「笑いの演技」のポイントとは？【声優養成所講師が解説】

どうも、福原安祥です。

ナレーターをしたり、声優養成所の講師をしたり、会社の経営をしたりしています。

今回のテーマは「笑いの演技」です！

YouTubeのコメント欄の質問にお答えしていきます。

「「笑う演技」、「自主練の仕方」についての動画を出していただけないでしょうか？」
自主練の動画はのちほど出します！

もう一人の方にも「笑う演技についての動画、私も出して頂けるととても嬉しいです。」というコメントをいただきました。

たしかに、笑いの演技は難しいです。ただ、他の感情が簡単だということはないですよ。

たとえば泣きの演技は、声優志望者さんから「難しい」とあんまり聞いたことがないですが、こちらの心が揺さぶられる泣きの演技を聞いたことはないです。

とはいえ、笑いの演技は苦手意識をもってる人が多いですね。今回は、実践形式で笑いの演技について学んでいきましょう。

笑いの演技に苦手意識がなくなると、演技の幅も広がります！

動画で見たい方はこちらをどうぞ。

あんじょーメソッド（YouTubeチャンネル）

笑いの演技のポイント

さて、笑いの演技について学んでもらうわけですが…

日常生活でもよくあることですが、演技の世界でもよくあるのが、「大は小を兼ねる」です。

大きい声を出す人は小さい声も出せますし、大きな抑揚を操れる人は小さな抑揚も操れます。

これは笑いの演技でも同じです。爆笑できない人は、小さな笑いもできません。

なので、まず大爆笑できなきゃいけないわけですね。

キャラを作らずに笑う演技をしてみる

という前提を踏まえて…

声優はキャラの声で笑うことができなきゃいけないわけですが、まずはキャラ声じゃなくて自分のままで笑えなきゃ無理です。

キャラで笑う場合はキャラ声をキープしなきゃいけないので、自分が笑うよりも難易度が高いわけですよ。

では聞きます！
爆笑できますか？

これ、おもしろいことが起こったからじゃないですよ。
いきなり爆笑です。
おもしろくないのに爆笑です。

けっこうここでつまづく人が多いです。

というわけで、まずは爆笑する練習をしましょう。ほんとは人前で爆笑できなきゃいけないんですが、まずは一人のときでOK。僕も一緒にやりますのでやってみましょう。

自信がない人は、最近で一番おもしろかったことを必死に思い出してください。

ここのシーンは上の動画で確認してみてくださいね。

笑えなかった人はがんばって笑う練習を繰り返してください。

最初は、爆笑してる僕につられて笑うでもOKです。

では、次のステップに移ります。キャラでの笑いですね。

キャラで笑う演技をしてみる

まず笑いの演技で一番大事をまず言っておきます。

それは、腹式呼吸で笑うことです。

笑いの演技ができない人の多くはここができてません。胸式呼吸で笑っちゃうんですね。

普通の発声と同じで、胸式呼吸で笑うとキャラの声をキープできませんし、長い笑い声を出すこともできません。

なので、笑いの演技は絶対腹式呼吸ってのを忘れないでください。

イメージとしては、発声練習と同じです。腹式呼吸なので、息を吸ったときにお腹を膨らませて、吐きながらへこんでいく。

では、どんなキャラでもいいので自分でキャラを考えて、30秒笑ってみましょう。笑いだけです、セリフを入れちゃダメ。

自分じゃダメですよ、キャラです。キャラを考えてください。最低限、ルックスと年齢と声のイメージを思い浮かべてください。30秒やってみましょう。

こちらも動画で確認してみてくださいね。

キャラでの「笑いの演技」に関して、チェックしてもらいたいポイントは3つあります。

①持久力

30秒ももたなかった人もけっこういると思います。あと、だんだんテンションが落ちていった人も多いと思います。

最後のほうは笑ってんのか泣いてんのかわかんないみたいな人もいるかも。笑

