安全性をとるか、楽をとるか

つい先日。

「他の事務所にきいたら、あんたが言ってること(私が会社側にお願いしたすごく単純なこと)までする必要はないと言われた!」

と電話で怒鳴られました(なんでそんなにキレてるの?あなた長州?)。

(じゃあ、その事務所に依頼すりゃいいじゃんと心では思いつつ)他の事務所がどうこうというのは決まり文句のようなものなので、するっと流します。

良い意味でアピールできる資料を集めるとか、入管から間違った認識をされないように、誤解を生む要素は、前もって排除するとか。こちらの立場としては、申請人の在留資格が最も重要なので、安全性、確実性を重視する方向性で進めていくわけです。

しかし、そのために行った会社への助言に対し、あくまでも自分の都合、やり方を通そうとする経営者もいます。

「そんなもんどうでもなるだろ、めんどくさいことやらせるな。文章で説明する形で通せ」と言われても、入管は、理由書の文面だけで判断しているわけではなく、添付の資料とあわせて、立体的、総合的に判断するわけです。

私が違和感を感じることは、当然、審査官も違和感を感じるんですから。

申請人自身は、その点よく理解しているのですが、いかんせん、雇主が非協力的(自分の考えや基準の中では、簡単に申請が通るくらいに思っていたりする)だったりすると、非常にやりにくいものです。

私は「安全性」を、かたや当該経営者は、「楽」を重視しているわけなので、話は平行線です。

ですから!と言いたくなる時もありますが、その経営者を論破することに意義はないので(というか理解してもらえない)、あとは、申請人自身と経営者同士で話をしてもらって、落とし所を見つける方がむしろ早かったりします。

逆に、「彼に是非ともうちで仕事をやってもらいたいけど、ビザのことが不安なので相談に来ました」と、雇う予定の外国人を連れてくる経営者の方もいらっしゃいます。

こういうことを目の当たりにすると、ビザのことも含め、従業員のことをちゃんと考えている会社に入った方がいいんじゃないの?なんて思ったりしますが、これも自己責任と言ってしまえばそれまでの話。ミニマムなところにもワンマン社長、ブラック企業の類は溢れているものです。。。


路上シンガーの前に置いてあるチップのための入れ物みたいなものです。入れて頂いたら一曲歌います(心の中で)。