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与野党党首会談で何が語られたのか?

今日も能登半島地震のことについてお届けしたいんですけれども、1月5日に与野党党首会談が開かれました。
私も国民民主党の代表として与野党党首会談に参加をしましたけれども、ここで一体何が語られたのか、あまりメディアには出ていませんので、その実態について今日はお届けしたいと思います。

1月5日に与野党党首会談、自民党・公明党の与党2党と、立憲・維新・共産・国民の野党4党、合計6党で行われました。
これは議員運営委員会に議席を持っている政党が会って話をしました。
何が語られたのかということなんですが、被災地に国会議員が入らないことを6党で申し合わせました。
一部れいわの議員さんが行っているんですが、これは正しいけれども間違っています。
どういうことかというと、被災地にずっと国会議員が入らないことを決めたわけでは全くありません。
1月5日の後、6~8日と3連休でした。
3連休というのはどうしても皆が動きますから、特にこれだけ報道されているので、心配して皆が、特に奥能登なんかに行ってしまうと、ただでさえ渋滞がひどくて復旧・復興の妨げになっているという中、党首自身が総理も含めて動いてしまうと大きく人が動いてしまうし、受け入れの自治体も東京から来る人の世話をする余裕なんてありません。

総理の名誉のためにも言っておきたいと思うんですが、総理もやっぱり行けるなら早く行きたいというのを仰ってました。
ただ3連休については「我々、党首級が入るのはやめときましょう」、「まずは自衛隊・警察・消防、そして電力会社を始めとしたインフラ関連の復旧に携わっている人達を優先的に、停電とか断水とか道の啓開(緊急的な救援ルートの確保)をしていくことを最優先でやるようにしていこう」ということで、我々としては決めたわけです。
何が言いたいかというと、被災者の支援のためには「動くべき時と動かない方がいい時」とあって、初期の段階はプロに任せよう、というのは私は間違っていないと思います。

現場には個々人、私も含めて行きたいです。
皆さんも多分そうだと思います。
できることを一つでも、瓦礫の下にいる人がいたら救助したいし、食べ物が無いなら持っていってあげたいです。
でも全員の日本国民が行った瞬間に、能登の道路は全部埋まってしまって、本当に現場に行くべき緊急車両とかが動けなくなってしまいます。
一人一人にとってはベストだと思ってやった行動が、足し合わせると皆がやりたかったことの妨げになります。
公的な役割を担っている人間については俯瞰した判断が求められるんじゃないのかと、ここは是非皆さんにも理解をしてもらいたいと思います。

もう一つは、これもいろんな批判的に言われています。
予備費47.4億円の支出を決定する、ということは総理からも説明がありました。
立憲民主党の泉さんなんか、「少なすぎる」と言ってるんですが、私は「この額を少ない」と言ってもあまり意味がないと思っています。
そもそも今年度まで4,600億円予備費があります。
そのうちプッシュ型支援で、すぐに必要なものを1月9日に決定したということで、必要であれば4,600億円をさらに速やかに使っていけばいいと思います。
立憲民主党さんもそうだったと思うんですが、他の野党も「予備費を多額に積んでいることはけしからん」と言って反対をされておられたんですけども、予備費が少ないのも、そもそも「予備費はあんまり積むな」って言ってて、私はこれどうなのかなと思うんですが、むしろ野党だけじゃなくて他も批判したらいいと思うのは、今年度の予備費が4,600億円あるわけです。
そのうち47.4億円を今回使うんですが、年度内4,600億で足りるかってことです。
ひょっとしたら他の地域で、また災害が起こるかもしれない。
そうなると、あと1~3月と年度内はまだ3ヶ月ありますから、そこで4,600億円の一般予備費で足りるのか、が考えられます。

私が提案したのは、今こそ補正予算作るべき・組むべきじゃないか、です。
1995年(平成7年)に阪神淡路大震災があったんです。
1月17日に発災したんです。
この発災を受けて2月24日に補正予算を国会に提出して、2月28日に補正予算が成立しているんです。
発災からだいたい40日で然るべき補正予算を組んで成立させています。
額は1兆223億円です。
今回1月1日に発災したわけです。
同じペースで言ったら2月10日ぐらいには今年度の補正予算の成立は可能です。
今、総理が言っているのは、この予備費、これから当面47.4億円をつけて、4,600億円の今年度の残りの予備費を使って対応する。
それに合わせて来年の4月以降の令和6年度予算の予備費を、5,000億から1兆円ぐらいに増やしていこうと言ってるんですが、問題は1~3月です。
そこで4,600億円足りなかったらどうするんだということになりますから、私は補正予算をちゃんと組んでいくということをやった方がいいです。
めんどくさいから財務省は嫌がるんですけど。
そもそも予備費って何に使うかわからないと立憲民主党さんも批判してたわけだから、ちゃんと補正予算を組んで、特に1~3月の財政支援に万全を期すということが大事だということは、総理に直接申し上げました。

その他にも、例えば陸から入りにくいので、空からの輸送手段をもう少し強化しようとも伝えました。
防災ヘリを飛ばすことによって、防災ヘリは物資運搬用スリングがついたやつだとホバリングした中で物を下ろせるです。
ただ自衛隊のヘリはスリングがついてないんです。
買えないってところもあるらしくて、むしろ自衛隊の防災ヘリを積極的に活用した方がいいとか、あるいは災害対応ドローンをもっと自由に使って、重い物は難しくしても薬とか一部使われてるらしいですけども、食料とかパンとか、そういったものはもっとドローンをどんどん活用するというようなことも含めて提案をさせていただきました。

最近残念だなと思うのは、被災地に皆入りたいです。
ただいろんな意味で、あえて被災者支援のために今は被災地に入ることを抑えている人が「消極的だ」とか「被災者支援に後ろ向きだ」とレッテルを貼られることがあります。
現地に入ろうとする人も被災者を思ってるし、控えている人も被災者を思って控えているわけで、共に被災者支援に万全を期してやろうと思っている者同士が喧嘩をしている姿を決して被災者・被害者の方は喜ばないと思うので、分断が進んでいるってことが非常に残念に思います。
それがSNSが助長してしまっていることに対して、非常に危機感を感じています。
我々としては、まさに「対決より解決」、これが被災者支援では最も求められる姿勢ではないかなと思っていますので、どうか皆さんのご支援ご協力、そしてご理解も賜りますことをお願い申し上げます。

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