大地の再生・矢野智徳さんの全ての生命に応援される「風の草刈り」

人間の働きかけでモグラやミミズが応援してくれるというお話に度肝を抜かれました。持続可能な農に絶対に欠かせない世界観と思います。
大地も呼吸していて、土の中では空気も水も風も循環している。
生き物すべてが繋がって協力している。
本当に素晴らしい世界観。衝撃を受けました。

あまりに素晴らし内容だったので「風の草刈り」の部分を文字起こししました。

動画より一部抜粋

軽く風が吹いてくると草の揺らぎのかわり目

そこで風が折ったりそいだりしていくわけですよね。

何回か風に吹かれたりしているうちに硬かった茎が曲がって折れているだけで

今度はどんどん柔らかくなる。

栄養がいかなくなるから。

時間とともに柔らかくなると

普段の風で簡単にそがれていくということが起きる。

無理なくその時にできる草刈りを風はやっていっている。

そういう自然の環境と一緒に

風がやっていることを人がそれに倣って

「風の草刈り」をやっていく。

はらわれた後、風に倣った作業だと

荒れた根が細かい細根に分岐してくる。

荒れ根から細根に変わるだけで

土の中に空気がよく入って土が柔らかくなっていく

結果、草が優しい伸びに変わって

なおかつ風通しがよくなって

その場の風通しを改善

地上の風の流れが変わることで

大地の中の風の動きが変わってくる

つまり両方の風がうまく繋がって対流しはじめる。

そしてそれを植物が

地上の枝葉と土の中の根ッこで

対流を繋いでいるっていう

そういう世界が草を通して見えている。

でも人目線だと草を刈る事だけに気が行ってしまって

そういう自然の全体の動き、見えない世界を

垣間見ることができなくなると思うんですね。

でも静かに作業しながら生き物や風の動きをイメージしながら

付き合ってくると、風と植物と空気と水の動き

大地の中の動きが、実は繋がっているんだなっていうのが

見えてくると思うんですけど

そういう風の草刈りをイメージしながらやってもらうと

いろんな楽しみ、見えなかった世界が

少しは実感されてくるんじゃないかなと思います。

風の草刈りも含めて表層から特に5㎝の詰まっている空気を

大気中から大地の中へ送ってやるような

そういう点穴、モグラ穴の作業をやってもらうと

モグラはもちろんミミズもありもオケラも

色んな生き物たちがそれを応援するようになってくる。

動かない植物、下草たちもそういう空気を送ってもらうと

急速に荒れ根から細根に根を変えていきますから

やたらに草が繁茂しなくなる

そういう改善をやっていると

今度は大地にひび割れが入り、ひび割れが入って

空気や水が通り始めると、詰まっていた地面が

ひび割れながら今度は団粒化してくる。

そうなればなるほど表層の土は

水はけがよくなって柔らかくなっていく

次々に下へ向かって表層5㎝から10cm、16cm、30㎝と

柔らかくなってくるので相乗的に空気が大地の中に入っていって

動植物も集いながら元気になっていく

大きな改善をするより、むしろ身近な改善をしてやると

大地の機能も、生物の機能も動き始めて

結果、気象という空気と水の循環が

脈を繋いで地上と地下で対流しはじめる

そういう生態系の機能が戻ってくると思います。

出来る範囲でコツコツやってもらったら

人が1をやれば自然が応援してくれて10くらいになっちゃうんですよ。

それぞれの単位は小さなエネルギーだけどそれが実は相乗的に

連動して掛け算的なエネルギーを生み出していく

それが次元を変えるという桁違いの力になっていく

それが自然のすごさだと思うので

それを日常的にうまく繋いでもらう応用をしてもらうと

すごく生態系のエネルギー循環を体感でき、感動させられると思います

動かない植物たちに周りからそれぞれの植物にあった生き物たちが集まって

生活の場を作っていきます。

それぞれに合った穴掘りをやっていく

そうすると急速に大気中の空気が大地の中に巡り始めて

植物 下草から低灌木,中木、高木っていう立体的な

根の浅い植物から段々根の深い植物へ

空気が繋がれて呼吸ができるようになる

いずれイノシシも含めた大動物もこの中に加わるわけですけど

自然の生き物たちは流域全体でそれぞれこういう生活をしている

みんな実は流域の空気や水の循環が良くなるように

日夜働きながら、働いた結果として

食べ物や生活の場が保証される。

そういう循環の世界が見事にあるんだってことを再認識させられた。

これを日常的に実感していなかった。

だから簡単に草を刈り、小動物を含めて生きもののいのちを

みんなが支え合っているんだっていう循環。

地球の環境全部が連動して日夜生きづいている

これを侵しているのは残念ながら人だけっていう

でも里山を大事にしていた昔の集落、流域の人たちは

この生き物たちと同じ世界の中にいたと思うんですよね

でも現代はみんなの大元の機能である

空気や水の循環を後回しにして

自分達の生活や自分たちの食べ物を先に

よかれかしと思ってどんどん扱っていく

基盤整備もその延長線上にあると思います。

自分たちの水脈はどんどん作っていくけど

この生き物たちの水脈はどんどん崩されていくわけですよね。

その結果生きものたちはいなくなる

大地は固くなる

おかしくなってるっていうのは体感しているはずなんですよ。

この世界からはずれているのは人だけだなっていう

でも自然科学を大事に見ていくと

宇宙環境も地球に作用していて

天体のエネルギー循環 銀河の渦の世界

それらのエネルギーが地球に及んで

大地もそして生きものも

空気や水の気象も常に循環型で連動しているわけですよね。

これが環境なんですよね。

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