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ランクマッチの活かし方(3)

前回(2)ではランクマッチに取り組む際のポイントのうち初中級編を書きました。今回は上級編です。難しいというよりクセがある内容かもですね。

というわけで上級編

前回、ちらっと敗因分析という概念について触れました。上級編の項目は、これをうまく行うためにはどうしたらいいかという事に大いに関わります。

ビジネス書的な表現をすると、PDCAサイクルをうまく回すイメージですね。ただ対戦するだけではPDCAのDだけになってサイクルがまわらないということになります。

敗因分析を全ての対戦に行うのはしんどいですが、定期的に行ってPlan(計画)、Do(実行)、C(チェック)、A(改善)をうまく回せるようになりましょう。

2先をやり切る

また1抜け批判ですか(笑)と思われそうですが、まぁ聞いてくださいよ。

2先をやり切ると、最大で3回勝負することになります。当然ですが、1先の3倍の長さです。

で、長いと何が良いのでしょう。

一つは、自分の行動が通らなかった場合、それがたまたまなのか、高い再現性があるのかが判別しやすくなります。

再現性よく、あるいは高い割合で行動が通らない場合は、その行動を通すための布石を考えたり、その行動を諦めてプランBを考えたりと、色々な試行錯誤をすることになります。

これが攻略を深めたりプレイの幅を広げるきっかけになるわけです。

また別の見方からは、後半になるにつれてお互いの手札がある程度出揃ってくるので、自然と対戦内容が少しずつ変わってくるということがあります。

個人的にはこの対戦内容の変化こそが格ゲーの面白いポイントだと思ってます。

最初に通っていた行動が通らなくなり、やがて裏の択、裏の選択肢が必要であることに気付いたりするはずです。

このような気づきを与えてくれる機会を、そして格ゲーの面白い瞬間を自ら手放すのは、あまりに勿体無いと僕は思ってます。

あと単純に1先だけだと、待ち時間が相対的に増えて効率悪いんですわ。

ハイリスク・ハイリターンな行動を多用しない

これが勧められない理由を説明するには「ハイリスク・ハイリターンな行動」と「ミス」が引き起こす共通の結果を挙げるとわかりやすいと思います。

それがまさに敗因分析が難しくなるということです。

ミスに関しては前回(2)で書きましたが、少しおさらいしておきましょう。

ミスのリスクを承知で敢えて難しいことにチャレンジすることは意義深いですが、一方で本当にただのミスをすることの生産性は非常に低いです。

ミスったから負けた。それがなければまだ勝ちの芽があった。ミスしないようにトレモしよう。

一応これもまた学びの一種ではありますが、ミスがなければより深い分析ができたはずです。

話をハイリスク・ハイリターンな行動に戻すと、そういう行動は敗因だけでなく勝因も同様にそれに帰結してしまうわけです。

その行動が通ったから勝った、通らなかったから負けた。おしまい。

これじゃ格ゲーじゃなくてジャンケンかパチンコか宝くじの類ですね。

例えば、最近は画面端に追い詰められて最速後ろ投げをする人が多いです。言うまでもなくハイリスクハイリターンです。

いや、特定の状況ならアリです。例えばあと一回の読み合いで負けるし、防御に使えるゲージもない、かつ逆転するためにあと6割以上減らす必要がある…的なとき。まぁ言っちゃえばそれ通らなかったらまず負けのとき。

しかし体力がまだ7割ぐらい残っているうえにVゲージやCAゲージもあるという状況で後ろ投げに頼る人が多々います。対戦を破壊するような最速後ろ投げは何故かダイヤぐらいのガイル使いに多い

最速後ろ投げが通ったから勝った、打撃重ねで潰されたからピヨって負けた。いくら対戦してもそんな結果論だけで終わってしまうわけです。

なんかもう対戦中に熱くなって魂をぶつけたくなるのはわかるんですが、ほどほどにしておかないと、その対戦から得られるフィードバックが非常に浅くなります。

対戦から教訓をうまいこと抽出できれば、

  • 次はどう立ち回るべきか

  • どういう選択肢が必要か

  • 調べるべき技は何か

わかるはずで、それは目先の勝敗などどうでも良くなるぐらい価値ある知見なのです。

ところで、何が具体的にハイリスクな行動なのかについては、意見が分かれるかもしれません。

例えば無敵暴れががあるキャラではCAぶっぱはハイリスクハイリターンですが、ないキャラではCAぶっぱも多少は已むなしな部分があります。

細かい部分は自キャラの上手い人に考えを聞くとよいでしょう。

相手や状況によって選択肢を「ほんの少し」変える

これはどういうことかというと、無理せず勝つことをベースに、しかしそれでは絶対に勝てない不利キャラや格上にはほんの少し無理をするということです。

賛否両論あるかもしれせんが僕はそうしてます。

格上かどうかの判別は、相手と自分のランクの比較でも良いし、相手との通算対戦成績でもいいです。

ほんの少しと書きましたが、しかし極論すると、格上相手にはできること全部やって頑張って勝ちましょうって話で終わってもいいんです。

大事なのは同格以下、あるいは自キャラが有利なキャラを相手にする時です。

こういう場合、ローリスクローリターンな行動でコツコツと体力リードを奪っていくべきです。

飛びやEX昇龍、隙の大きな技の頻度を減らしつつ、安定行動で勝つ。リスクを一箇所に集めるのではなく、対戦中の至る所に分散させていくのです。

ハイリスクな行動を(かなり)封印するため、ある種の縛りプレイで練習しているとも言えます。

不必要にリスクを背負う行動を取ると、これまた対戦内容や結果がブレてしまうと思います。

プロが普通のプレイヤーに飛んでこないのは地上で勝てるからですね。飛ぶ必要がないのです。必要がないことはやらない。

僕ですらダイヤぐらいの人にはEX昇龍を撃つことは多くないと思います。それは投げを受け入れた方が安定して勝てるからです。

(もちろんEX昇龍は読み合いのパーツの一つなので、完全に放棄することはありません。もしガードされてもOKで出すことは多々あります)

まぁ僕はめっちゃ不必要な波動拳を撃ちますが、そこはご愛嬌です。波動撃たないリュウなんて面白くないし、僕の憧れはウメ波動なので!

おわりに

それなりに考え、調べ、試すプロセスがないと、対戦だけでは必要な知識をカバーできません。

知識が磨かれないと対戦内容が進歩しないため、せっかく多くの対戦をこなしても、身につく経験はいつか頭打ちになってしまいます。

漠然とランクマ回してても強くならねえなと思う瞬間は、いつか必ずやってきます。

とはいえ、まずはその実感に辿り着くまでに、たくさんの対戦をこなすのがいいかなと。

その間、ここに書いたことをお供にしてもらえたら、ランクマという環境を最大限利用できるんじゃないかなと思います。

そこから先の話は、またの機会に。

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