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ゲームレビュー2回目「キミキス+」


キミキスは2006年にエンターブレインから発売された恋愛シミュレーションゲームだ。

当時としてはまだ珍しかったであろうメディアミックス展開も積極的に行われていた。

スタッフは「トゥルー・ラブストーリー」シリーズを手がけた人たちだ。

何故、急にこんな古いゲームをやり始めたのかと言うと、「アマガミ」というゲームがネット上で今でも話題になっている事を知り、最初はアニメで見る予定だった。

ただゲーム原作ならアニメを見る前にゲームをやるべきだろうし、更には前作的な立ち位置に「キミキス」があることを知り「キミキス」からプレイするべきと思うようになってきた。

更にはPS2の「アマガミ+(アマガミのバージョン違い、システムも少し変化している)」は微妙にプレミアが付いて入手しづらかったので、「キミキス+」をAmazonマーケットプレイスで入手してプレイする事にした。

まずゲームはオリジナルと「+」が付いたバージョンがあり「+」は後発の廉価版なのだがシステムに改善も施されていた。

具体的には相手の心情が少しわかりやすくなり、ゲームを快適に進めやすい内容になっている。

ただ実際にゲームをプレイしてみると運要素が強めの内容なので、この追加要素はあってもなくても大きな支障は出ないように感じた。

そして肝心のゲーム内容だが個人的には及第点だ。

まずイラストだが2006年当時を考えてみても、あまり現代的とは言えない絵柄な気がした。

また他の美少女ゲームと差別化するために敢えてこのようなイラストにしている気がした。

よく言えば純爽やかで純粋そうな感じ。悪く言えば、あまり煽情的はなくイラストだけを見て、この少女たちに魅力を感じたり欲情はできなかった。

ただ目的は「恋愛」だし家庭用ゲームなので欲情する必要もないのだが…。

ただイラストとは裏腹に内容は多少エッチ(を感じさせる)だ。

まずタイトル通り「キス」がキーワードになっているので、どのキャラクターを攻略するにしても何かしらキス系のイベントが発生するのだ。

直接的な行為よりもキスの方が個人的にエロいものに感じられるので、家庭用ゲームにも関わらずキスしまくりの本作には驚いた。

また、いわゆる女の子を追いかけまくる「同級生」タイプの恋愛シミュレーションゲームにしてはゲーム性が強かった。

具体的には話題袋という袋に話題を詰めて、相手に相応しいと思う話題を投げかける必要があった。

話が合えば相手の好感度が上がるが、反対に話が合わないと好感度が下がってしまうのだ。

これが結構シビアでゲーム序盤で女の子の好感度が上がっていないと、どう足掻いてもバッドエンドになってしまうことに気づいたためセーブとロードを繰り返していた。

ただルールがわかれば攻略自体はそこまで難しいものではなかった。

またゲーム性がある内容とは言え、一度ルールを覚えてしまうと作業ゲーのようになってしまうところがあった。

文化祭までに各キャラクターを口説き落とせればキャラクターごとのハッピーエンドが見られるのだが、1回のプレイで見られるEDは1つなのでキャラクターの人数分のプレイを繰り返さないと各キャラクターのシナリオが見られないのだ。

シナリオは主役級のヒロインである星乃 結美のものが一番よく思えた。

あとは個人的に好みだった二見 瑛理子のシナリオも良かったが、反対に言えばそれ以外の女の子のシナリオは凡庸で面白味に欠けると感じた。

あとは主人公が結構身勝手な人間性で自分の価値観を押し付けるようなタイプの人間で苦手だ。

少し説教くさい人間だと思えたし、自分が女性ならこんな男とは付き合いたくないと思った。

20年前なら当たり前だったのかもしれないが令和の時代には受け入れられなさそうな男だ。

あとはEDテーマはどのヒロインでエンドを迎えても星乃 結美役の小清水亜美さんが歌うのだが、各キャラクターごとの声優さんでEDを歌ってほしかった。

あとはシナリオの凡庸さを声優さんの演技で補っているようなところも感じた。

ただ反対に言えば声優さんはかなり豪華で、今でも第一線で活躍する能登麻美子さんがお嬢様キャラを演じているのも意外に感じた。

今では、この配役は回ってこないのではないだろうか(笑)。

そのため個人的には佳作なのだが、隠れキャラも含めてキャラクターが多くて、やりごたえはあった。

攻略していくうちに最初は好みではなかったヒロインにも興味が湧いてきたし、先ほどシナリオが凡庸とは言ったものの、なんだかんだで楽しんでいたのかもしれない。

また単調になりがちな恋愛シミュレーションに話題袋というゲーム性の高いシステムを取り入れたのは革新的に思えた。

そんなこんなで、プレイして良かったと思う反面、CGを全て集めようと思えるほどまでは熱中できなかった。

そのため全キャラクターのEDをとりあえず見てゲームを終了とした。

でも続編の「アマガミ」は中古で手に入れたのでプレイする予定だ。

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