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風と、気配と。〜疾風のブレードランナー

ずっと俯いて、泣いて、蹲るみたいに過ごしていた3ヶ月。
久しぶりの暖かい日差しに、不意に窓を磨こう。と思った。
ぴかぴかになった窓を開け放ったら、少し冷たい風が家の中を吹き抜けて、部屋の空気がきらきらと輝いた気がした。

ほったらかしだったWALKMANのスイッチを久しぶりに入れたら、この曲が流れてきた。あぁ、あの日から止まっていた私の時間が、この風で少しずつ動き始めるのかな。そう思った。

2023年12月29日「バクチク現象-2023-」の1曲目。

共に青い春を駆け抜けよう

Baby Maybe
わかるだろう 叶うはず 祝福だ
今夜お前に届けよう 宝物だ 約束だ

「疾風のブレードランナー」作詞・作曲:今井寿

新たなスタートへのカウントダウンから始まるこの曲を、この言葉を、今日という日の1曲目に持ってくるのか。と、泣き崩れた曲。

「BUCK-TICKはこれからもお魚とあっちゃんと共に駆け抜ける。
 何があっても、どんな時も、世界は輝いている。
 そして、その先には祝福が待っている。だから止まらずに進み続ける。」
そんな力強い宣言のようだった。と今は思う。

・・・当日は、祝福って何?宝物なくなっちゃったのに。約束叶えてくれたのは嬉しいけど、あっちゃんいなくてこれからどうしたらいいの。って、悲しみに逆ギレとも八つ当たりともいえる複雑な気持ちが加わって涙が止まらなかった。

毎年武道館公演が行われる12月29日は、BUCK-TICKとお魚にとって「約束の日」。そしてお魚にとっての宝物。
一旦白紙になった「約束の日」は、けれどすぐに「バクチク現象」としての開催が発表された。
それは、一気に何もなくなって間があくと気持ち的に厳しいだろう、集まる場所があったほうがよいだろう、とファンを慮っての決定だったらしい。

自分たちが誰よりも悲しく辛い時に、ファンに寄り添い、その想いを言葉や行動で示して形にしてくれる人たち。
その優しさと愛の深さに触れるたび、形は変わっても、悲しくてたまらなくても、やっぱりついていこう。って思うんだ。

***

感じるか 愛しいものの気配を

同上

私は泣き崩れて見ていないのだけれど、あの日、ここでヒデさんがトントンと胸を指していたらしい。

あっちゃんはみんなの胸の中にいる。
感じようとしさえすれば、いつだって”此処”にいる。
本当はもうみんなわかってるだろう?

そう伝えてくれてたんだろうな。

少しずつでいいから、顔を上げて外に出よう。
花や空、季節の香りを、空気を感じよう。
風の音や鳥の囀りに耳を傾けよう。

きっとそこにはあっちゃんがいる。


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