出版業から通販業への転身

2021年2月、九州は大分県で約38年間発行し続けてきた週刊の釣り情報誌を休刊としました。もともとの出版不況はもちろん、出版業を続けていく上で一番ダメージが大きかったのは、年々後退する自然環境を目の当たりにし、読者の皆様に何をお伝えすればいいのか分からなくなったためです。

週刊として発行していた釣り情報誌

季節の変化が止まらない

魚釣りは、魚がいて初めて成立するレジャーです。しかも、生き物の命を頂くことを目的とした業の深いレジャーです。その魚に異変を感じだしたのは、かれこれ15年ほど前からでしょうか・・・。もともと徐々に変わってキたなと感じていた事が、徐々に大きく確信へと変わっていった感覚です。

本誌の目的は、どこで何がどのように釣れるかを皆様にわかりやすくお伝えすることでした。日本には四季があり、それぞれで釣れる魚が異なります。また、縦にも長い日本は、沖縄と北海道では生息する魚が異なります。だから、弊社のような地方誌でも十分読者を獲得でき、38年間も続けることができました。ここで、「どこで何が」の部分にズレを感じ始めたのです。

よく聞く魚見桜。昔の漁師は、桜が咲き始めると沖から魚が入ってくるといったことを経験則から知っていました。当然我々も過去のデータや経験から桜の開花、梅雨入りなど季節の変わり目を自然を通して察知し、それでターゲットとなる魚が釣れるか釣れないかなどを判断していたのです。これがまったく当てにならなくなった。つまり、何百年も続いていた気温と海水温が連動しなくなったのだと思いました。

アオリイカ

また、魚の産卵期も徐々にズレはじめました。この時期になると、この魚は産卵のために荒食い期とあり、その後は卵を持ち始め、産卵後の状態になるといった季節の動きがズレにズレていきました。顕著にあらわれていたのはアオリイカです。昔はアオリイカは春に産卵し、1年で成熟し、次の春に産卵を迎えて死滅するといったサイクルでした。そう、ほぼ1年しか生きられないのです。それが、冬にアオリイカを狙っていると、どう見ても秋に産まれた稚イカが釣れるのです。つまり、春に産卵されるはずが、秋までズレ込んで産卵する個体が現れ始めた証拠です。魚(イカも含む)たちは、水温と潮の関係で季節を把握します。その季節がズレてしまい、春に産卵しそこなった個体が秋に産卵し始めたのだと推測します。

わかりやすい例を出しましたが、このように自然環境が徐々に変化していることを実体験として感じ、2021年2月に休刊とし、現在はスマホケースを中心としたスマホ関連グッズやオリジナルデザインのTシャツを販売しています。もともと2015年から出版業と平行して行っていた事業で、出版が衰退していくとともに、通販事業の方を伸ばすことができたため、スムーズにスイッチすることができました。

ただ、やはり自然環境に20年以上関わってきたため、どうしてもこのまま自然が後退すると、大変な事になってしまうのでという危機が拭えません。そこで、2022年より生分解性プラスチックを活用したスマホケースの制作に取り掛かりました。

このnoteには、そのような自然環境の変化や、生分解性プラスチックの事、それからスマホなどのことなどをお伝えしていこうと考えております。

よろしければ、今後もご愛読いただけますと幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?