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漫画感想2


君はもう読んだか…?いまSNSで最も熱い漫画……K2を…!

というわけで、真船一雄先生の『K2』(ケーツー)の感想です。
私もこの無料公開の波に乗って一気読みしたクチですが、実は前作の『スーパードクターK』は実家に全巻あり、小さい頃に繰り返し読んだ思い出の漫画でした。K2も確か1巻だけ家にあった気がする。当時読んだときは「こりゃまたKAZUYA先生とずいぶん毛色が違うKが出てきたな…」と思った覚えがあります。KAZUYA先生と比べるとかなりスタイリッシュというか、目元もシュッとしていてクールな印象を受けたので…(KAZUYAさんがフィジカルだとするとK2の主人公である一人先生はインテリ枠だからね(SideMの影響でどのジャンルに行ってもすぐ推しをフィジカルインテリメンタルに振り分けする癖がある))。

何はともあれ無料期間中に読まなきゃ!と思い意気揚々と読み出して、気がつくと2日で445話まで一気に完走していました。現在は2周目に突入しています。
以下、最新話までのネタバレを含みます。


天才的な頭脳と野獣のような肉体を持ち、神技のようなメス捌きで人を救う医師……それがスーパードクターK!
ドクターKは特定のひとりだけを指すのではなく代々引き継がれてきた称号で、前作ではKAZUYAさんが、今作のK2では神代一人(かみしろ かずと)先生が「K」を名乗っています。いずれにしろ、とにかくメチャメチャすげえお医者さんということですね。

先代KのKAZUYAさんは前作のラストで病に倒れ若くしてこの世を去り(これが
辛すぎてラストだけ全然読めなかったので記憶が薄い)、Kの血筋は途絶えてしまったかに思われた…が、数年後、雪深い山奥の無医村で「K」を名乗る医者が現れて…?というところからK2の物語が始まります。
ストーリーの大きな軸はありつつも基本的には1話完結で、漫画力の高さゆえの読みやすさとテンポの良さでサクサク読み進められます。医療の知識がなくても、作中で周りの人達が毎回新鮮にドクターKの神技に驚いてくれるため「何かよくわからないけどすごい事が起きてる…!」となるので大丈夫(でも医療の知識があるとより楽しめるんだろうな〜!(今から取るか…医師免許を…))。


小さい頃スーパードクターKを読んでいたときは面白いなー!医者ってすごいなー!!と純粋に楽しんでいたのですが……オタクとして成長した今こうしてK2を読むと…………神代一人先生がメチャメチャメチャ刺さってしまい…………………………………。

神代一人先生
小さい頃から技術を磨き、両親も親代わりの人も居なくなった診療所でひとり昼も夜もなく村の医療を一手に引き受け、大学にも行けず、一生この村で生きていく覚悟を決めてしまっているの、強い人間ではあるんだけど…あまりにも儚くて 俺が支えてやらなきゃ…!という同級生村人架空人格が芽生えてしまう 
※なお車は片手で持ち上げるしワンパンでエレベーターを破壊できる
ていうか名前が本当に美しくないですか?神の代わりの一の人て…………もういい!神なんて背負うな…

Kを受け継ぐだけあり、医者としての腕はもちろんなのですが、患者への思いやり…優しさ…同じく医師を志す者たちへの厳しくも愛情深い指導…等々あまりにも人間ができすぎていて本当に心から尊敬出来る人間なんですよね…。しかしかと思えば自分の選択が間違っていなかったのか迷いを打ち明けてくれたり意外とコミカルな一面も見せてくれたりと僅かな隙も見せてくれる。三倍満です。
ていうかあらためて見るとKの一族みんな髪質ふわふわの癖っ毛で本当に良くないですか?  はい四倍満。


また、K2は作中でメチャメチャ年月の経過があるので、人間関係の変化や成長が見て取れるのがすごく良いんですよね…。

富永先生と一人先生の師弟関係とか…

富永先生(左)と一人先生(右)
総合病院などと違って村の診療所ではどんな患者も自分ひとりで対処する必要があって、まさしく戦場ともいうべき厳しい世界だったと思うんだけど、一人先生の留守中に自分の力不足でどうすることもできず歯痒い思いをしたことも一度や二度じゃないんだろうな…。それでも少しでもKに近付きたいと、そういう苦悩をひた隠してがむしゃらに頑張ってきたであろう富永先生なので、一人先生の元を去り実家の病院を継ぐと決めた旅立ちの折に一人先生から言われたあの言葉がどれだけ嬉しかったか想像するに余りある でも一人先生だってそれまではたったひとりで村を見守ってきたわけだからそこに富永先生が来てくれたことで村の外へ行っても大丈夫になったので、富永先生がきっかけで世界が広がったことは確かだと思うんですよね 涙出るわ 66〜68話も本当に大好きなんですがとりあえず191話まで読んでください


一也くんと宮坂さんとか…

一也くん(左)と宮坂さん(右)
明るく人懐っこい一也くんが誰にも言えずひっそり抱えてる脆い部分を、宮坂さんはそばに寄り添って自分の意思で一緒に背負ってくれる強い女性なんですよね…。作中でも周りからあいつらあれで付き合ってねえのかよ……と言われるくらい関係性が進展しない二人ですが、私は作中で二人に絶対くっついて欲しいとはあんまり思っていなくて……二人の人間が一緒にいるのに必ずしも恋愛関係である必要は…ないはずだよな?!と思っているから……。でもそれはそれとして周りから見ると一也くんが宮坂さんのことを大好きなのがバレバレなのとかそれを面と向かって言われて照れて縮こまってる一也くんとかはもう本当に最高でありがて〜と思ってる あと原作の200話が本当にこの二人の全てなのでそこを読んでください

TETSU先生と譲介くんとか…

TETSU先生(左)と譲介くん(右)
TETSU先生と譲介くんの関係性、一言で言い表せないくらいかなり複雑なんだけど、ぱっと見では分からないだけでちゃんとお互いに相手のことを考えてるのが垣間見える瞬間が良いですよね…。でも譲介くんにとってみればTETSU先生はドン底から救い出してくれた恩人なのにTETSU先生はその気持ちがどれだけ大きいか全く理解していなさすぎるんだよな いや理解はしてるかもしれないけどそれでも譲介くんの未来のためには自分は必要ないと判断して譲介くんの前から黙って姿を消す選択をしちゃうのがさあ…それも確かに愛ではあるんだけどあの空っぽの部屋でひとり泣いてる譲介くんを見たら一人先生が怒るのも無理ないよ どうして…言葉でちゃんと話し合え……。237〜240話を見て私と一緒に泣いてください


…とまあご覧の通りオタクとしてかなり満喫していますが、ひとりの人間として読んでても本当に面白くて、かつては救えなかった患者を技術の進歩によって救えるようになったり、亡くなった人の意志が今を生きる人に確かに受け継がれていたりと、これまでの一歩一歩の積み重ねで今があるということが感じられるのが大好きなんですよね…。K2、永遠に連載していてほしい。あと氷室先生も再登場してほしい。



というわけで、K2は現在コミックデイズにて5月31日まで全話無料公開中!今から読めばあと3周は読めるぞ!!

もう一回載せとくね