ぼる塾初5大都市ツアーオードブル福岡公演裏レポート

アナウンス「まもなく出発いたします。シートベルトを腰の低い位置でしっかりとお締めください」

2022年4月9日。私は福岡行きの飛行機に乗っていました。

アナウンス「福岡空港までの飛行時間は1時間30分を予定しています」

ぼる塾はこの春、福岡、名古屋、札幌、大阪、東京を巡る5大都市ツアーを開催することが決まりました。私は東京公演のみの出演だったのですが、いろんな人たちの手助けによって初日の福岡公演を見学できることになったのです。

私(福岡に1時間30分で行けるなんて飛行機ってすごいな)

私は10年以上ぶりの飛行機+生まれて初めての福岡に興奮していました。仕事の関係で一足先に福岡に行っているあんりちゃんはるちゃん田辺さんとは劇場で合流する予定です。

アナウンス「ご利用の際は、お気軽に乗務員に声をおかけください。それでは快適な空の旅をお楽しみください」

私(お、離陸する。1時間30分は持ってきた文庫本読んで過ごそう。ずっと読めなかったからチャンスだ~)

気が付くと、私の目の前にはまな板に乗ったファミチキがひとつ置かれており、それをぼる塾四人で取り囲んでる状況でした。

私『これ、ファミチキの真ん中に包丁入れていいんだよね?』

私は包丁を持っていて、みんなに何度も確認していました。

あんりちゃん『はい。真ん中に入れた後でもう一回包丁を入れてください』

田辺さん『心配だね。やっぱり私変わろうか?』

私『四等分くらいできるよ』

そのとき、地面が大きく揺れました。

はるちゃん『わ、何?!』

田辺さん『きゃー!!』

アナウンス「皆様、ただいま福岡空港に着陸いたしました。安全のためベルト着用サインが消えるまでお座りのままお待ちください」

私「…その揺れはね、着陸した衝撃だったのよ。ぼる塾四人で一つのファミチキを分け合う夢を見ていたら福岡に到着していたの」

Mくん「めちゃくちゃ売れてない夢見てるじゃないですか」

私は持ってきた文庫本を開くこともなく、マネージャーさんと作家のMくんと一緒に福岡空港に降り立っていました。

Mくん「でも僕も三日前くらいに今日の福岡公演の夢見ました」

私「どんなだった?」

Mくん「三人が全然ネタを覚えてなくて、

ひえ~ぐちゃぐちゃだ~

ってなって飛び起きました」

作家のMくんは当日の今日もぼる塾の為に明け方の4時まで仕事をしてくれていました。それを知らずに私は羽田空港に到着したとき、

私『わー!ニューエラの帽子の自動販売機なんてある!羽田空港はハイカラだねえ』

と、のんきに何枚も自動販売機の写真を撮っていたことは彼に隠しておこうと思いました。

マネージャーさん「帰りは公演が終わったらすぐに飛行機に乗るので、先に昼食をすませてお土産を買ってから劇場に向かいましょう」

私「わ~ありがたい!お土産を買う時間まで!」

マネージャーさん「劇場に行ってしまうともうお土産を買うタイミングがないので買い忘れはないようにしましょう!」

私「これからが長いから明太子とか生ものは避けたほうが良いですよね?」

マネージャーさん「そうですね。発送するなら大丈夫ですが手持ちなら避けたほうが良いかもしれません。あ、お土産何を買ったのか田辺チェック入りそうですね。田辺さんに聞いておけば良かった」

