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石丸伸二市長 所信表明(2020年9月10日)

おはようございます。
本日はご多忙の中、ご参集をくださいまして、誠にありがとうございます。
市長に就任して初めての定例会となりますので、市政の運営に当たりまして、所信の一端を述べさせていただきます。

これから新しい安芸高田市をつくっていく上で、まずは法令等の遵守、コンプライアンスの徹底を図り、市民の信頼回復に努めていきます。
そして事実に基づく客観的な視点、科学的な判断の下、あらゆる施策の費用対効果について再検証し、持続可能な街づくりに努めていきます。
街の魅力とは、今ここに住んでいる人々の暮らし、それを守ることに他ありません。
市民の皆様とともにこれまでを振り返り、これからを考え、みんなで世界で一番住みたいと思える街を目指していきます。

それでは、市政にあたっての基本方針と個別方針についてご説明します。

基本方針の一点目は、財政の健全化です。
次世代に渡すべきは不安ではなく、希望であるという信念のもと、持続可能な財政計画の策定をし、市政が運営できるよう、事務事業の見直しを図っていきます。
現在、市の普通会計では、財源の約9割が再現の難しい、削減の難しい、義務的経費、そして物件費等の毎年発生する形状的な支出に使われています。
新型コロナウイルス感染症による景気の減速が見込まれる中、今後も楽観できない情勢が続く見込みです。
将来世代に負担を先送りせず、スマートな行政、これを選択する時が来ていると考えます。
義務的経費の抑制と物件費等の削減で、予算の裁量を確保することが急務です。
未来への投資により、街の魅力を向上させ、次世代が希望を持てる社会を目指していきます。

基本方針の2点目は行政改革です。
行政改革は多岐にわたりますが、まずは市役所から改革を行います。
事務事業の改善としては、デジタル技術を活用した電子決済やテレワークの導入、会議や書類に関する形式の簡素化など、業務の効率化を全方位で推進していきます。
同時に、新たな行政需要への対応も進めるべく、時代の変化に合わせた市役所組織の見直しにも取り組んでいきます。
あわせて、人材育成基本方針を見直し、人的資本の活用に注力するとともに、働き方改革や人事評価制度の運用を通して、職員の意欲、そして能力のさらなる向上に努めていきます。

続いて、個別方針の1点目は危機への対応です。
とりわけ、新型コロナと自然災害への対応は、緊急を要する課題となっています。
新型コロナについては、現状、市内で感染者は発生していませんが、国や県などの関係機関と連携を密にし、封じ込めを含めた感染防止策に注力していきます。
また、市内で感染者が確認された場合の対応をはじめ、医療体制が整うよう可能な限りの支援を講じていきます。

一方、新型コロナの影響を受け、多くの事業者が厳しい経営を余儀なくされており、市としてそれに向けて各種支援策の準備を進めます。
近年頻発している自然災害については、ハザードマップ等による情報提供、避難場所の確保、最適な避難方法の周知に取り組んでいきます。
また、現在継続しています災害復旧事業についても早期の完了を目指します。

2点目は教育の推進です。
学校施設の整備や学習補助員の配置により、本市は一定程度の教育環境が整っていると感じています。
今後も電子黒板やタブレットといったICTの利用活用を推進し、確かな学力を身につけさせるとともに、急速に変化する時代・社会に対応するため、思考力、判断力、表現力を含めた総合的な生きる力が高められるよう、教育の質を追求していきます。
一方で支援を必要とする児童・生徒については、教育における機会の平等が損なわれないよう、関係者や地域との連携を密にして対応していきます。
また、学校規模適正化に関しては、これまでの議論も踏まえ、目指すべき方向性を示していきたいと考えています。

3点目は、医療・介護・福祉の充実です。
子育て環境は、当初の大きな課題であり、経済的な負担の軽減措置など支援策の拡充を図っていきます。
医療体制については、光ネットワークやICT技術を活用した遠隔医療など、医療機関と連携した取り組みを進めるとともに、治療よりも予防に軸足を置き、市民の健康増進を促していきます。
そして、高齢者や障がい者が安心して暮らせるよう、介護予防事業や日常生活の支援体制、さらには自立と社会参加支援など、地域に根付いた共助の環境を整備していきます。

4点目は、生活環境の向上です。
お太助ワゴン等の公共交通機関や上下水道の整備など、社会インフラの利便性を向上させる一方で、地球環境に配慮した循環型社会の構築を目指します。
とりわけ、ゴミのリサイクルやクリーンエネルギーの推進など、SDGsとの関連性を含め、市民意識の向上に取り組んでいきます。
また、空き家バンク等の情報を積極的に発信し、UIターンの受入体制を整備するとともに、定住人口の確保に注力します。
同時に、地域住民のつながりに注目し、地域を起点に街が活性化していく仕掛けづくりにも取り組みます。

5点目は、産業の振興です。
農林水産業や商工業など、あらゆる分野において、事業生計を念頭に置いた産業の振興に取り組んでいきます。
農業においては、経営基盤の確立や担い手の確保に継続して注力していきます。
また、商工業においては、新型コロナの影響を受けた中小事業者等の支援を行うとともに、企業誘致や市内の資源を活用した多様な働き方改革の提案を行っていきます。
そして、デジタル技術等の先端技術を様々な分野に取り組むため、大学や企業に調査・研究の場を提供し、外部との交流を活発化させていきます。
さらに、リモートの活用によって就労の選択肢を増やすとともに、若者の就職・就業の支援に努めます。

6点目は、文化・芸術の振興です。
本市には、神楽や田楽といった地域に根付いた文化だけでなく、新しい芸術が創出される余地も広がっています。
世界に発信できるコンテンツを目指し、その価値を高めていく取り組みが必要です。
なお、観光については、現在、新型コロナウイルスの影響により、事業の継続性が見通せない厳しい状況となっています。
当面はソフト部分の強化に集中し、ハード部分に関しては、必要な施設の修繕等に留めざるを得ないと考えます。

最後、7点目は多様性の構築です。
現在、市内には800人近くの外国人が定住されているほか、障がいのある人やマイノリティなど多様な市民が生活をされています。
すべての市民が多文化共生の中で得られる相互理解を通じて多様性を認め、個々人が最大限に幸福を追求できる環境を生み出していきます。

以上、市政を運営するにあたり、所信の一端を述べさせていただきました。

全体としては、行政のスリム化を進めつつ、未来への投資を拡大していきます。
このためには、もちろん皆様のご理解が必要不可欠です。
より一層のご協力をお願い申し上げ、所信表明とさせていただきます。

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