カマキリ先生スゴイZ!
たまたま、NHKの「昆虫スゴイZ」を観て、これはすごい番組だと思った。
何がすごいって、香川照之扮するカマキリ先生の熱量がスゴイのだ。いやー、感動した。
私が観た回は「モンシロチョウを捕獲する」という内容だったのだけど、香川カマキリ先生は、カマキリの着ぐるみを着けたまま、いきなり小さな蝶を素手で捕まえようと奮闘するのだ。蝶は、普通、虫取り網で捕獲するものだと思っていたら、素手だものね。ムリでしょ。さすがにムリだと悟ったのか、次は帽子になり、小さな網になり、3時間後大きな網に変えてようやく捕まえたが、それでもモンシロチョウではなくモンキチョウだった。虫取りに対する彼の執拗なまでの熱中ぶりは、とても50代の大人とは思えない、まさに少年の姿だ。
テレビで見る彼は、大企業や大銀行の狡猾、非情な黒幕的な役が多い。一癖も二癖もある悪役のイメージだ。それだけにカマキリ先生の純粋で無邪気な側面を見ると違和感を覚えるが、おそらく彼の素顔はこっちの方だろうと思う。きっと芝居に関しても、趣味に関しても彼は全身全霊で没頭するタイプなのだろう。
それにしても彼の昆虫愛は、素晴らしい💓昆虫の姿形を細部までよく観察して、その命の鼓動を愛おしむ姿に感動する。そして、こんな大人って素敵だな〜と思った。
昔、私自身も蛙取りの名人を自負していたが、あくまで玩具のように弄んでいたように思う。ある時、学校で解剖実験に使うために他の生徒の分の蛙を何十匹と捕まえ、バケツに入れて持ち帰り、蓋をして置いておいたところ、翌朝、全ていなくなっていた。みんなで必死でジャンプして蓋を開けて逃げたのだ。その時は悔しかったが、今となれば、蛙たちによくやったと言いたい。私はそれっきり蛙を捕まえるのをやめた。
子供たちは、さまざまな生態の違う命が共に生きているのを昆虫採集で学ぶ。可愛がっていた虫を死なせてしまった時に、命の尊さを学ぶ。自然が暮らしの中から消えゆく中で、自然の生態を知らずに育つ子供が増え、仮想ゲームで機械的に人殺しを楽しむ子供達に危惧している。