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雇われ行書のメリット・デメリット

よくきかれるんです。

行政書士試験合格したんですけど、どこか雇ってくれるとこってないもんですかね、はぁはぁ(←テンションあがっているせいかちょっと鼻息荒め)

結論からいって、あんまないっす。以上。

なんて冷たい言い方はしませんが、行政書士事務所の求人が少ないのは事実です。その事務所にもよりけりですが、若い世代の方が採用されやすいという印象もあります。というのも、若い世代は色がついていないので、事務所のカラーに染めやすいと考える人も多いわけです。まあ若い世代といっても、たとえば30代は、この業界では全然若い部類に入りますが。もちろん、事務所にもよりますので、40代で士業事務所に雇われる可能性もないわけではありません。

独立をきらうところもあれば、そもそも独立したいのはわかった上で雇ってくれるところもあります。

まあ、それはともかくとして、雇われたいという人の動機のほとんどが、「実務を覚えたい」「とりあえず慣れたい、どんなものか知りたい」というのも、この業界ならではですよね。実際、自分も雇われるところから始めたので、そのメリット、デメリットについて少し。

メリット①実務を経験できる(実務に集中できる)
そのまんまですけども。なんやいうても、これに尽きる。実は、即独した場合、最悪、実務を経験できないことがあり得ます。客が来ないと実務も何もないわけなので。黙ってても、目の前に案件が置かれ、それをこなせばいいというのは、実務能力を養う上では非常にいい環境だと言えます。集客にエネルギーを使わないでいいというのは、かなりのストレス軽減にもなります。

メリット②事務所経営の在り方を学べる
実務に慣れてきて、少し事務所内を観察する余裕が出てくるようになると、自分だったらこうやりたいなといった感覚が生まれてくるものです。
顧客対応において、どういうところが重要かとか、ヒアリングシートは作っておいて損はないなとか、実務周辺の事務所としての在り方を考えるようになったりします。いい事務所であれば、踏襲すればよく、ちょっとどうかなと思う事務所であれば、反面教師にすればよいわけです。

デメリット①給料に期待はできない
仮にまあまあの規模感の行政書士法人であったとしても、高額な給料は期待できません。業務量の割に(結構こき使われてると感じる割に)給料は少ないな、、、と思うことでしょう。その気持ちは、経験上よくわかるのですが、よくよく考えてみると、実務をやったことがないというのは、会社でいえば、つまるところ新人社員のようなものです。はじめての業界で、1年、2年働いたくらいで、高額な給料をくれよ!というのもなんだか変な話とも言えます。たまに、世話になったにもかかわらず、事務所をディスって去るみたいな光景を目にしますが、あまり気持ちのいいものではないですよね。自分でやってもっと稼ぐぞ!という気概があるのであれば、そこはリスペクトの気持ちを持って、潔く、立つ鳥跡を濁さずの方がベターなんじゃないかというのが個人的な意見です。

デメリット②ぶっちゃけボスとの相性次第
行政書士事務所も一つの会社みたいなものです。もちろん、一般的な企業に比べれば規模は小さいので、所員間の距離が近いという特質があります。当然、事務所のボスとも、小さなオフィスの中、近い距離感で一緒に仕事をすることになります。したがって、仕事の進め方なども含めて、ボスとの相性は働きやすさという点に大きく影響します。注意が必要なのは、士業事務所には、ボスとは別に隠れボス(妖怪「陰険お局」)が存在する場合があり、ボスとはともかく、隠れボスが変なマウンティングをしてくるようなところは、やめといた方がいいかもしれません。小規模であるがゆえに、良くも悪くもファミリー感がでてしまいがちなのも、士業事務所あるあるなのです。会計の部分はもちろん、すべてが公私混同がちになっていたりする事務所は、それが故にマンネリ経営となり、売上もまたマンネリになっていたりすることもありますので、事務所色に染められないよう、自分をしっかり保つ必要があります。

雑多に語りましたが、自分自身は、司法書士業務、社労士業務、そして行政書士業務と横に広く、雇われの形で経験をしました。実務能力が全てではないのですが、必要なのは当然で。雇われから始めるというのは、選択肢としてありだとは思うのです。ただ、雇ってくれるならどこでもいいではなく、自分にとって真に意義のある事務所を選ぶという意識は大切かもしれません。


路上シンガーの前に置いてあるチップのための入れ物みたいなものです。入れて頂いたら一曲歌います(心の中で)。