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美術手帖(note)

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『奇想のモード』とシュールレアリズム

『奇想のモード』とシュールレアリズム

今日(1月28日)鑑賞に行きました。大流行りの「奇想」を冠した三つめの展覧会ですが、本来なら「奇想」は、シュールレアリズムこそあい相応しく使われるべき言葉と言うべきでしょう。今回のこの東京都庭園美術館での展覧会のタイトルは「MODE SURREAL/A Crazy Love for Wearing」(奇想のモード/装うことへの狂気、またはシュルレアリスム)ですから、とんでもないものに出会える期待が

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タイガー立石『昭和素敵大敵』の中の古賀春江『海』

タイガー立石『昭和素敵大敵』の中の古賀春江『海』

(承前)古賀春江の有名な絵と言うのは、「海」と言うタブローで1929年つまり昭和3年に描かれた(写真1)。この作品は日本美術史の上では日本最初のシュールレアリズム作品だと言うのだが、どうだろうか?ボクには昭和初期の風俗を踏まえたモダニズム作品にしか見えない。研究者によってタブローの中にコラージュされた帆船、飛行船ツェッペリン号、ドイツの潜水艦などの元ネタが明らかにされている。いわばコラージュで構成

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