2023関東フットサルリーグ2部 最終節 プレビュー@笠間体育館

いよいよ最終節!
ということで、6月から始まって半年近く続いた関東2部も最終節を迎えました。これまで半年間、突然のnote開設から謎のmmの選手紹介を経て、毎節プレビューとレビューを書いてきました。最初は十分余裕を持って書いていた当記事も、リーグが進むにつれて荒さと雑さと遅筆が目立つようになり、大変申し訳ありませんでした。
この記事を書くにあたって意識していたことは、「いかに分析記事にしないか」ということでした。私はmmの戦術コーチとして活動しているのですが、いくらアマのコーチだからとは言え、多分もう少し戦術に言及すればそれなりに分厚さのある内容にはなったのかなと思っています。しかし、それをしてしまうと、mmの情報を与えてしまうなとは思いましたし、もっと言えば、各チームがどんなことを考えて試合に臨むか、ということを邪魔したくないなぁという気持ちはあったんですね。どんなチームも、自分達にあるリソースであったり、環境だったり、情報だったり、きっと差異は大きくあるんでしょうけど、自分達の中にあるありったけをぶつけるから価値があると思うんです。だからこそ、私の書くこれが何か試合に影響しないように、ということは大切にしていけたかなと思っていますね。
そして、その価値の表れる場としての試合を、私も精一杯楽しみながら、試合を見た徒然の感想を書くことは本当にいい経験になりましたし、その営み自体もとても楽しかったです。最後の1節、きちんと書いていきたいと思います!

前節レビューはこちらです!


ロンドリーナvs.クエルボ埼玉(10:00~)

最終節はロンドリーナとクエルボの対戦となります。両チーム勝ち点10の9位で迎えており、勝利した方が一つでも上の順位でリーグを終えられる、という試合となります。
実は昨年度もこの両チームは最後、勝ち点14の同じ勝ち点で終えました(昨季は1試合多いんですが)。そういう意味で、それに対する評価は別としても、客観的には関東2部の中位として争ってきたチームと言えるでしょう。今季はどちらが勝利しても昨年の勝ち点を上回ることはできないのですが、チームとしてのステップアップを期せる、そんな試合になるといいと思います。
ロンドリーナは今季、若さ溢れるエネルギッシュな対人を武器に、直線的にゴールに向かうチームづくりで突き進んできました。もちろん魑魅魍魎ひしめく関東2部では、前に進む推進力も進路妨害されて上手く進めなかったり、逆にそれ以上のパワーで打ち込まれてしまったりと、苦しい試合も多かったと思います。前節のフェニックス戦などはまさにそれでしたね。ただ、最後の試合ということで、ぜひスタイルを貫くフットサルを見せていただきたいところです。
クエルボは今季、なぜかチーム名が変わったところから始まり、心機一転のスタートとなりました。特に序盤では栃木シティを一蹴するなど、老獪なフットサルで一時は首位にも立ちましたね。昨年度関東リーグから去るとともに、チーム自体が消えてしまったtzkさんのメンバーの一部も加入して、いろいろな意味で新しいチーム。その初年度を、得意のドリブルを活かした「脱力」のフットサルでロンドリーナをいなすことができるでしょうか。
若さと脱力、二つの軸が争う初戦です。

BRB vs.情熱ロンリネス(11:45~)

2試合目からは入替をかけた争いが始まります。
現在10位に沈む情熱は、この試合で勝ち点を取るか、大量失点で敗北しない限りは残留。ほぼ間違いない状況とは言えるのですが、SNSでも「最後は勝利して残留したい」という思いが溢れていました。
昨年度、両チームの勝ち点はそれぞれ22と14。今季は12と9ということで、多かった1試合を考慮しても振るわない結果となってしまいましたね。
BRBは(実質)得点ランキング1位(と言っても差し支えない)の武藤選手をはじめとした得点力は光ったものの、失点数が41とリーグワースト3を記録。やや守備、あるいは失点を誘発するような攻撃でのプレーが目立ったリーグとはなってしまいました。しかし、持ち前の保持力、多彩かつ練り込まれたセットプレー、3-1、4-0なんでもいける組織としての引き出し、よく約束事が整備された守備など、フットサルとしては非常に高度なチームに完成されていました。組織として前に進んでいることが最終節に勝ったくらいでは示せないのかもしれませんが、昨年は同じような展開で迎えた最終節を落として今季が始まっていますので、最後勝って弾みをつけたいですね。
情熱は今季始めはバッファローズに勝ち、フェニックスと死闘を繰り広げるなどリーグを席巻。しかし、ロンドリーナに敗れてから急速にチームとして苦しい時期に突入し、関東2部の恐ろしさを実感するシーズンとなっているでしょうか。チーム事情としてはYouTubeによれば、おそらく怪我が多発したということになるのかもしれませんが、本当にこのリーグは恐ろしいと言わざるを得ません。しかし、そんなリーグも今年で終わり、来季は新しいシーズンが始まります。心機一転の試合とするためにも、チーム名を代表する「情熱あふれる」試合を期待しましょう。

