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山小屋の3悪人

何年か前、会社の帰りに古書店で素敵な古本を見つけた。黒澤明全集第2巻である。古書店ではどんな本も980円というセールをしていたので迷わず買ってしまった。これは黒澤明の脚本集で昭和20年代の映画の脚本やエッセイが詰まったお値打ち本なのだ。早速電車の中で読んでみた。「山小屋の3悪人」というシナリオだった。
雪山の小屋に逃げ込んだ3人の銀行強盗の話。とにかく脚本が面白い。まるで映像が目の前に展開するようなストーリーのテンポの良さ。どんな俳優が演じるのかはまだこの時点ではわからないが、役者の息づかいが聞こえてきそうなシナリオである。
その後、Amazonで谷口千吉監督の映画版「銀嶺の果て」を見てみたが、脚本の時ほど面白くなかった。どうやら三船敏郎のデビュー作のようだ。確かに三船敏郎と志村喬の演技は素晴らしかったが、映画全体が自分で予想していたような迫力に欠けていた。監督の腕でしょうか?映画って難しい。


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