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編集後記『Rで学ぶマーケティングリサーチ』

ページ数が多いというのはなかなか大変で、当社の値付けの仕方だと、さらに高価格になるため、級数を下げ、行間を狭くし、1ページに文字を詰め込んだ。11月新刊の『Rで学ぶマーケティングリサーチ』はそういう本だ。

当社の本は、原則として編集者が校了までのすべての編集作業を行う。余談だが、他社で書いたことがある著者にはけっこう驚かれる。編集プロダクションで制作している会社が多いのだろう。ところが、入稿時、他の企画との都合で、担当できそうな者がおらず、原稿整理から初校の原稿合わせまでは編集委託とした。丸々委託できるだけの予算はなく、その後の再校以降は休日を使ってなんとか間に合わせた。

後期の授業で使用するということなので、なんとか10月中旬の完成を目指したが、やってみるとあれこれ気になることが出てきて期間はさほど縮められなかった。

久しぶりにRに触れたが、使い勝手はイマイチだなと思ってしまう。やはり有償の統計ソフトはユーザーにとって楽である。ともすると、Rの勉強のほうへ力点が行ってしまうのではないかと余計な心配をしてしまう。

複数の出版社で書いている著者から伺った話だが、A社でRの本を書くと売れるが、B社で出しても売れない、ということがあるそうだ。この話には思い当たる伏がある。不思議なもので、出版社には固定の客層がいる。だから当社から出版したがゆえに、真の顧客層にリーチできていないというケースは多々あると思われる。もちろん逆もあるだろう。

そういえば、この本は著者と1回も顔を合わせずに完成してしまった。電話越しの印象だが、著者の長畑秀和先生はとても優しい先生だ。一度、お会いしたい。(了)


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