アズヴェール藤沢vs.AOH(13:30~)

次は最終節まで入替戦決定を回避したAOHの1戦。相手はアズヴェールとなります。
AOHは、前の試合で情熱が勝ち点を手にしていれば、その時点で入替戦が確定します。また、仮に情熱が敗れていても、31という広大な得失点差を巻き返さなければならず、フットサルの世界であっても難しいことにはなってしまっているでしょう。ただ、AOHは今季大量の点差で敗れることが多々ありながらも、この2試合勝利を収めています。どんな状況であっても、試合は来ますしその時間は20分プレイングと決まっています。そこで4-0という哲学を捨てず、折れずに継続して取り組んできた結果が現れているのでしょう。仮に入替戦に進むことになったとしても、この試合に勝利することができれば大きな自信と弾みになります。どんな状況でも、チームとしての哲学を体現し、戦ってほしいと切に願いますね。それと、開幕PPという大変面白い好きな展開も期待したいです。
一方のアズヴェールも、今季の関東2部を彩ったチームと言えるでしょう。昨季の勝ち点9は早々に超え、一時は首位に。はちゃめちゃに整った脅威の3-1システムと硬い守備を武器に、クオリティの高いフットサルで上昇しました。シーズン途中からは得点力の低下の憂き目にあってしまったものの、そのクオリティ自体は決して衰えていませんね。もちろん、バッファローズに敗れて優勝戦線から後退してからのモチベーション維持には苦労したと思いますが、この試合を来季の第0節として、戦い抜くことができるでしょうか。

シュプレモヴェント群馬vs.フェニックス横浜(15:15~)

ここからは優勝・1部入替戦を決定する重要な3試合となります!その初戦は3位フェニックスと、前節で2部入替戦への進出が決まった群馬の1戦です。
フェニックスはこの試合、2点差以上の勝利が必須です。2点差以上で勝利できれば、ひとまず暫定2位に。9点差をつけると、暫定1位となります。まずは2点差を最低ラインに、それでも9点差をも狙っていきたいところですね。パワープレーのマネジメントを含め、注目の采配となります。
そのフェニックスは、今季も優勝候補として大暴れ。シーズン前半には情熱やバッファローズから勝ち点を落とすなど、苦しんだ印象がありましたが、そこからは持ち味が出始めました。フェニックスの強みはなんといっても、「どんな展開からでも勝てる」こと。攻め合いでも守り合いでもカウンターゲームでも遅攻ゲームでも、どんな展開でも勝ちに持っていける総合力の高さが武器です。加えて、後半の駆け上がりを象徴するようにフィットした得点王(ほぼ確定)こと、9番森本選手の活躍も目覚ましいです。ここ数年、「だからこそ」なのかはわからないですが入替には縁がなくなってしまってはいたものの、今季もチャンスがやってきましたね。まずは規定の得点で、プレッシャーをかけたいところです。
一方の群馬は、前節で入替戦へ回ることが確定しました。「見て選ぶ」フットサルの原点みたいな攻撃と、ゾーンプレスを主体とした守備はかなり効いていましたが、ここは妖怪だらけの関東リーグ。勝ち抜くにはややパワーとスピード不足だったのかな、というのが正直なところです。とは言え、勝利して入替戦に臨めるのは本当に大きなモチベーションに繋がりますから、ここ1番の勝負強い展開に期待しましょう。試合というのは、「リーグが面白くなる」ために存在しているわけではありません。1試合1試合、「選手が最高の時間を過ごす」ためのものなのですから、群馬にもリーグの状況関係なく、とことん楽しみ、熱くなれる場であることを期待したいと思います。

