(HDRに限らず)モニターのキャリブレーションをさらに本気でやってみる4️⃣

今回は校正作業デモンストレーションの校正作業をみてみよう。
ビデオは以下のリンクから。
https://youtu.be/4utUd6x_OI8?t=253

最初に行うのは使用するColorimeter correction、ターゲット色空間の設定になる。
HDRモニタの場合であっても、ここで一度べき乗ガンマ、モニタのネイティブプライマリをターゲット色空間にする。
経験上、アーティファクトのない精度の高い校正を求めるなら、直接HDR色空間のまま行うよりもこの方法のほうが良い。

ビデオではまずColorimeterの補正を行っている。Lightspace HTPの場合はFCMMではなくFCVM法を用いたColorimeter correctionを行う。
i1Display(以下i1D3。専用DLLの使用でCalibrite ColorChecker Display(CCDIS)も使用できるはず)の場合はEDRを参照したFCMM法も使用できるが、FCVM法を用いる方が良い結果を得られる。
EDRはArgyll CMSのCCSSに相当する補正だが、原理上精度の高い補正が期待できない。
FCVMはArgyll CMSで言えばCCMXが相当し、WOLEDやWRGBタイプのLCDを除き、高精度な補正が可能だ。

それでも、EDRを使用する必要があればオプションウィンドウのCallibration settingで使用するEDRを選択できる。
ColourspaceもしくはLightspaceのi1d3 Support Filesフォルダに入っているEDRを使用できるので、CALMANで作成したEDRを使用したいならインストールしておくとよいだろう。
Colourspaceの場合はProbe Option内のCor.FileがEDRのスロットになっている。
なお、i1D3もしくはCCDIS以外のColorimeterを使用する場合はEDRは機能しない。

FCVM法を用いる場合EDR補正を行わないので、Generic CMFを選択する。
Colourspaceの場合はGeneric CMFの表記はnoneとなっているのでより分かりやすい。

Klein K10など独自の補正機能を持ったColorimeterを使用している場合、FCVMもしくはMPVMを使って補正を行うならColorimeter側の補正は無効にしておく。
colorimeter correctionそのものについては過去の記事で触れているので、興味があればそちらを読むと良いだろう。
基本的にColorimeter Correctionを行わなければColorimeterは正しく機能しない。忘れずに行うようにしよう。

ビデオに手順を記録しているので、作業自体は特に困る要素はないはずだ。
同じRGBWの4パターンをColorimeterとSpectroradiometerで計測し、Spectroradiometerを基準としてColorimeterの計測値を補正する。
計測する順番に指定はないが、4K HDR anime channelではSpectroradiometer→Colorimeterの順で計測している。
細かい機能の解説などはLightillusionのサイトに詳細なマニュアルがあるのでそちらを参照してほしい。

次回は計測作業と校正作業を説明しよう。
作成当時はブレイバーンでも見ながら3000点のパッチ計測が終わるのを待っていたが、微妙な終盤だったので負けインでも見ながら待っていてほしい。
負けインはいい、本当にいい。

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