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安芸高田市財政説明会②(2023年10月22日)

後半戦に入っていきますが、前半も少し安心できる話もあれば、基本的には厳しい、油断はできない、という話でした。
後半はもうちょっとシビアな、深刻な話になります。
何かというと、こちら。

昨年からこのことは迷わず皆さんにお伝えをしてきましたが、20年後に危機が訪れます。
ほぼ確実にきます。
それは一番最初にご覧いただいた人口が減っていくからです。
人口が減るとどうなるか、こちらです。

グラフが2枚ありまして、左が地方交付税、入ってくる方です。
右が扶助費、出ていく方です。
地方交付税は国からもらえるお金で、基本的には人口の規模によって決まります。
なので3万人いる街にはこれぐらい、2万人の街にはこれぐらい、人が減ると減るんです。
一方で扶助費の方は、主には福祉なんかに使われるお金です。
これは高齢化が進むと、どうしても膨らみます。
ご覧ください、左の貰える方は、この10年で19億も減っています。
逆に扶助費は、10年で6億、膨らんでしまっています。
そうすると、ここから10年20年先どうなるでしょう、というのがこちらです。

昨年の説明会でも、お示しをしました。
推計する都合、10年5年のスパンで描いているので、出発が20年になっています。
20年は実績です。
2020年度から先行き20年間で、少子高齢化が進み、人口は減ります。
なので、地方交付税は23億減り、扶助費は10億膨らむ、合わせて38億円ほど、財政の裁量はさらに縮小する見込みです。
これはどうやっても避けられない財政状況というふうにご認識をください。
だからです。
そういう外部環境、周りの状況においても安芸高田市をどうやったら残せるか。
それを今日皆さんにお伝えをしていきます。

問に対する答えなんですけども、危機を回避するために、ずいぶん前から実はお伝えをしてありました。

2015年、もう7年8年前です。
公共施設と総合管理計画というものが打ち出され、その中で20年間で公共施設を30%"は"減らしましょう。
30%以上という削減目標を打ち出しています。
ハコモノを減らすしかないんです。
その2年後に、今度は個別計画というものが出てました。
何かというと、個別の施設、その扱いをここで設定してるんですね。
ただ、これ皆さん読んだことありますか?
個別計画、ないですよね。
ちゃんとホームページに載ってるんですよ。
載ってるんですけども、見ないと。
中読んでみても、実はあんまりよくわからない内容だったんですよ。
漠然とこの施設は残しましょうか、無くしましょうか、ざっくり、いつまでに、ぐらいしか書いてなかったんです。

随分トーンが低かったと。
「削減しなくちゃ」と言っておきながら、2017年その後も、なかなか進んでなかった。
この星になってるんですけども、私が就任した時、2020年ですけども4%、もう5年経った段階で、20年でって言ってるのに、5年経って4%という進捗でした。
なので、慌てる形で昨年度、まず総合管理計画を改訂しました。
改訂した結果、細かい数値を皆さんの方へお伝えをしています。
また後でグラフでご紹介します。
さらに、総合計画の全体像だけではなくて、個別のどの施設がいつなくなるんだと、これもはっきりこの度、書いてみました。
これからざっとご覧いただきます。
全部で5ページぐらいに及んでいます。
まず最初こちらです。

なくなるタイミング、時期ごとにずらーっと並べています。
今年度、これらの施設が廃止となりました。
もしくは、これからなります。
吉田で言えば大浜運動公園です。
あれを公共施設として廃止します。
意味がわかりにくいんですが、今は公共施設として皆さんに使えるように提供されているわけなんですが、これを止めると。
それを廃止と呼んでいます。
なので、例えばどうしましょうか。
じゃあここアージョにしましょうか。
アージョを廃止するとなったらアージョの建物が消えてなくなるんじゃないんです、その前です。
アージョを立ち入り禁止にして「もうここ使うのやめましょう」という状態、これを廃止と呼んでいます。
ですので、2023年度からざっと始まり、来年度は川根小学校とかです。
これは来年の3月に廃校が決まっていますので、施設も学校としての提供は止まります。
25年度とあって、少し進みますと26年度27年度です。

