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自然にも人にも優しい国スイスの動物事情 暮らしに溶け込む犬たち

*アニドネは不定期で海外の動物福祉事情について取材をしています。こちらの記事は過去の海外情報レポートの一部を基にリライトを行いました。

「スイスで犬の躾の義務の法律が撤廃された」

この一文を見て何を思いますか?

犬を自由にさせること?
吠えたり、あちこちでやんちゃをする犬が増えるけど大丈夫?

撤廃の理由は、躾をしなくてもいいではなくて、義務化しなくてもみんな自主的にドッグスクールに通うから、という理由だそうです。

そう答えてくれたのは、スイスで暮らす今川 玲子(いまがわ れいこ)さん。
今回の記事は過去に今川さんへ行った取材と他スイスに関する過去レポートを基にスイスの動物福祉事情をまとめました。

今川 玲子(いまがわ れいこ)さん
🐾経歴🐾
30年前に2人の子供を連れ、スイスに移住。アートギャラリー勤務を経て、銀行に勤めながら子育てをする。
現在は、地域猫のお世話をしながら定年退職者としてスイスに在住。

*今回の記事は、あくまで、個人に対してのインタビューや取材を基に執筆しています。記事の内容に関しては個人の感想であることをご留意くださいませ。本インタビューや取材は以下をご覧ください。


1.犬は家族の一員、だからこそ、社会の一員

躾られた犬は無駄吠えや噛み癖がないのはもちろん、知らない人や他の犬に吠えたりしません。猫を見かけてダッシュで追いかけたり、飼い主が何か食べているとき食べ物をねだったりする事もありません。
スイスで犬を迎えるということ、それは家族を迎えること。
そして、家族の一員であれば社会の一員であること。

だからこそ、法律で義務化するのではなく、子供にマナーを教えるように、家族のそして社会の一員として受け入れてもらえるよう、大切な家族として犬を育てるのは当たり前。
そんなスイスらしい考え方から、犬の躾を義務化する法が撤廃されました。

それは、勿論飼い主だけに責任を押し付けるということではなく、社会全体が動物や自然との共生を大切にしているから。

今回は、犬だけでなく、人にも、そして自然にも優しいスイスの動物事情について。
アニドネnote担当者が個人的に住みたい国の一つスイスの動物や自然を受け入れる価値観を紹介します。

2.レストランやカフェ、日常に溶け込む犬たち

電車から降りてくる犬や、カフェテラスでくつろぐ犬。
スイスの街中では、よく犬を見かけます。

電車などの公共交通機関では、犬用乗車賃を払えばケージなしで乗ることができ、
レストランもほとんどのお店に犬を連れて入ることができます。
レストランでは犬用の水が人のお水より早く運ばれてくることもあるそう。
スイスのホテルは、家族と同じ部屋に泊まれる場合が多く、一流と名の付くホテルでも特別ではなく受け入れてくれます。
だから、食事や旅行、ハイキングにも犬を気軽に連れて行き、犬たちが社会の一員として溶け込んでいるのです。

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3.犬税、そしてその使い道

税金が高く公共サービスや教育が充実していることでも、有名な国スイス。そんなスイスには、「犬税」というものが存在します。犬を飼っている人が支払う税金です。
この税金の使い道は、犬と飼い主が暮らしやすい環境を国が整えること。

街中で見かける緑のポスト

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これは犬のうんち回収用のポスト。
そして、回収されたうんちは燃やすことでエネルギーに変わります。
犬だけでなく、自然、そして、人々にも優しい環境が整っているからこそ、飼い主も犬も社会の一員と受け入れられているのではないでしょうか。

4.動物の本来の姿を大切に

スイスでは犬以外の動物に対してもとても優しい国です。スイスならではのユニークなルールがあります。
例えば、社会性のあるモルモット、うさぎなどの動物は単体で飼育しないこと。
動物が本来どう過ごしているのか、その姿を尊重するための法律です。

また、とある湖畔には白鳥の餌付けに関するこんな注意書きがあります。

“We are friends of swans, that’s why we don’t feed them.”

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意味を要約すると、
白鳥に餌を与えないで。白鳥は水生の草を食べる動物であり人間の食べるパンを与えると腸に支障をきたし身体によくない。彼らは野生動物であり、自分自身で食べるものは見つけられる。

動物を自然ありのままの姿で大切にし、人間の都合に合わせず、対等な存在として尊重すること。
それはスイスの人たちが自然や動物たちが社会の一部であり、決して特別なものではないから、美しい自然の姿を知っているからこそ、それを守ることがごく当たり前に根付いているからなのではないでしょうか。 

終わりに

今回は、犬の躾からはじめり、動物たちのありのままを大切にする文化について、紹介しました。
一見それは、矛盾しているように思えますが、人間社会と動物社会を切り離すのではなく、人間も動物も同じ社会の一部であると認め、共に生きていくことなのではないでしょうか。

日本だけでも考え方や状況が異なる動物福祉の問題。
海外の制度や価値観を知ることは、今より少し深く考えるきっかけになるのではないでしょうか。
今回は、自然に癒されたい筆者が憧れの国、スイスの動物事情について紹介しました。

動物たちにやさしく、そして自然を守りたい、そのキモチが制度として成り立ち、人々の価値観や行動に繋がっているところが純粋に素敵だなぁ、と思いました。
この記事は、過去にアニドネが執筆した海外レポート、そして個人の経験を元に執筆しています。

今回、紹介をした「犬の躾」「動物のありのままの姿を尊重する」というトピックについて、アニドネのAWGsでも取り上げています。
是非、AWGsサイトから署名活動や掲示板に参加してくださいね🐾



勿論、この記事に書いていることがスイスの全てではありません。
だからこそ、もっと知りたい、学びたいと感じております。
もう少しスイス動物事情について知りたいという方は、是非過去の記事をのぞいてみてくださいね。

この記事を気に入ってくれた方、アニドネを応援したいという方、是非、応援やフォローしてくれると、嬉しいです🐾

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