もし田辺さんがこち亀の両さんだったら
私は最近うっかりミスがとても増えました。以前も決してしっかり者だったわけではありませんが、根が臆病者だった為、生きていて「やばいっ!ミスった!」と慌てるようなことはありませんでした。
仕事では臆病者のパワーが普段よりも増加するのかミスするようなことはないのですが、日常生活では本当に多くなりました。
例えば、田辺さんが無くした靴下の行方を考えていて、そのことに夢中になりすぎて気がついたら目的の駅を通り過ぎたり、(しかも急行に乗っていた)
地図を確認しながら歩いているのに駅から徒歩一分の目的地になかなかつかず、元来た道を引き返したら、スタート地点の真後ろに目的地の大きなビルが建っていたり、
オイスターソースを買いに行ったのに何故かシールブックだけ買って帰ってきたりと、本当にくだらないミスを連発しています。
因みに今我が家には片栗粉が5袋もあります。毎回家にある片栗粉の存在を忘れて買い足してしまうからです。
くだらないミスでも重なるとそれなりに心にダメージを受けます。そんなとき、私はある人に自分のミスを話して心を楽にします。そのある人とは誰か…
そう、ぼる塾のあんりちゃんです。
あんりちゃんは一見しっかり者に見えるのですが私以上にうっかりミスが多く、
あるときは、携帯電話を机に置いたまま帰ろうとしたり、またあるときは、ものすごく大きなリュックサックをお店に忘れて帰ろうとしました。しかもそのどちらのときも、
あんりちゃん「ここは私が払います」
と、格好良く伝票を持ち、颯爽と歩いて行った後に起こしたミスです。最近だと、
あんりちゃん「すみません!酒寄さんのサンドウィッチ、自分のサンドウィッチだと思ってちょっと強めに触っちゃいました!」
と、愉快なミスで謝罪をしてきました。そんなあんりちゃんなので、私がうっかりミスをしてしまった話をすると、
あんりちゃん「わかります!すごくわかります!」
と、滅茶苦茶共感してくれるので、話しているうちに私も、「大丈夫!私には仲間がいる!」と、ラスボス前の主人公くらい気持ちが前向きになるのです。
ある日、私はまたうっかりミスをして、(新宿で目的地から遠いから南口には出ないように行動したのに、何故か南口に出てしまい遅刻しそうになった)ぼる塾でネタ合わせをしているときにあんりちゃんに話しました。
あんりちゃん「あー!わかります!新宿駅マジで難しいですよね!」
田辺さん「全然わからないわ」
私「そうなの!全く疑いもせずに歩いて気がついたら南口にいたの!」
あんりちゃん「大丈夫。酒寄さんは悪くないですよ。新宿駅が悪い!」
あんりちゃんは百パーセント私が悪いにも関わらず、私のミスを新宿駅のせいにしてくれました。私はこのとき世界中を敵に回してもあんりちゃんだけは私の味方でいてくれると確信しました。
田辺さん「うっかりミスって言ったら、あんりもこの間またヤバいミスしたよね」
あんりちゃん「ああ、あれはとんでもないミスをしました」
私「何があったの?」
あんりちゃん「いや、この前楽屋で、『もし田辺さんがこち亀の両さんだったら』って話になったんです」
※ぼる塾は『最初に選んだポケモンが田辺さんだったら』と言う話にもよくなります。そのときはあんりちゃんが「ピカチュウはサトシの頭の上によく乗っているけど、田辺さんは絶対にしてはいけない」という、ルールを決めました。
あんりちゃん「田辺さんが両さんだったら他のメンバーは誰だろうってなって」
私「うんうん」
あんりちゃん「『私が中川礼二で、酒寄さんが麗子だろう』って私、言ったんです」
私はあんりちゃんの言葉に違和感を覚えました。
あんりちゃん「そうしたら田辺さんが、『中川ってそんな名前だったっけ?』って聞いてきて」
私「うんうん」
あんりちゃん「『中川は礼二ですよ!礼二と麗子!』って私は言って」
私「うんうん」
あんりちゃん「それでも田辺さんが『礼二と麗子ってそんなきれいに二人似た名前だったっけ?』って疑ってきて、それで私、結構大きめの声で、
『礼二ですよ!私が中川礼二です!』
って田辺さんを黙らせようとしたんです。でも田辺さんがしつこく、『やっぱりおかしい。調べる』って調べ始めて」
私「うんうん」
あんりちゃん「調べたらこち亀の中川って圭一だったんです。中川圭一」
田辺さん「なんか麗子が『圭ちゃん』って呼んでた気がしてさ。やっぱりそうだったよ」
あんりちゃん「じゃあ、私の礼二はどこから出てきたんだってなって」
私はあんりちゃんの話を聞きながらずっと頭に思い浮かべていた人がいました。
私「え、…あの方だよね?」
あんりちゃんの「そう!中川礼二は大大大先輩の中川家の中川礼二さんだったんです!」
田辺さん「あんりは中川間違いをしていたのよ」
あんりちゃん「はい。とんでもないミスをしてしまいました。しかも、私達が大騒ぎしていた場所がどこの楽屋かわかります?」
私「どこだったの?」
あんりちゃん「ルミネの楽屋です!中川家さんがよく出演しているルミネの楽屋だったんです!下手したら本人に聞かれていた可能性があったんです!」
田辺さん「その日は幸い、中川家さんの日じゃなかったから良かったけどさ、もし万が一出演する日で聞かれていたらと思ったらぞっとしたね」
あんりちゃん「礼二さんも意味わからないですよね。楽屋に入ったら突然ぼる塾のあんりが大きな声で
『私が中川礼二です!』
って言ってるんですよ!いや、オレが中川礼二でお前はあんりだろってなりますよね」
私「良かったね…中川家さんと同じ出番の日じゃなくて」
あんりちゃん「はい!私はとんでもなく失礼な後輩になるところでした」
田辺さん「いや、失礼とかの問題じゃないと思うよ」
あんりちゃんはその日の出来事を思い出したのか震えていました。
あんりちゃん「私、これからは変なミスに気をつけようと思います。本気です!本気で気をつけます!真面目に生きます!」
はるちゃん「ねー!ねー!田辺さんが両さんであんりが中川で酒寄さんが麗子なら私は誰?」
あんり「はるちゃんは本田だよ」
はるちゃん「本田って誰?」
この後すぐにあんりちゃんは、「胃袋を掴む」と言いたかったであろうに「池袋を掴む」と言ってしまい、
あんりちゃん「私は池袋ウェストゲートパークかよ!」
って自分で自分につっこんでいました。
おわり
*
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