行政書士における営業について
業務に精通するという課題とともに、行政書士(独立した人)にとって悩ましいのが、集客という課題です。
営業というと、なんだか足を使って飛び込んでいくアナログなイメージがあるわけですが、それも営業として一つの方法であることに間違いはないでしょう。
ただ、やみくもに営業すれば結果が出るというものでもなく。営業活動の前提に、マーケティングによる分析が必要だと個人的には考えています。
そもそも誰をターゲットにするのか。自分は専門特化なので、ざっくり言えば外国人がターゲットになるわけですが、就労系のビザと身分系ビザ、この違いだけでも、営業先や、そのやり方は変わります。
就労系のビザに関する需要は一体どこで集中的に生じているのか。仮に、就職という観点で、専門学校というルートから集客を行えるのではないかと考えたら、それに応じて営業活動を行うでしょう。一方で、日本人や、永住者と結婚したとか、連れ子の呼び寄せをしたいとか、そういった類を集客したいと考えた場合、果たして専門学校に営業に行って効果的と言えるでしょうか。
友達など身内から外国人のビザ関係を紹介してもらうのも一つの方法で、それをきっかけに口コミが広がり、集客できるということもありえますが、これは基本的にBtoCという関係です。属人的な集客方法なので、依頼が来ないときはぴたっと来ないということもよくあります(その逆もある時はありますが)。言い換えると、初期の段階においては、かなり不安定な集客方法とも言えます。その点で行くと、BtoBでの集客ルートというのも、個人的には必須ではないかと考えています。
で、結局どこにどう営業をすればいいの?と言われても、それは、ご自身でまずマーケティングを行えばよろしいとしか答えようがないのです。分析をせずに、感覚でとりあえず営業するというのはまだましなほうで、一番よくないのは、そもそも集客のためにお金や時間をかけないということです。
HPはブランディングや宣伝効果はありますが、じゃあHPから一日20件も30件も受任にまで至るようなことが実際生じるかと言えば、実はそうではない。
HPだけを作って、じっと電話の前で座っていても、HPを見て電話をかけてくる人は少数です。そんな楽に集客ができるなら、行政書士はみんな左うちわでやってますから。うまく集客できているところは、HPの存在を活かしつつも、アナログに強固な集客ルートを確立しているものです。その両輪をよく、地上戦と空中戦なんて表現するわけですが。
結局のところ、トライして失敗しての繰り返しは避けられないのです。待っているだけでは、この世界では、すぐにゲームオーバーになるという場面を何回も見てきました。結局、廃業してしまった人は、業務がこなせないか、集客ができないか、あるいはいずれもというパターンがほとんど(不慮の事情はのぞく)。
ユーチューバー行政書士もだいぶ増えました。行政書士の場合は、動画そのもので収益が上がらなくてもいいわけです。認知され、ブランディングがそこで成功すれば、当然、最終的には事務所の集客につながるでしょうから。出る杭は打たれるなんていいますが、出てなんぼなとこもあります。
宣伝ばっかり上手で、実際は仕事が粗いなんてとこもたまにあったりするようですが、遠慮ばっかりしてると、せっかく腕が良くてもお客さんが来ないという悲しいことになってしまいます。
ただ、実は実務をやっていく中でこそ、集客の方向性や方法をひらめいたりすることもよくあるんですよね。まぁ、それはさておき、とにかくやってみないことには、何にも始まらないという、一般論に帰結するのであった。
おわり
路上シンガーの前に置いてあるチップのための入れ物みたいなものです。入れて頂いたら一曲歌います(心の中で)。