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政治資金規正法改正案は意味ない制度 3つも穴がある

今日懸案だった政治資金規正法の改正案が衆議院を通過をしましたけれども、大問題なのでその中身について解説したいと思います。

今日はこの政策活動費という、普通皆さんにはほとんどなじみのない話でも、実は本質的な話を今日はしたいと思うんです。
というのは何でかというと皆さん覚えてらっしゃいますか。
辞任しましたけれども静岡県の宮沢博行元衆議院議員という方がいて、裏金もらったと。
そういう裏金議員が当初、なんでこれ不記載、貰ったお金をちゃんとかけと。
使ったものはしっかり法律に基づいてかけというときに、「いやいや、これは派閥経由で党から政策活動費でもらったので記載する義務がないと思っていました。」という説明をしてたんです、最初は。
「何それ」ということを皆さん思ったかもしれませんが、まさにその政策活動費というのは政党から議員・議員等に対して渡し切りで渡せるお金で、そこから先はもう何使ったか全くわからない、文字通りブラックボックスのお金があるんです。
これをなくさないと今言ったような裏金が、「実は政策活動費でもらったんだ」とだから記載の義務がないんだと言い訳に使われてしまうので、領収書のいらない渡し切りのお金をやめようというのは我々国民民主党も、また立憲民主党も他の政党も言ってるんだけれども、この政策活動費を今後も使おうとしているのは2つの政党だけです。
自民党と日本維新の会ということで、最後修正をまとめるときにパーティー券の公開基準の引き下げは公明党と合意して、そして維新とは政策活動費の10年後の公開ということで合意をしたんです。
ただ合意をしたんだけれども、私が合意した夜の金曜日に、日本維新の会の藤田幹事長とテレビに出て、穴穴の空きまくってるのはまずいでしょう、というふうにそこでまず指摘をし、そしてTwitter・Xでも法文の問題点をいくつか書いたら、維新の中からもさすがにダメだろうということになって、再修正案になりまして、それで採決の日程も遅れたというのがこの間の経緯なんです。
ただ自民党と維新の再修正案も私はまだまだ改革としては不十分ということで、いろんな指摘をしていると。

おさらいしますけども、渡し切りのお金で領収書がいらないというお金どういう感じだったかというと、まず政党から幹事長などの幹部に渡されるわけです。
そうするとこの幹事長、例えば今だと茂木敏充さん。
自民党だと前だと二階俊博さんで、受け取りましたと5億円・10億円というその受領だけ1枚領収書をつけとけば、そこから先はもう何もいらないんです。
すごいでしょ。
そういうお金が二階さん時は年間10億円、5年で50億使ったというようなお金なんです。
それはでもさすがに何使ったかは明らかにしましょうということで、この渡し切りのお金をまずなくそうと維新も言ったんですが、実は今回も渡し切りのお金は残っています。
結局幹事長等に渡し切りますから、そこから先に政治活動に関連してした支出については10年後の公開義務を課していくと。
簡単にこういう仕組みにしてるんです。
でもまず問題として考えられるのは、渡し切りますから政治活動に関して支出したら公開になるんですけど、渡し切ったやつを政治活動に関して支出していないものもあります。
残ったお金です。
これは国税庁の答弁でもあるんですけども、政治活動に使われずに残ったものは課税対象になるんです。
ただこれ10年後の公開義務がかかっているので、結局最終的に例えば10億渡して7億使って3億残っているって10年後にしか分からないんです。
でも所得税の脱税の時効は5年で終わるんです。
だから裁けないんです。
これがまず一つ穴が開いてます。

二つ目にいろんな法律書き方しているんですけども、一つはこの人件費・事務所経費はそもそも公開の対象となる10年後の公開対象となる政策活動費ではございません、というふうに除外規定があるんです。
だから出す時にこれは事務所費で出した、人件費で出したっていうことであれば、これは公開の義務から外れていくわけです。
反論として政党が通常の収支報告書を出す時に人件費とか事務所費については領収書を必ずしも添付しなくていいというのは確かにその通りなんです。
ただ領収書は添付しなくてもいいけれども、いくら使ったかという項目別の金額は当然出さなきゃいけなくなっているんですけど、今回の規定ぶりだと人件費だ事務所費だって言った瞬間に、そもそも項目別の金額の公表義務からも外れるんです。
これも私は2つ目の抜け穴だと思うんです。

もう一つはこれは国会でも少し議論がありましたが、選挙運動に使ったものも公開の対象にはならないんじゃないかという疑惑が残るんです。
なんでかというと政治活動に関係してした支出に当然選挙運動も入るだろうと皆さんも思うと思うんですけど、法律上は政治活動と選挙運動というのは分けて考えている場合もあります。
特に政治資金規正法の下では、政治活動(選挙運動を含む)というような規定が3カ所出てくるんです。
ということはあえて選挙運動も含むと書かないと、政治活動というのは選挙運動を含まない概念と捉えられるところもあるので、法文上政治活動ということで、あえて選挙運動を含む場合は選挙運動を含むという記述が出てきます。

そうじゃない、これはもうこの選挙運動というのは政治活動が全部含んだ概念だ、という答弁を自民党の人がしてましたけど、であれば法文上、政治活動(選挙運動を含む)と修正すべきです。
これはさらに全体に関わるので大きな穴だというふうに申し上げたいのは、結局10年後公開義務かけても、今のままだと領収書とか保存義務は3年なんです。
だから「10年後公開です」と言って公開しようと思ったら、「すみません、もう手元ありません、破棄しました。なぜなら文書の保存義務は3年、報告書の保存義務は3年なので捨てちゃいました。だからできません。」と言っても罪に問われないんです。
そもそも10年後の公開義務に違反したからといってどういう罰則が定まるかも全く決まってませんから。
我が党はどうするかというと我々の選択が一つだけです。
これは基本的に廃止。

もし人権費とか事務所費とか政治活動に出したいっていうのであれば、この渡し切りじゃなくて直接政党から人権費とか事務所費とか政治活動に出して、それをきちんと政党の収支報告に載せればいいんです。
だから衆議院ではこれも通過しちゃいましたけれども、参議院でさらにこの穴を塞ぐところをきちんとやってもらいたいなということを、維新の皆さんにも自民党の皆さんにも理解して訴えていきたいというふうに思います。

こういうことを変えるためにも次の選挙で大きく政治を変えていきたいと。
我々はその先頭に立ちたいと思ってますので、よろしくお願いしたいと思います。

今日は衆議院を通過した政治資金規正法等の改正について説明させていただきました。

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