安寧
ソファを背もたれにしてクッションに頭を預けてフローリングの床に半ば寝そべる。
夕飯を食べ終え風呂にも入り、さっぱりとして気持ち良くなり後は寝るだけ。
ソファ横に積み重ねられた本の中から一冊取り出しページを繰る。
一日働いた体を休める時間。
まったりと自分時間を楽しんでいると、いつもそれは破られる。
階上から重い足音で階段を下ってくるとキッチンの照明を点ける。
煌々とした白く眩しい光を本で遮ってはみる。
水道から勢いよく水を出し、洗剤をタップリ使い泡まみれのスポンジの鈍いキュッキュッキュッキュッ音。その洗う音は少ない食器数にしては長すぎる。
たった数枚の一人分の洗い物を15分くらいかけて片付ける。
その人に、その気は無くとも
“嫌がらせ”
としか思えない。
疲れた体と心にストレスとなる行動に、文句を言うことも注意することも、またこちらの要望を言う気も全く起こらない。
言ったところで何一つ届くことはないから。
怒ることにはエネルギーがいる。
もうそれすらめんどくさい。
早くこの時間が終わればいい。
それだけを願う。
体を背けてページを捲っては
その世界へ飛び込み
今を忘れる。
そうやって一日一日過ぎさせるしかない。
早く平穏な日が来ますように。。。
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