パン屋さんに行こう。実践編
※パン屋さんに行こう。準備編という話の続きです
田辺さん「note読んだよ！面白かったわ！」
田辺さんが前回の準備編を読んだらしく、感想をくれました。
田辺さん「酒寄さんのパン屋に行くまでの準備って大変ね！」
読んでない方はぜひ！それでは本編に入ります。
ある日のことです。用事があり、私は一人で町を歩いていました。
私（そうだ！せっかく脳内ぼる塾をアップデートしたし、実際パン屋さんに行ってアドバイス通りに買い物してみよう！）
付近に私がずっと気になっていたパン屋さんがあったので、入ってみることにしました。
私（昼ご飯はもう済ませちゃってるけど、明日の朝用のパンは必要だから）
誰も何も言っていないのに私はパン屋さんに入る言い訳をして入店しました。時間は午後１４時半ごろ。偶然ですが、以前田辺さんと話していた昼ご飯も済ませてお腹は空いていないのに何故か１４時から１５時ごろパン屋に吸い込まれる理論の時間でした。
私（またこの時間に吸い込まれた…不思議だ…）
脳内田辺さん「本当に！不思議よね！」
店に入った途端、脳内田辺さんが現れました。
脳内田辺さん「酒寄さん！まずは何があるのか確認よ！一周するのよ！」
小さく可愛らしい店内には沢山パンが並んでいます。狭いお店ですが店内に私しかいなかったので一周してからパンを取っても問題は無さそうでした。しかし、手ぶらでうろつくのも変かと思い、
私（トングとトレーは持っておくべきよね？）
私はトングとトレーを持とうと手を伸ばしました。
脳内田辺さん「やだ、トングでパン取るとき落としたらどうしよう！」
私は今までトングでパンを落としたらどうしようと考えたことはなかったのですが、準備編で田辺さんに言われた、『トングでパンを取るとき落としたらどうしようって思う』という一言によって意識してしまい、いらないプレッシャーを抱えることになりました。私はこれは今回の脳内ぼる塾アップデートの改悪部分だなと思いました。
トングとトレーを持ってパンを見ようとすると、スタート地点にクリームパンが並んでいるのが目に入りました。
私（落とさないように気をつけないと…）
私は気がついたらクリームパンを掴んでトレーに乗せていました。
私（しまった！とりあえず店内を一周しようと思ったのに、早速パンを取ってしまった！）
脳内田辺さん「酒寄さん！見て！このクリームパン！冷やしても美味しいです！ってわざわざポップで書いてるってことはこの店の推しパンよ！だから買って正解よ！このパンを取らずに一周なんてしたら馬鹿だよ！」
私（そうだよね！馬鹿だよね！）
私は脳内田辺さんに自分の都合がよくなる台詞を言わせ、脳内田辺さんの元々言っていたアドバイスを消し去りました。
私（実際の田辺さんも、『最近コンビニのお菓子食べなくなったわ』って言いながらその手にじゃがりこ持って食べてるような人だしね）
気を取り直して並んだパンを見ていくと、きんぴらごぼうのおやきみたいなパンがありました。
私（お、おやきのパンだ！買おう！）
最近私の中でおやきみたいなパンのブームがきてます。
脳内あんりちゃん「酒寄さん！視野を広くもちましょう！」
そのとき、脳内にあんりちゃんが登場しました。
私（視野を広く？）
脳内あんりちゃん「おやきのパンならきっと種類があるはずです！カレーパンに種類があるように！」
私が周りを見てみるときんぴらごぼう以外にも高菜や枝豆のおやきのパンがありました。
私（本当だ！おやきのパンは種類がある！）
脳内あんりちゃん「ポップを読んでみましょう！枝豆は夏限定で店のおすすめみたいですよ！」
私はトングで落とすことを恐れながら、枝豆のおやきのパンをトレーに乗せました。
私（流石、あんりちゃん。脳内でも仕事ができる）
そのとき、シナモンロールが目に入りました。脳内はるちゃんが現れて言いました。
脳内はるちゃん「シナモンロールはカロリー気にしちゃう！」
私（確かに美味しそうだけどカロリー気にしちゃうね）
私はシナモンロールは諦めました。私にシナモンロールを諦めさせて脳内はるちゃんは消えました。
私（あ、店のパンの人気ランキングだって！）
店内の壁を見てみるとお店のパンの人気ランキングが貼ってありました。
私（参考にしよう！えーっと…一位は食パン！）
脳内田辺さん「あんた午前中にスーパーで食パン買っちゃってるじゃない！悔しいね～！やっぱりパン買いに行くタイミングって難しいね～！」