26年度においては市有住宅、かなり老朽化が進んでいるものです。
議会の中でも議論をしました。
であったり、保育園、幼稚園です。
ここもずいぶん老朽化が進んでいるので、「まとめなきゃ」という話になってきています。

続いて3枚目でいけば、ざっとこのような並びです。
2030年ぐらいから、支所、庁舎というものが出てきます。
市役所のなんとか町支所も、いよいよ廃止に向かいます。
それがもう5年先には、取り組まねばならない事態となっています。
早いところでは美土里町です。
美土里の市役所、支所が2030年、それに続いて高宮支所という並びになっています。
2034年が目標の期限なんですけども、そこでは最後このような並びになります。

中学校の統合というのが入っているんですけども、まだ詳細な中学校を統合する時期、もっと言えば何校にするかというのも定まってませんので、ひとまず一番後ろに寄せています。
そしてここでは、6つある中学校を2つにしてみるという、要は廃止・削減が少ない方で、仮置きしています。
それらの仮置きもあるんですが、結果どうなるかというと、こちらです。

結果、このように施設の廃止率は高まっていきます。
最後、駆け込み中学校の統合も廃止もあるんですけども、20年で3割と言ってたところ何とかこのペースで積み上げれば、37%までは圧縮できる見込みです。
当然、今あるものがなくなっていきますので、喜べる話ではないのはもちろんですが、やらざるを得ません。
やった甲斐がどうなるかというのを、一つ絵でご覧いただくと、こちらです。

公共施設というのは「なくすのが嫌だ」と「維持するんだ」となれば、そのすべてにおいて更新費用というものが発生します。
鉄筋であったりコンクリート、いろんな材質でできていますが、いつかは朽ちていきます。
なので改修費用がいるんですけども、全部残そうとすると毎年30億いるんです。
さっきお話ししましたが、市の標準財政規模が120億とかなんです。
その時30億かけてハコモノを直し続ける、さすがに無理な話です。
なので一つ前でご覧いただきましたが、2034年度までに37%、施設を廃止すれば右のグラフです。
平均10億まで更新費用は圧縮できます。
直近の5年間でグラフの一番左端ですけども、8億ぐらいこの改修費使っていますので、10億であれば、だいぶ現実味が増すかと思います。
3分の1まで圧縮できると。
これだけではないんです。
公共施設を減らすと、当たり前ですけども、今、毎年、公共施設の維持に使っているお金が減ります。
それがこちらです。

2020年度ベースで毎年12億だいたい使ってたのが、37%施設を減らせば、当然毎年かかるお金もグググッと減ります。
12から7.2億まで、約4割。
ちょうど37%なので4億、そのまま素直に反映されますが、ここまで維持管理費用を抑えられます。
前の方でご覧いただきましたが、20年間で財政の裁量が38億。
毎年2億弱、厳しくなっていくのを考えれば、まだまだ足りる状況ではないんですが、この維持管理費用が抑制できるというのは、非常に大きな助けになるはずです。
この前のところでスケジュールをご覧いただきましたが、あの中でもっと早く廃止できるもの、廃止すべきものもあるというふうに見ています。
そして、あの中にまだ載ってないものです。
もっと挙げていく必要もあるというふうに認識をしています。
ですので、これはいい話であり悪い話なんですけども、先ほど確認していただいた廃止のスケジュール。
もう少し膨らむ可能性は十分あります。
一方で、その分だけこの維持管理費用であり、一つ前に示した更新費用、これが抑えられますので、この街あと10年20年30年、できればもっと先まで残したいと私は思っていますので、何とかできることは全部やって、その未来に向かっていきたいなと思う次第です。

最後のまとめとしては昨年と同様です。
本日こうしてたくさんの方に、このお話ができました。
これをもって皆さんの認識が、またアップデートできたのではないかと思います。
そしたらもう後はやっていくだけです。
行動に移す、これによってこの街は真の意味で、持続可能になり、本当の意味で市民が中心となる自治体、それに生まれ変われるのではなかろうかというふうに考えています。

私からの説明は以上となります。
ご静聴ありがとうございました。

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