マウントってなんだろう?

それは私が田辺さんに何気なく「最近、楽しいことあった?」と聞いたことから始まりました。

田辺さん「飛行機の待ち時間がすごく短かったんだけど、その間に私がとんこつラーメン食べてあんりとはるちゃんを驚かせたよ!」

ぼる塾が仕事で福岡に行った際、その帰りの飛行機の短い待ち時間にラーメンを食べてあんりちゃんとはるちゃんを驚かせたことが田辺さんはとても楽しかったようでした。

田辺さん「あんりとはるちゃんだけじゃなくて松本さんも驚いてたよ!」

※松本さんはKBC朝日放送のぼる塾の冠番組ぼる部屋のスタッフさんです。

田辺さん「30分くらいしかないのに私ラーメン行ったからね!」

私「田辺さん攻めるね」

田辺さん「もしかしたら40分くらいあったかもしれないけど…」

私「いや40分もすごいよ」

田辺さん「まぁね~。みんなとんでもなく驚いてたよ!ひえ~って!」

その後、田辺さんからそのとき食べたとんこつラーメンの写真が送られてきました。私は写真を見て、「紅ショウガの赤色がキレイだね」とコメントすると田辺さんから「流石は酒寄さん!良い目線もってるね!」と、実力以上の評価をもらいその日は終わりました。

次の日、私はあんりちゃんと作家のMくんとネタ作りをするために神保町に集まりました。ネタ作りに入る前の軽い雑談として、私は昨日田辺さんから聞いたことを2人に話しました。

私「そういえば、田辺さんが飛行機の短い待ち時間にとんこつラーメン食べてあんりとはるちゃんと松本さんをとんでもなく驚かせたって言ってたよ」

あんりちゃん「え?田辺さんには申し訳ないんですが私たちそこまで驚いてませんよ」

私「そうなの?」

あんりちゃん「はい。田辺さんが『私ラーメン行っちゃうよ?どう?』ってやってきたので『すごいですね~』くらいは言ったかもしれないですけど」

私「田辺さんに楽しかったこと聞いたら一番にそのエピソードくれたよ」

あんりちゃん「福岡でもっと色々あったのに…私たちにラーメンの早食いでマウントとったことが田辺さんの一番の思い出なんて」

※「マウント」とは、自分が相手よりも上だと示す言動を取ること。「マウントを取る」や「マウンティング」とも言います。

私「確かに良い思い出もっとありそう」

あんりちゃん「絶対あります!例えば…食べ物ロケがあったんですけどお店の都合で時間が一時間後ろにずれて田辺さんが空腹に絶望したこととか、そのロケの集合がホテルのロビーだったんですけど、田辺さんが誰よりも早くついてかなり早い時間から集合場所にひとりで待っていたこととか、仕事の合間に田辺さんがいつものように寝転がっていて、その上にはるちゃんが乗っかって、田辺さんが『降りてよ!降りてくれたら今より好きになるから!』って言ってたこととか

…あんま田辺さんのラーメンの話と大差ないな」

私「いや、ハートフルだよ。ありがとう」

あんりちゃん「何よりです。そもそもラーメンの早食いで私たちを驚かせて喜びを感じるって、田辺さんのマウントポイントって謎ですよね」

それを聞いていた作家のMくんが、

Mくん「前に田辺さんに『私ラーメン三口で食える』って自慢されました」

あんりちゃん「もうそれに関してはマウントと言うかバケモノだよ」

そんな話をしていると、話題の中心にいた田辺さん本人がやってきました。ネタ作りの応援に駆けつけてくれたのです。

田辺さん「私で力になれたら」

と、ネタ作りの助っ人として頼もしいことを言ってくれました。しかし、田辺さんが「今日はご飯、野菜炒めを食べてきたわ」と言ったことに対し、あんりちゃんが「ヘルシーですね」と言うと

田辺さん「何よっ‼野菜炒め五人前くらいあったわよ‼」

と、田辺さんは何故か怒り出し、あんりちゃんが「田辺さん!ヘルシーは褒め言葉です!ヘルシーは良い意味です!!」と、神の怒りを鎮める巫女のように田辺さんを宥めたりして、その日のネタ作りはそこまで進まず終わりました。

私(田辺さん、野菜炒めで何であんなに怒っていたんだろう?それに田辺さんのマウントポイントって本当に謎だよな…)

私はみんなと別れて帰りの電車に乗っているとき、再び田辺さんのマウントについて考えました。

私(あれ?前にも『何でそんなことでマウントとろうとするの?』って田辺さん本人に聞いたことあったような気がする…あ!思い出した!)

