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英彦 meets 栗山千明「深海」 …からのあれこれ。

ヒデさんの楽曲提供といえば、栗山千明さんのこちらも。

「深海」(作詞・櫻井敦司:作曲・星野英彦)

夜、夢、狂う。
ああ、あっちゃんの世界。とすぐにわかる言葉の数々。
あっちゃん×ヒデさんが紡ぎ出す妖しく艶やかな世界。

先日の「We are Team NEWS」と同じ人が作った曲とは思えない…のだけれど、お魚としてはこっちの方がすんなり「うん、ヒデさんだ。」って思う。いわゆる安定のヒデ節。静かで仄暗くて美しい、とても落ち着く曲調。

今井さんの書く曲には、BUCK-TICKであれ、他のアーティストに提供した曲であれ、絶対に消えない「今井さん色」みたいなものがある。

かたやヒデさん。
今回NEWSに提供した曲を聴いて、改めてヒデさんって変幻自在なんだな。って思った。もともとバクチクであっちゃんの言葉ありきでも、時々突拍子もなくて、ヒデ、どーした!?ってなるくらい振り幅が広い。(今井さんが狭いわけでは決してない)。曲そのものは無職透明。歌い手や歌詞によって色を変える。そんな印象。

「深海」を聴きながら、今更ながら思った。
これまで「あっちゃんの言葉・歌唱ありき」だったBUCK-TICK。
その大きな柱を失って、これからのBUCK-TICKの楽曲や世界観は本当に大きく変わってゆくのだ、と。



『歌詞:櫻井敦司、Vocal:櫻井敦司』
その大前提を失った彼らが模索しながら作るのは、全くの未知の世界。
未知であるがゆえに、自由であるがゆえに、その可能性は無限。

その無限の可能性をどう形にするか。創造者ならではの試行錯誤を、破壊と創造を、今井さんは誰よりも楽しんでいるんじゃないかな。
あっちゃんに話しかけながら作ってるんじゃないかな。
完成した作品を誇らしげに聴かせてるんじゃないかな。なんて思う。

あっちゃん色がなくなる、これからのバクチク。
第二期のBUCK-TICKは新人バンドとか別のバンドって言ってたのって、そういうことか…ってすごい時間差でようやく理解できた気がする。

もしかすると「十三階は月光」や「Romance」のようなダークでゴシックな作品は、これからのBUCK-TICKからはもう生まれないかもしれない。
そう思うのはとても寂しいことだけれど…。
今、お魚である私にできるのは「最新が最高」の言葉を信じて待つこと。
ゆっくり少しずつだけど、そう思えるようになってきた。

***

「深海」の歌詞は、まるで恋を失って夜の海に沈んでゆく人魚姫。
叶うならば、あっちゃんの声で聴いてみたかった。
「恋するクリスチーネ」みたいにデモ音源があればいいのにね。

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