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〜そんな世の中に終止符を〜

北千住にある人気店【あさり食堂】の工事がようやく終了した。今の自分の全てを出し切った気がする。

1F、2Fと分けた2期工事を経て遂に完成したこの店舗はコロナが来るまでは人が並ぶような人気店だった。

そんなコロナ渦でもやはり人気の店で、工事中は並びにある系列店【萌蔵】という日本酒が楽しめる和食小料理屋を借りてランチ営業をしていたが、毎日のように客が列をなしていた。

あさり食堂リノベーション後。こんなにガッツリ和風デザインをやったのは初めて。

今は子供染みた店舗や商品ばかりがもてはやされる世の中だ。
大人と言われる年齢になっても、いつまでも幼い考え方の人。「これからはマーケティングです。」とコンサルに言われるがままにInstagramに好まれる店舗を作らされる人。自分がコンサルにマーケティング対象にされてるじゃないか。

そんなんだからこんなにも子どもばかりの社会になってしまったんじゃないですか?

だから私はそんな社会を終わりにしたいんです。
10代や20代の子が「えー!カワイイ!」とワラワラ入ってくるような店じゃなくて、「どうしよう…すごく素敵だけど緊張する…。」そんな店作りをしたいと思っています。(もちろんまだまだそれは自分の力量では出来ていないんだけれども。)

店構えって、照明の効果もかなりあるんですよね。暗いお店って高級感とか怪しさが出るでしょ?今はパッキパキに照らされた店ばかりだから、味もクソもないんです。

その方が教育に良いに決まってるじゃないですか。憧れて、緊張して、背伸びして、そしてどう考えても店の雰囲気と自分とが釣り合わなくて…。だけどそうやって子どもは大人になっていくんだと思います。

大人が子どもに合わせてどうするんですか?子ども扱いしちゃダメですよ。
「君にはまだ早い。」それが伝わるような店作りをしなくちゃ。
どうやったら大人になれるんだろう?って考えるんですよ子どもは。髪型なのかな?服装なのかな?って。だけど、それだけじゃない。

そして「あ、マナーや節度か!そして従業員さんに対する振る舞い!(実際はこんなハッキリとしたワードでは思いつかないけどね。笑)」とかそんな事を思うんです。
女性の前でどんな振る舞いをしたらモテるかな?とかカッコイイ大人に見られたい!一人前と思われたい!そんな風に思うものです。それは今の僕も同じです。何歳になっても常にその繰り返しだと思うんですよね。
30代になっても、40代になっても、50代になっても、ずっとこの繰り返しかなって。だから人間が磨かれていくんじゃないですかね?

ちなみに「コーヒー持ってきて。ワイン注いで。」なんて従業員さんに横柄な態度取ってる客は、ただの勘違いです。自分は大人になったではなく、自分は偉くなったと勘違いしているだけ。良い子は真似しないように。かなり冷ややかな目で見られますから。

大人という生き物がどんなものであるべきか、子どもたちに教えていかないといけない。そんな大人が増える事によって、自分たちへの戒めにもなるんじゃないかと。(じゃあ、お前はどうなんだ?って聞かれると超不安になる。笑)

正しいとか正しくないとか正解、不正解じゃないとか。世の中ってこんなにグレーで曖昧で、答えなんか見つからなくて、だけど面白くて、それが素晴らしい事なんだよ?って。
僕はいい加減な事を面白おかしく堂々と言える北野武とか明石家さんまとか島田紳助(干されたけど。笑)とかそういう大人に憧れます。まぁ世代ですね(笑)

ちょっと脱線しました。


とは言え、今を生きる10代20代はまた全然考え方が違うので、そこは僕らがあまり干渉してもいけないと思う。受け入れる、見守る、ケツは自分で拭け、でもどうしようもなくなった時は助ける。これで十分かなと。


僕は建築は建築、アートはアート、デザインはデザイン、教育は教育と区切られたものにはならないと考えています。勝手に区切ったのは人間で、だからおかしくなっちゃってるんだと思います。点と点を線で繋いでみると実は全てが繋がっている。そうでないと本質なんて全く見えてこないんですよ。
だから今回で言えば建築と人格形成という意味合いを持ってデザインを進めてきました。

見通しの立たない世の中ですが、これからも末永くあさり食堂が人気店でありますように…。

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