私のミスに脳内田辺さんが私以上に悔しがってくれました。自分以上に悔しがってくれる人がいることによって私のダメージは少し軽減されました。
私（気を取り直して…あ、ここ、サンドイッチも美味しそう。昼ご飯とか、すぐ食べるときならサンドイッチ良いね。あ、パクチーのパンだって。今度来たら買おう）
脳内あんりちゃん「パクチー？！」
再び脳内あんりちゃんが登場しました。
脳内あんりちゃん「この前、田辺さんとご飯に行ったんですけど、」
脳内あんりちゃんは続けました。
脳内あんりちゃん「入ったお店で、田辺さんに『ここのブリト―美味しいよ！』って言われて、私はサラダとブリト―にしたんです」
脳内のあんりちゃんは、最近私があんりちゃんから聞いた話をそのまま話始めました。
脳内あんりちゃん「私がサラダを食べようとしたら、パクチーが入っていたんです。私パクチーが苦手なんですけど、よく見たら結構な量のパクチーが入っているやつ注文しちゃってたんです。我慢して食べるにはきついくらい入っていて、結局サラダは田辺さんに食べてもらったんです」
私はそういう日もあるよねっと、心の中で頷きました。
脳内あんりちゃん「でも私にはブリト―があるし、サラダは仕方ないって思ってブリトーを食べたら、
まさかのパクチーが入っていて」
私はクリームチーズとイチジクのベーグルを落とさないようにトングで持ってトレーに乗せました。私は以前何も考えずにパンを買ったとき、全てのパンにイチジクが入っていたことがあるくらいイチジクに弱いです。
脳内あんりちゃん「田辺さんは私がパクチー苦手なの知っているはずだから『何でパクチーが入ってるもの薦めるんですか！』って文句を言ったら、『私、今までここで何回もブリト―食べてるけど、パクチーが入っていたことないわよ！』って言ったんです！田辺さんも同じブリト―頼んでいたので中を調べたらパクチー入ってなかったんですよ！！
奇跡的に私のブリト―だけ間違えてパクチーを入れて作っていたみたいなんです！！
そうしたら、私に対するパクチーの短時間の攻撃に田辺さんがめちゃくちゃ笑いだして。田辺さんって人の不幸を喜ぶとこがあるじゃないですか」
私（確かに田辺さんは人の不幸を喜ぶところがある）
私は美味しそうなパン達を眺めながら、人の不幸を喜ぶ田辺さんのことを思い出しました。
以前、あんりちゃんが携帯電話を無くしたとき、田辺さんはあんりちゃんがご飯を食べていると「今、こんなに美味しそうにご飯食べてるけど、あんりは携帯電話を無くしているのよね」「今、こんなに全力でつっこんで笑いをとってるけど、あんりは携帯電話を無くしているのよね」と全てを携帯電話の紛失に絡めてきて台無しにしてきたことがありました。
脳内あんりちゃん「そんなことがあって、その日の夜。再び田辺さんとご飯を食べに行ったんです」
私は脳内あんりちゃんの話を聞きながら、落とさないか不安になりながらいくつかのパンをトングでトレーに乗せました。
脳内あんりちゃん「そのときも田辺さんはまだしつこく昼間の私のパクチーを笑っていたんです」
私はレジに向かいました。私はレジ直前で「あ、チョコチップスコーンもあったのか！」と思いましたが、しかしすでに購入する予定のパンの個数分をトレーに乗せていたので泣く泣く諦めました。そのとき、脳内はるちゃんが現れました。
脳内はるちゃん「おぼんパンパンに買っちゃう！パンだけにね！」
脳内はるちゃんはそれだけ言って去っていきました。
店員さん「ありがとうございます！〇〇円になります。袋ご利用ですか？」
私「あ、袋は持ってます！」
レジで会計している私に脳内あんりちゃんは言いました。
脳内あんりちゃん「田辺さんはメニューを選んでるときもずっと昼間の私のことを笑っていました。
そしたら、田辺さんが頼んだサラダに虫が入っていたんです！！田辺さんって悪さすると必ずバチが当たるんですよっ！！しかもすぐにっ！！やっぱり神さまっているんですよっ！！」
すると続いて脳内田辺さんが現れて言いました。
脳内田辺さん「しかも会計のとき、私の番でレジが壊れたの！なかなか会計ができなくて困ったわ！」
私は店に迷惑がかかるバチだなと思いながらパン屋さんを出ました。
おわり
＊＊＊
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