栃木シティvs.バッファローズ(17:00~)

次の試合は4位栃木シティと2位バッファローズの対戦となります。
栃木シティは前の試合でフェニックスが引き分け以下に終わった場合、勝てば1部入替戦へ進む2位となります。そのため、前の試合でフェニックスが勝ち点を落としていれば、俄然気合の入る1戦となりますね。
一方のバッファローズ。前の試合でフェニックスが勝利した場合、何点差をつけて勝利しなければならないかが変わってきます。町田との得失点7と、フェニックスとの暫定の得失点差を意識し、どちらかを上回れば暫定2位。両方を上回れば暫定1位となります。フェニックスは試合を終えていますから、基本的にはフェニックスとの得失点差を意識した立ち回りとなるでしょう。こちらもパワープレーのマネジメント含め、面白いことになりそうです。
栃木シティはシーズン序盤は勝ち点を落としました。毎年選手が変わるF下部チームでは珍しいことでもないのですが、この時期が少し痛かったですね。ただ、優勝戦線を退いてからの、選手とスタッフ陣の意志の保ち方が見事でした。わずかに残った昇格への希望を決して捨てず、前に立つ3チームを追走。シーズン後半はその強烈なプレッシングを武器に、46得点というリーグ1位の得点量を叩き出して走ってきました。チーム全体で得点者がバラバラなことからも、誰でもできる「守備からの得点」のパターンが浸透していたことの証ですね。
一方のバッファローズは今季も年間通して安定した強さ。首位町田に黒星をつけるなど、要所での勝負強さも光りました。チームを牽引したのは、やはり高校生。U18選手権で優勝したメンバーは速く上手く聡く、どんな相手にも全く畏怖することなく堂々とゴールを奪って帰ってきました。また、特別指定に選ばれた選手をはじめとしたファーストセットも試合ごとに完成度を上げ、強烈な火力を誇ります。一方で、リーグ内2位の失点の少なさからわかるように、ゴレイロをはじめとした守備の硬さも魅力。
どちらかというと、攻撃の栃木と守備のバッファローズということになるのかもしれませんが、F下部同士の対戦。正真正銘の殴り合いを期待しましょう。

町田アスピ vs. FCmm(18:45~)

最終試合は、いよいよ優勝が決まる1戦となります。
町田アスピは、引き分け以上で優勝が確定。敗北の場合、フェニックス・バッファローズが勝利していれば勝ち点が並びますので、得失点差勝負となります。それぞれ得失点差は7と9開いていますので、2チームが詰めた得失点と、mmから失った失点の合計でこれを超えるかが勝負となりますね。いずれにせよ、自力で優勝を勝ち取りたい!そんな試合になるでしょう。
そんな町田は、何よりも「硬さ」が圧倒的でした。失点数は脅威の13。2位がバッファローズの21ですから、ぶっちぎりの1番となります。平均失点数に起こせば1点台ということですから、いかに守備のチームだったかがよくわかるでしょう。加えて、もう一つ圧倒的だったのが対人の強さ。攻撃守備問わず、ほとんどの選手が1v1にまず負けず、ゴレイロとの1v1の成功率も圧倒的。フィジカルと技術、どれをとっても一級品の選手たちが揃いましたね。フットサルそのもので言えば、そんなに特殊なことはしていないのですが、強い選手を揃えれば勝てる!を証明したシーズンでした。
ただ、その締めくくりに選ばれた以上、やっぱり黙ってはいたくないですよね。mmはシーズン序盤に勝ち点を重ねたものの、アズヴェールに完敗してから大失速。上手くチームとして、「乗り越える」ことができなかったですね。ただ、「異常な即興」「謎の個体値」「謎のゴール前の硬さ」「再現性の対極」「ミスターパルプンテ」のスキルを上手く発動させれば、むしろこういう試合こそ勝機があると思います。群馬とも共通ですが、思い切り、空気読めない嫌われ役をやりたいところ。頑張っていきたいと思います!

会場情報

会場は、茨城県の笠間市民体育館となります。都内からは遠いですが、最終節ということで、来場してくださる方がいらっしゃることを期待しましょう。室内履必須とのことです!
なお、最終節もYouTubeにて試合配信ありますので、奮ってご観戦ください!

張り切って参りましょう!

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