恋とカレー

ぼる塾はあんりちゃんとはるちゃんのコンビ「しんぼる」と

田辺さんと私のコンビ「猫塾」が合体してできたカルテットです。

コンビ時代に田辺さんがモテていたのではないか?と私が思った話です。

私の家の近所に安くて美味しいインド・ネパールカレーのお店があります。どのカレーも美味しくナンも大きくて、田辺さんも絶対に好きだと思いそこのランチに連れて行きました。田辺さんはカレーを食べて

「あんた、良い店見つけたね。」

と褒めてくれました。

「サービスのラッシーです。」

カレーを食べているとそこの店員さんがサービスにラッシーをくれました。お礼を言って飲むととても美味しいラッシーで田辺さんと「ラッキーだね。」と喜びました。田辺さんが「これはランチカレー全種コンプしたいわね。」と帰り道に言いました。

「今度のネタ合わせ酒寄さん家の近くでしてあの店でカレーランチしない?」

ある日、田辺さんに誘われてまたその店に行きました。「バターチキンカレーってパスタにかけても美味しそうだよね。」などと話していると

「サービスのラッシーです。」

またそこの店員さん(この間と同じ人)がサービスにラッシーをくれました。とても美味しいラッシーでしたが私は少し気になることがありました。田辺さんが「少しお金を足すだけでカレーが2種類選べるなら2種類にしたほうがお得よ!」と帰り道に言いました。

「カレー食べに行くわね。」

田辺さんはもうカレーを食べにやってきました。

「サービスのラッシーです。」

今回も店員さん(同じ人)がサービスにラッシーをくれました。私が気になっていたことが起こりました。気になっていたこと、それは

私だけで行った時はサービスのラッシーがもらえないことです。

田辺さんを誘った後も私だけで何回かその店に行きましたがサービスのラッシーはもらえませんでした。田辺さんがいるとラッシーがもらえる。

(もしかしてこの店員さん田辺さんのこと好きなんじゃ?)

私は自分の考えを田辺さんに伝えようと思いました。

「田辺さ、」

「酒寄さん、見て!」

私が話しかけると田辺さんはそれを遮るように大声のような小声で言いました。田辺さんが言う方に目を向けるとカップルが食事を楽しんでました。

「あのカップル、ナンを残しそうよ!!」

確かに2人とも皿にはまだ半分くらいナンが残ってますが、お喋りに夢中で手が止まっているように見えます。

「あの2人両思いだけどまだ付き合ってない感じよ。お腹いっぱいには見えないんだけど、2人だけの世界に入っちゃってカレーすら見えなくなってるのかしら?男の音楽の話よりナン食べて欲しいわ!!」

田辺さんは人の話(身内の話以外)をよく聞いています。

「お腹いっぱいなんじゃない?」

「いや!お腹いっぱいじゃないよ!顔見たらわかる!!(?)」

私は忘れていました。田辺さんはカレー屋でたまにナン警察になるのです。

「あの2人スペシャルセットにしてるよ!ナン残すのに!」

「なんでスペシャルってわかるの?」

「チキンティッカがついてるじゃない!」

「本当だ。よく見てるね。」

「チキンティッカはスペシャルセットにしかついてないんだよ!チキンティッカ残したら私は泣くね!」

ここで田辺さんが泣き出すと最悪なので、(頼むからチキンティッカを食べてくれ!)と思っていたら願いが通じたのかカップルはちゃんとチキンティッカを食べてくれたのでほっとしました。

「まあ今回はチキンティッカは食べたから許してあげるわ。次はないよ。(?)」

カップルが会計に向かい残されたナンを見て田辺さんは「次に生まれてくる時は私の皿においで」と言っていました。

「ねえ、このサービスの飲み物なんだけどさ。」

私が改めて話始めようとしたら

「そうそう!サービスだからラッシーって最初から決まってたけどさ、」

田辺さんはその後、インドカレー屋のドリンクを自分で選ぶときに起こるチャイとラッシーという究極の選択でなんとかラッシーを選んだ後現れるマンゴーラッシーという強敵の話をしてくれました。

店員さんが田辺さんのことを好きだったのかは今もわかりません。

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