めちゃくちゃ疲れたって人はちょっとまずいです。おそらく胸式呼吸になってます。

笑いの演技は腹式呼吸でしたね。普通に人間が笑うときは確実に胸式呼吸です。

あはははは！はあはあはあ……

ってなりますよね。はあはあってなるってことは、胸式呼吸なんですよ。もちろん、芝居として「はあはあ」って言うのはありです。

腹式呼吸を超意識して、テンションを高く保って、さらに30秒という時間をもたせるように、体力も配分しなきゃいけません。

マラソンと同じです。最初にダッシュすると死にますよね。笑

体力の配分をすることも大事です

②リズム

笑いの演技の2つめのポイントは「リズム」です。

あなたが友達と話してるところを思い浮かべてください。おもしろいことが起こって、友達がめちゃめちゃ笑うとします。

そのとき、友達はどう笑ってます？

「あはははは、あはははは、あはははは」って同じテンポで笑いますか？怖いですよね。笑

でも、演技になるとこれをやっちゃう人が多いです。

日常だったら、「あはははは、はは、あははは」とか、リズムが不規則になるはずなんです。でも演技になると急にAIになっちゃう。

人工的になるってことですね。セリフだと棒読みになってるのと同じです。

③演技プラン

そこで大事なのがポイントの3つめ「演技プラン」です。

笑いの演技を実践してもらう前に「キャラを考えて」って言いましたが、そのときに、30秒の間、そのキャラになにが起こって笑ったかを考えた方、いましたか？

つまり、30秒のプランを考えた人、いましたか？

考えたという人、めっちゃすごいです！役へのアプローチとしては預かりや準所属くらいの力がありますね。

まあ僕からはなにも言いませんでしたので、ちょっと意地悪な問題といえばそうなんですが、考えられなかった人は次回から疑問に思わないといけません。

「30秒プランなしで笑うって無理じゃないか？」って。じゃあプラン立てなきゃってなりますよね。

ここでいうプランの例は、たとえば

学校からの下校中、横からおばさんがチャリに乗って飛び出してきた。で、突っ込んできたくせに、すごい顔で急ブレーキして、「危ないじゃない！」って言ったとします。

おばさんが通り過ぎたあと、友達があなたのほうを向いて「危ないじゃない！」ってモノマネをした

みたいな。

ここから30秒です。ここからもプランが必要です。

最初は友達のモノマネがおもしろくて笑う→笑いが落ち着く→またモノマネされる→落ち着く→なにもされてないのに思い出し笑い

みたいなプランですね。

こういうことができれば、プロと戦えます。逆にいえば、プロの最低レベルはこのあたりです。プロにはもっとものすごい発想をする人がたくさんいますからね。

できなかった人は動画を何度も見直して、たくさん練習してください！

今回のまとめ

というわけで今回は「笑いの演技」について解説してきました。

うまくできなかった人は落ち込む必要はありません。いまプロで活躍してる人でも、最初は下手です。

「テニスの○○様」にも出てるあんなに有名な○○さんを教えてた人に話を聞いたことがありますが、「最初は下手すぎてびっくりした。感情あるのかコイツって思った」って言ってましたからね。

自主規制です。笑

声優は、職業柄、おもしろくなくても笑えなきゃいけません。ぶっちゃけ台本がおもしろくないこともあります。笑

でも、聞いてくれる人のために渾身の演技をします。

まだプロじゃない方は、自分が有名になることで頭がいっぱいになっちゃうかもしれませんが、楽しんでくれる人、聞いてくれる人がいなかったら声優なんて必要ありません。

その人たちに演技を届ける！っていう気持ちを忘れずに努力してほしいと思います。

それではまた。

・あんじょーメソッドONLINE

→LINEと限定動画で学ぶ、個別指導のオンラインレッスン！

・あんじょーメソッド（YouTubeチャンネル）

・福原安祥のTwitte