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アニメーターの個人戦略①:業界のせいにせず、しっかり稼ぐということ

前回までは、業界全体としてアニメーターの賃金を高める方法を解説してきました。

本記事からは、アニメーター個人の立ち回りについて解説していきます。

アニメ業界関係者の意見を目にすると、よく「アニメ業界は構造が問題」だとします。たしかに、アニメ業界は非常に複雑な構造になっていて、それが多くの障害をもたらしているかもしれません。

しかし、アニメ業界に限らず、上手くいかない理由を社会のせいにしてしても、何かが生まれるわけでもないし、何も変わりません。「社会を変えよう!」とする意志や、自分からアクションを起こすことで、少しずつ状況が好転していくのです。僕はこのことを多くのアニメ作品(とりわけジブリ作品)から学びました。

アニメーターに限った話ではなく、自分がやりたいことでしっかり稼ぐことは、やり方と時間と努力次第で、誰でも達成可能です。

実際、伝統的なアニメ業界から距離を置きながら、コマーシャルやアートアニメーションの領域で、クリエイティブと稼ぎを両立しているアニメーターは、世界中にいます。 

僕が思うに、アニメーターがしっかり稼いでいけるかどうかは、そのアニメーターが「稼ぐ」という行為に対してちゃんと向き合えるかどうかに懸かっています。アートや技術だけでは、世界を変えることはできません。村上隆やスティーブ・ジョブズのように、アートにビジネスを掛け合わせることで、ようやく世界を変えられるかどうかの土俵に立てるのです。

スタジオジブリや京都アニメーションが素晴らしい作品を作り出せるのも、ちゃんと売り上げを出すことができるからだと私は考えます。

これは個人のアニメーターでも同じです。アニメーターとして、自分自身のクリエイティブを最大限拡張するには、それなりの稼ぎが必要だと感じます。

ただ絵を描きたいのであれば、それは趣味でやればいいわけで、絵を描くことでビジネスの場に立っている以上は、ビジネスマンとしての視点も必要です。

これがアニメーターの個人戦略の第一歩だと私は考えます。次回に続きます。

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