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セカンドプライスオークションのゲームを作った話

皆さんこんにちは、アニマルウィップのレグルスです。

ゲームマーケット2023春に向けて、アニマルウィップは【ビッドライツ】というゲームを作りました。

セカンドプライスオークションという少し変わったシステムを採用しているのでご紹介しようと思います。
それでは、まずこちらにも書いてある基本情報から

<作品情報>

人数:2人~4人
時間:45分~
対象年齢:12歳~
イベント価格:2000円
発表:ゲームマーケット2023春

机上の宇宙開発競争
~星々の開拓権を入札し、利権を得よ!~

・2人から遊べる競りゲーム
・星の価値が分からない……? 価値を調査しつつ最適な値付けをすべし
・手札上限アリ+入札額を払わない特殊競りシステム

<内容物>

・箱サイズ (136mm*190mm*14mm) = DVDケース
・説明書1部
・入札金額表示ボード1枚(B6 2つ折り)
・カード69枚 (91mm*55mm) = 名刺サイズ
 星カード18枚
 入札カード44枚(4色11枚ずつ)
 パスカード3枚
 サマリー4枚
・ミープル11個
 赤3個、青3個、黒3個、白2個

ざっくりの説明はありますが、先にルールブックの形で読みたい方はこちらをどうぞ!!

【ビッドライツ】の基本システム

➀人数+2枚の競り対象が公開される
②手札の組み合わせで金額変更が可能な入札を作っていき、全員が入札の金額を確定させる
③1番金額が高かったプレイヤーから順に「1つ下の順位の入札金額」以上を払う
→好きな星を獲得する
④降りる/降りなければならない場合は入札のうち1枚を捨てて残りを回収する。

画像は開発中のものです

まず一番目を引くのは③の「1つ下の順位の入札金額」を払う部分ですね。
これはセカンドプライスオークションや2位価格オークションと呼ばれます。また、このnoteのメインテーマでもあります。

一般的には、セカンドプライスオークションと言われたら
「ヴィックリーオークション=2位価格封印入札」
をイメージする方が多いでしょう
※セカンドプライスオークションが一般的じゃないっていうのは目をつぶってください……

封印入札 → つまり、他人の競り金額が分からない前提です。

これは「ゲームメカニクス大全」ではライナークニツィアの『ラスト・パラダイス』が唯一の例だろうとしているくらいゲームシステムとしてはマイナーです。※遊んでみたいなぁ

私の遊んだことがある範囲ではゲムマ2021秋に出たStampedeが唯一です。

ゲームメカニクス大全では2位入札オークション(Second-Bid-Auction)がゲームシステムに用いられない理由がいくつか挙げられています。

オークション戦略や、オークションの方法が入札金額に影響を与えるかという研究の範囲では語られても「ゲームシステム」にはならないのです。

システムとして酷評されているセカンドプライスオークションですが、私はものすごい可能性があると感じています。それは私が「競りゲームは好きだけど勧めにくいなぁ」と感じているからです。この話は長そうだし細かすぎるので一旦別の記事にでも書こうと思います。


比較対象の少ないセカンドプライスオークションをメインに置いた【ビッドライツ】ですが、競りゲームとして意外と遊びやすいよという話をしようと思います。

【ビッドライツ】は意外と遊びやすい!?

競りゲームって最初の相場決定が難しいですよね。スタートプレイヤーが決めた世界観に引きずられると言いますか……
その点【ビッドライツ】は誰か一人の影響よりもみんなの相互干渉により相場が作られていくことが多いです。

【ビッドライツ】の特徴として1つ下の順位の入札金額を払うこと以外にも手札による入札金額の表示より低い金額への入札があります。それではその要素の何が良いのでしょうか?

1つ下の順位の入札金額を払う

カード構成は全員同じで[1,1,2,3,5,7,8,13,13,17,17]であり、合計は87金です。
しかし入札金額としてはそれ以上の数値を示せるため、結構ゆとりがあります。体感はカツカツですけどね……

手札による入札金額の表示

数字を自由に宣言するわけではないですし、手札によって段々と相場感が作られていくため、「序盤のミスが命取りになる」ような展開が少ないです。
※逆にジワジワ点差をつける地味なゲームとも言えます。

より低い金額への入札

金額調整が出来るため様子見をすることが出来ます。ただし、1つの入札あたり3枚までしかカードが出せないため、そこまで遅延できなくなっています。また、同じ金額に置けなかったり最初にパスをすると1点もらえたりと早めに手札を使うメリットもあります。

実はこのカード構成にはこだわりがあり、組み合わせると似たような数字になるようになっています。小さい数字は調整には便利だけど大きい数字が作れないのでその部分でジレンマを感じてもらえると嬉しいですね。
※素数を足して偶数を作る楽しさ、奥深さは【ポーションメイキング】で実感しました

色々と変わったシステムを詰め込んでいるように見えますが、基本はシンプルです。手番の選択肢も少ないため、ぜひボードゲーム中級者以上くらいの方に遊んで頂きたいと思います!!


ここまでお読み頂きありがとうございました。
ボードゲームのシステムについてあーだこーだ考えているのが二番目に楽しいです。
※一番はテストプレイで、誰かのプレイツイートを見つける瞬間は殿堂入りです(笑)

ゲムマ2023春は土イ23にて試遊有りです。よろしくお願いします!!

予約フォーム(Google Form)


それではまたどこかでお会いしましょう!


※2023/5/8追記
もし尖ったシステムのボードゲーム制作に興味がありましたら以下のデザイナーズノートもぜひ


執筆:レグルス

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