作るべきだと思います。
日本版DBS創設法は諦めることなく成立に向けて我々も努力をしていきたいと思いますので、ぜひ皆さんもウォッチしていただきたいのと、応援をいただきたいと思っております。

ちなみに国民民主党は伊藤たかえさんを中心にすでに法案を出しています。
我々としては一旦廃案になってますので、新たな最近の情勢も踏まえて少しブラッシュアップした上で、再度国会に提出をして、政府や与党のお尻もペンペン叩いていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。

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