それは数年前のある日のことです。私がぼーっとしていると、田辺さんから連絡が来ました。

田辺さん「事件よ!仕事で行った鹿児島が本当に素敵で、あんりが『また来たい!どこでもドア欲しい!』って言ったらはるちゃんが『タケコプターは?』って言い出して、あんりが『タケコプターで鹿児島まで来るの大変だよ!あんただけタケコプターで鹿児島来な!』って怒ったの!」

田辺さんは「はるちゃんったらあんりに怒られてるの!うける!」とちょっと嬉しそうでした。

それからしばらくして、再び田辺さんから連絡が来ました。

田辺さん「聞いて!私が『ドラえもんってうさぎやのどら焼きとか食べたことあるのかしら』って言ったらあんりに『ドラえもんにマウントとろうとするな!』って私もすごく怒られたわ!」

私はそれを聞いて、さっきの連絡から一時間くらいは立っているけどもしかしてずっと田辺さんたちはドラえもんの話を続けていたのかと驚きました。それから流石の田辺さんでもドラえもんにはマウントをとらないと思い、

私「流石の田辺さんもドラえもんにはマウントとらないよね。あんりちゃんは考えすぎだよ」

と言うと、

田辺さん「いや、私ドラえもんにマウントとったよ」

と、まさかのあんりちゃんの怒りは正しかったようでした。

私「ドラえもんにマウントとろうとするんじゃないよ」

ドラえもんにマウントをとろうとするだけでも少し不思議なのに、マウントをとろうとしたものが「どら焼き」です。

田辺さん「だって相手の得意分野で勝てたら嬉しいじゃない」

私「ドラえもんの得意分野ってどら焼きなの?!」

田辺さん「え、違うの?!他に何があるの?」

私「ドラえもんの得意分野って人助けじゃないの?」

田辺さん「人助け?あれは趣味よ!」

田辺さんの中で毎回ドラえもんは趣味でのび太くんを助けているようでした。

田辺さん「ドラえもんの人助けは趣味っていうかもはや日常だよね!」

私「毎回趣味で助けてるの?」

田辺さん「得意分野で毎回あんなになる?」

私「確かに」

田辺さん「それにドラえもんが特技の欄に「人助け」って書いてたら私は嫌よ」

私「はっ!…田辺さんが言ってること滅茶苦茶だけど、ドラえもんが『得意分野は人助けです!』って言うより『人助け?趣味と言うか、もはや日常ですね』って言うほうが何か格好良いね!」

田辺さん「でしょ!だからドラえもんの得意分野はどら焼きよ!」

私「でもどら焼きが得意分野って言うのも変じゃない?だって、ドラえもんはただ食べてるだけだよ。だからどら焼きは好きな食べ物になるんじゃない?」

田辺さん「いや、どら焼きは得意分野だよ!私と一緒よ!

だって私はただ食べていただけで気づいたらスイーツ女王になってたわ!」

私「確かに!田辺さんはスイーツを得意分野にしてる!」

田辺さんはただひたすら食べ続けていたら、いつの間にかスイーツ女王と言われるようになっていたそうです。(本人も自分がいつ女王に就任したのか始まりが分からないと言っていました)

田辺さん「そうよ!一緒よ!私も(着ている衣装が)青いし!私とドラえもんは同じなのよ!」

私「それなら田辺さんも毎年映画化されたいね」

田辺さん「いや、映画は私無理よ!何も事件起きないよ!

…待って、朝マックで一番ゴージャスなやつ頼んだとき、食べれるー嬉しいーって言ってたらフォークなかった」

私「それで映画化は難しいね」

田辺さん「くそっ!!」

その後、私と田辺さんでドラえもんと田辺さんを置き換えて、「田辺さんと鉄人兵団」の違和感の無さに驚いたりしました。

~回想終了~

私は電車に揺られながら大切なことを思い出しました。

私(後日、なんとなくドラえもんの公式プロフィールを調べたら好きな食べ物「どら焼き」になってたな)

おわり

***

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