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アニメーターの待遇を改善するために求められている人材

現在、アニメ業界はそれなりの成長率を叩き出し、その市場規模は約3兆円ということで、日本のネット広告と同程度の市場規模に膨れ上がっています。

しかし、一向にアニメーターの待遇が改善されません。理由はいくつか挙げられますが、私が思うに、アニメ制作会社に適した経営者の不在が大きいと考えます。

アニメ制作会社の社長を務めている人の大半は、元・プロデューサーです。たしかにプロデューサーはお金を集めて、可能な限り収益を出すためのスキルを養えます。しかし一方で、マネジメントや投資などのビジネス周りのスキルに欠けており、何よりも長期的視座がありません。

だからと言って、経営者的な視点だけでは「数字」に囚われてしまい、結果として目先の数字ばかりを追いかけ、アニメーターを疲弊させることに繋がってしまいます。

現代ビジネスで求められる経営者は、創業者マインドを持ち、かつエンジニア的な視点を有している人材です。アニメ制作の現場で本格的にDXを進められる人材が求められています。現状、アニメ制作会社の上層部にいるのはプロデューサーおよびディレクターだけで、なぜかエンジニアが存在しません。特に、近年注目されている生成AI、AR・VR、データ分析、NFTなどの技術は、いずれもアニメ業界を大きく変えるポテンシャルがあります。そう考えれば、アニメ制作会社に創業マインドを持つエンジニアが存在しないのは、とても不思議な話です。

ここまでをまとめると、アニメ制作会社に求められる人材とは、経営者的な資質はもちろんのこと、創業マインドも持ち、それでいてIT関連の知見と実行力がある人材ということになります。

ただし、私が思うに、これだけでは足りません。たしかに、先ほど紹介した人材であれば、それなりの速度で業務を効率化させるようになり、それに加えて適切な投資を実施できるようになるでしょう。しかし、アニメ業界の構造上の問題を解決するのは難しいと考えます。

そこで私が考える「もう1つの要素」は、破壊者であることです。アニメ業界を容赦なく破壊できれば、既存の構造に関係なく、全く新しいアニメビジネスの在り方を展開できるようになると思います。

そして、アニメ業界を破壊できるようにするためには、アニメ業界に依存しない形で事業を始める必要があるでしょう。つまり、日本式アニメ業界の「外」からやってきた人が、次のキーパーソンになるのではないかと私は考えます。

今回のクラウドファンディングでは、アニメーターを深掘りしていく予定ですが、その中で日本式アニメ業界から距離を置いているアニメーターにも積極的に取材していく予定です。

ぜひご支援のほど、よろしくお願いします。


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