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ゆらぐ、めぐる。〜未だ気持ちは不安定なれど。

生と死
夢とうつつ
喜びと悲しみ
永遠と刹那

あっちゃんが歌い続けてきた言葉が、あっちゃんがいなくなってから異なる意味を持って胸に響く。

身体がある とか ない とか
此処にいる とか いない とか
見える とか 見えない とか
嘘 とか 真実 とか
夢 とか 現実 とか
境界が曖昧になって、どっちがどっちかわからなくなる。

これまで確かだと思っていた物事への確信が揺らいで、世界が反転したような心持ちになる。足元がぐらついて、心許ない。

何が本当で、何がまやかしなのかわからない。
わかった気でいたことも、本当は何もわかってなかったのかもしれない。
わかろうとわかるまいと、もしかしたら、そんなのどうでもいいことなのかもしれない。

そんなことをぐるぐる考えて、浮かんでは消える言葉を捕まえることもできないまま一日が終わる。

肉体を失ってなお多くのことを考えさせてくれる人。
あっちゃんがいなくなって初めて気がつく大切なこと・見えてくるものがこれからたくさんあるのだろう。

白い天使(スピリチュアル)の世界に馴染みきれなくて苦しんでいた時にBUCK-TICKに出会って、闇や黒が光と同じように美しいことを知った。
白い世界で培った価値観が一度全部ぶっ壊れて、世界がひっくり返った。
その後、白い世界をとことん毛嫌いして、白も黒もどっちもあるからきれいなんじゃん。って徐々に思えるようになった。

あの時と同じように、今のこの身を切るような悲しみの先に新しい世界への扉があるのかもしれない。ならば、あっちゃんが遺したものがその道標に違いない。なんてことを思う。
…だとしても、こんなに早くいなくなっちゃうなんてあんまりだよ、あっちゃん。

あっちゃんが歌う悲しみや孤独は、胸が痛くなるほど切実だけど、いつもどこか優しくて温かい。それはきっとあっちゃんが悲しみや孤独から逃げずに真摯に向き合ってきたからだと思う。

今はこの悲しみが喜びに続くなんて到底思えないし、まだ泣いてばかりいるけれど。私もこの悲しみから逃げずに向き合えば、いつか優しさや温かさを見つけることができるだろうか。

少しずつだけど、あっちゃんがいないのになんで頑張って生きてなくちゃいけないの?っていう気持ちから、わたしはわたしの命を最後まで生き切らなくちゃいけないんだって思えるようになってきた。

まだ前向きになんてなれないし、時間は必要だし、虚しくて消えたくなることもあるけど。今はとりあえず焦らずに毎日を生きよう。
今わたしにできることは、それだけだから。

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