わかりたい貴方へのオメガトライブ入門


ハーイ!わたし杉山清貴クンがだいすきなクリスタルガール。巷で話題のサカナクション『忘れられないの』のMVはみんな見たかな?わたし、結構感心しちゃったんだよねえ。普通なら、「何よっ!ふんっ!」って思うところだけど、これは素直に「なるほどなるほど」って納得できたのね、なんでだろうなア。

本人もMステで言っちゃってるけど、この山口一郎サンは杉山清貴クンにしか見えないのですよ!そして、MV自体がオメガトライブへの壮大なオマージュ?リスペクト?イヤイヤ、わたしはねえ、”パロディ”って言葉が一番80年代的だと思うのですけど。

ちなみにGoogleトレンドで杉山清貴調べると、Mステの時間にぐーんと伸びてることがわかります。超面白い。


おっとここで、杉山清貴?オメガトライブって何?と思った方!!!

実はサザンとTUBEに肩を並べていたはずなのに、今では泡のように消滅してしまったグループです。去年あたりに再結成したけれど、盛り上がっていたのは世代の人たちで私みたいなクリスタルガールはちょっぴりガッカリしちゃったけれど、山口一郎サンのおかげで堂々とお話しできる時が来ました!やった!♡

オメガトライブは、主に1980年代に日本で活躍したバンドで、プロデューサー藤田浩一の指揮のもと、作曲家林哲司並びに和泉常寛、アレンジャー新川博などの制作陣を中心としたプロジェクトの総称。ボーカルは杉山清貴、カルロス・トシキ、新井正人と変遷した。

もうめんどくさいからウィキペディアから引っ張っちゃった。そうです、意外でしょう?「プロジェクトの総称」なんですよ。

オメガトライブというのは大きく分けて三回に変化するということなんです。メンバーも入れ替わり立ち代り、名前も微妙に変化します。(杉山清貴&オメガトライブ→1986オメガトライブ→カルロストシキ&オメガトライブ→BLAND NEW OMEGA TRIBE) 細かい経歴はウィキペディアに載ってるから読んでね。

一言で述べると、1983年から94年まで形変えながらも続いたプロジェクトのことで、基本的にはバンド編成でAORっぽい曲を歌うグループです。そしていっつも夏っぽい歌を歌うグループです。よく形容される言葉に、バブリーっていうのと、ダサいっていうのがあります。(この情報はいらない?)


まずはアルバムを聴いてみましょう。

★もっとオメガトライブについて知りたいあなた★アルバムを聴いてみましょう。まずは彼らのデビューアルバム「Aqua City」から。「Summer Suspension 」はデビュー曲だけど、本当は「海風通信」でデビュー予定だったんだって。その次は「Rivers Island」で「Because」を聴いてみましょう。最強の曲です。そして「Another Summer」では一曲目「Route 134」でかっ飛ばそう。その次は「First Final」の「ガラスのPalm Tree」で燃え上がって。そこで一旦杉山清貴アンドは終わり。そのあと続くのは1986オメガトライブ、ボーカルがカルロストシキくんに変わります。「Crystal Night」でタイトル曲を聴いてみよう。「Navigator」の「君は1000%」を聴くと、この曲知ってるかも?となるかも。名前変わって、カルロストシキ&オメガトライブのアルバム「Be your self」ではやっぱり「アクアマリンのままでいて」を聴こう。ちなみにもう90年代入ってます。「Bad Girl」の「どうして好きと言ってくれないの」は個人的ベストカルロス。


さて、唐突に....オメガトライブ論の開始...

 オメガトライブがプロジェクトの総称だということは、例えばモー娘。が年号をつけるように、外見を借りて中身を入れ替える作業と全く一緒なんです。実は音楽性は微妙な変化をするけれど、基本的には林哲司サンの泣きのメロディ。林哲司と藤田浩一タックは菊池桃子チャンにも共通していて、菊池桃子ちゃんもそのうち「ラ・ムー」っていうバンド始めちゃうけど、そのプロデュースも彼らがやってます。藤田浩一サンは、プロジェクト=外見を作る戦略を意識してたってことです。外見にイッチバン大切なのは、やっぱりヴィジュアル。そして、イメージ。オメガトライブはサザンもTUBEもない、「洗練されたリゾートの夏」を体現したのです。この点、「忘れられないの」のMVはよーーーく再現してる。杉山清貴クンはいつもサングラスに白い肩パット入ったスーツ着てるのね。周りの人たちも白スーツ着て、たまーにシャツの時もあるけど、清潔感があるわけ。なによりも彼らが最も「洗練されたリゾートの夏」なところは、アルバムジャケット。杉山清貴クン、なかなか少年みたいな瞳してて可愛いんだけど、可愛いからかな?アルバムジャケットは全部風景の写真。これも見ればわかると思いますが、海、夕暮れ、ビル、砂浜…… いわゆる、シティの風景なんです。このシティポップヴィジュアルイメージ問題は過去に書いたことあるから省略。これね↓


「忘れられないの」がやっちゃったこと

オメガトライブがプロジェクトの総称で、それはイメージによって動かされていたのだった…!なーんてこと言ったところで、それがどう「忘れられないの」に繋がるのでしょうか?繋がるんです。サカナクションがやったことも、やっぱり「イメージの80年代前半」ということで、(それは明らかにオメガトライブになっちゃってるけど)でも「イメージ」なんだよね。オメガトライブがやってたことと、ここに来てサカナクションがやってることが、全く一緒なんだよね。だからサカナクションはパクったわけでもないんだよね。オメガトライブのイメージは、その時代を生きる一般的なリゾートへのイメージで、彼らオリジナルのものじゃなかったから、サ。残念だけど。

だからね、「忘れられないの」から、ちょっぴり皮肉っぽいことも感じてしまう。『所詮イメージにすぎねえよ杉山清貴がやったことなんて… 』という言葉が、哀愁混ざってやってくる。イメージをもう一回再生してみると、しかも2019年に再生されると、なんだか皮肉。ここには、憧れと憎悪の気持ちが少し少し渦巻いてるような、気がします。大げさかな?


オメガトライブを気に入った人へ

さっきも書いたけど、生みの親が一緒の菊池桃子チャンはオメガトライブ女子版って感じのアルバムを出してます。

あと、杏里サンも素敵な夏アルバム何枚かだしてるよ。

「タッチ」で有名な岩崎良美チャンも林哲司サンの作曲で最高のアルバム作ってる。

同じくシティな男、そして林哲司サンもたくさん関わった稲垣純一サンのサザンクロス。ANAのCMも最高。


今がチャーーーンスなのです!

サカナクションって、バッハの旋律の人?と時が止まっていたわたしですが、ここにきて杉山清貴クン布教に協力してくれるなんて、感謝感謝。オメガトライブとの出会いから早5年。再結成のコンサートを逃したフアン失格のわたしですが、ある意味過去で止まっていたオメガトライブがじわじわ動いているように思うのです。文化に対して語ることは、実は今の時代を語ること。今どうしてオメガトライブなのか?については、もう少し考えなきゃいけない。でも、このすごすぎるプロジェクトを一人でも多くの人が知ってくれたら、わたしは破茶滅茶に嬉しいのです。そして、80年代復興の兆しを温かく、且つ冷静に見守りながら、これからも分析して参ります。続く。


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