感動する権利。
玉置浩二さんの「メロディ」という曲の中に「あの頃は何もなくて、それだって楽しくやったよ」というフレーズが出てくる。
文字通りに美しいメロディとその言葉にいつも涙目になるんだけど、たぶん若い頃を歌っているだろうその歌詞に相当する部分が「自分にはあったのか」と振り返る。
大変申し訳ないことを言うようだが、俺は20代前半独特の貧乏を味わったことがない。時代はバブル。当時勤めていた青山のデザイン事務所では、経費が余りすぎたのか大金を渡されて「何か好きなモノを買って、領収証だけもらってこい」と言われた。そんな時代だった。
仕事が忙しくなるほどスタジオやロケが増えるわけで、ホテルに泊まり、食事も用意されている。数週間くらい自分の財布からお金を出さないこともあった。
油断していると月末には高額な給料と社外で引き受けた仕事のギャラが振り込まれている。欲しいものはないしお金が貯まるのは気持ち悪いので、すべてをムダなことに使った。キャッチアンドリリースだ。
今になってもやってることは大きく変わらないんだけど、自分は「メロディ」に出てくる歌詞に感動する権利があるのかな、と深夜に疑問に思ったのでここに記すよ。
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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。