私「確かごまさばはマストって言ってた気がします」

マネージャーさん「なるほど。要冷凍ですね」

昼食とお土産タイムを済ませて劇場に向かうと、あんりちゃんはるちゃん田辺さんの三人が出迎えてくれました。

私「みんな~!来たよ~!」

あんりちゃん「酒寄さん来ましたね!」

はるちゃん「ママ~!」

田辺さん「福岡に酒寄さん!」

三人は自分たちの公演の前にも福岡の劇場で出番があったので、合間を見て練習しているようでした。

私「いよいよ本番だね!どう?ネタは覚えられた」

田辺さん「聞いて!ずっと自信がなかったコント!さっき完璧にできたのよ!」

私「お!ばっちりだね!」

田辺さん「ええ!私神がかったように台詞がすらすら話せて、あんりもそれに答えるように流暢に台詞を話せて」

あんりちゃん「あれは神がかってましたね」

田辺さん「すごく良かったの!!でも途中から私が台詞全部わからなくなって

急に何も喋らなくなったね」

あんりちゃん「そうですね。田辺さんが急に何も喋らなくなって、

私も何も喋らなくなりました」

私「え?それって完璧って言えるの?」

田辺さん「完璧って途中までは言えるわ」

完璧だったので、少し休憩タイムに入ることになりました。

あんりちゃん「そうだ!酒寄さん聞いてくださいよ」

私「何?」

あんりちゃん「田辺さんが『もし、あんりが福岡で恋人出来て、遠距離恋愛になったらどうする?』って聞いてきたんです」

私「確かに、ぼる塾はよく福岡に来るからその可能性もあるよね」

あんりちゃん「はい。そう言われて、もし、私が福岡の男と恋に落ちて結婚することになったら…って頭の中で考えてたら、田辺さんが

田辺さん『もし、あんりが福岡の男と結婚したらぼる塾全員で福岡に移住しましょう。酒寄さんの旦那さんとお子さんも一緒に福岡に移住よ』

って、私が東京に通うんじゃなくてまさかの全員が福岡に引っ越すって言いだしたんですけど、酒寄さん大丈夫ですか?」

田辺さん「きっと楽しいよ~!福岡は私の地元だしね」

私「田辺さん地元千葉県でしょ」

田辺さん「私は地元と言い張るよ!!」

あんりちゃん「むきにならないでください。でも、ぼる塾は常に新しいことをしていくスタイルなので、もし私が福岡の男と結婚したら、

酒寄さんの旦那さんとお子さんもみんなで福岡に移住しましょう」

もしあんりちゃんが福岡の男と結婚したら、ぼる塾と私の家族みんなで引っ越すことになりました。

田辺さん「家族って言ったら酒寄さんご家族にお土産買う時間はあるの?みたらしちゃんに福岡の美味しい物買っていってあげて!」

※あんりちゃんはるちゃん田辺さんは私の息子(二歳)に「みたらしちゃん」というあだ名をつけて可愛がってくれています

私「うん、さっきマネージャーさんがお土産買う時間くれて無事に購入できたよ」

田辺さん「良かったわ!三日月屋のクロワッサン買った?」

私「買ってない」

田辺さん「買ってないっ?!ばかっ!!あんた何しに来たの?!」

あんりちゃん「酒寄さんは舞台を観に来たんだよっ!!」

田辺さん「そうだったね」

そんな話をしていたら私は喉が渇いてきました。

私「飲み物買いたいんだけど、自動販売機ってある?」

あんりちゃん「私も買いたいので一緒に行きましょう!」

はるちゃん「はいはいはーい!!はるちゃんが自動販売機まで案内してあげる!!」

あんりちゃん「いいよ来なくて」

はるちゃん「はい出たー!好きな子いじめるタイプー!」

はるちゃんは案内してあげると言いながら私の後ろを歩き、「階段がありましたね」「ここはちょっと坂になってましたね」と後だしの案内をしてくれました。しかしあんりちゃんが先頭を歩いて道案内をしてくれたので不便はありませんでした。

あんりちゃん「酒寄さん自動販売機はここです」

私「ありがとう」

はるちゃん「酒寄さん!これが緑茶です!これがブラックコーヒーです!これが微糖です!これがカフェオレです!これが水です!これが紅茶です!これが」

あんりちゃん「あんた黙んなよ!!」

私ははるちゃんがひとつひとつ説明してくれた自動販売機の隣の自動販売機に飲みたい物があったので、申し訳ないなと思いましたがそっちで飲み物を買いました。

その後ネタ合わせを再開したりしていたら、あっという間にリハーサルの時間になり、気が付いたら本番直前になっていました。

はるちゃん「…やばい、緊張してきた」

あんりちゃん「はるちゃんが緊張するなんて珍しいね。わーでもやっぱり緊張するね」

田辺さん「私も緊張してきた!」

はるちゃん「やばい!ママ!パワーちょうだい!」

田辺さん「そうだ!酒寄さんに触ってご利益もらいましょう!」

あんりちゃん「そうですね!酒寄さんのパワーをもらいましょう!」

私「私で良ければパワーいっぱい持っていって!」

三人が私の体に触れた瞬間、

私(大丈夫!大成功間違いなし!)

と念じました。すると、

田辺さん「酒寄さん体うっす!一反木綿だよ!」

あんりちゃん「このまま力入れたら折れますよ!こんな人に私たちは人よりちょっと大きめの体で負担をかけていたんですね」

はるちゃん「ママ!心配ー!ちゃんとごはん食べてる?」

田辺さん「見て!それに比べて私のたくましい腕!!ちょっとした大木だよ!

酒寄さん、あんた大丈夫?」

私はパワーをあげるどころか本番直前の三人に余計な心配事を増やしてしまいました。

「「「ど~も~ぼる塾です!」」」

そして本番。舞台上のあんりちゃんはるちゃん田辺さんは格好良く、来てくれたお客様はみなさんとてもあたたかく、最高のツアー初日になりました。詳しいライブの内容についてはこれからもツアーは続いていくので割愛させてください。なので本番終了直後のぼる塾でこのレポートを締めくくろうと思います。

本番終了直後のぼる塾。

田辺さん「ひゃー!無事に終わったよ!見て!この汗!絶対痩せたよ!」

あんりちゃん「はい!これは痩せちゃいますね!」

私「うん!痩せたと思う!」

はるちゃん「全然痩せてないですよ」

あんりちゃん「あんたこんなときまで自分貫くんじゃないよ!」

田辺さんは男梅みたいな顔になっていました。

おわり

***

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