見出し画像

新たな一歩〜「さあ、始めようー」バクチク現象-2023-

まだ涙は枯れないし、気持ちの整理なんかつかない。
それでも「区切りをつけに行こう」と勇気を出した『The Ceremony』のチケットは即完売。お魚さんに会うためだけに上京しようとしていたら、思いがけない知らせが飛び込んできた。

12月29日、日本武道館でのコンサート決定。

特別な日に、特別な場所で、特別なタイトルで、追悼公演ではなく新たな「始まり」を告げるコンサートを開く。

BUCK-TICKは終わらない。PARADEは続く。
かたちは変わるけれど、変わらずに、前へ。
そんな彼らの想いに涙が止まらなかった。

悲しみに暮れるお魚たちが少しでも前を向けるように、との願いも込められているのだろう。それにしても、こんなに短期間に再開を決めて動き始めるなんて…なんて人たちなんだろう。
なんて強くて優しいんだろう。
本当にすごい人たち。

正直なところ、当分コンサートはないだろうと思っていた。
唯一無二のヴォーカルを失ったバンドがこれからどうなるのか。あんなに結束の固かった5人が4人になって、どうなってしまうのか。
想像できなかったし、あっちゃんがいないBUCK-TICKなんて想像したくなかった。

でも、今井さんの「続けるからね」という言葉を信じてもいた。
でもまさかこんなに早く…それも今年の12月29日に武道館で「バクチク現象-2023-」と銘打った公演を開催するなんて…本当に驚いた。

ありがとう。と思う反面、怖くてたまらない。
だって、ステージの真ん中にあっちゃんはいない。想像しただけで悲しくてたまらないし、現実を目の当たりにするのが怖くてたまらない。

…それでも。
悲しみが癒える間もなくコンサート開催を決めた4人の気持ちを思うと、どんなに悲しくても彼らが作る新しい世界を目をそらさずに見たい、見なくては、と思うのだ。
だってあっちゃんの不在を誰より強く感じているのは彼らなんだから。

ただ悲しく苦しかった毎日に、ちいさな希望の灯が点った。少しだけ未来に目を向けることができた。その日まで 見たい と 見たくない の間で気持ちは揺れ動くだろうけれど。
どんな時も顔を上げ、前を見据え、未来を見せてくれるBUCK-TICKとこれからも歩いていこう。消えることのない悲しみも一緒に。

あっちゃん、言ってたよね。
「PARADEは死ぬまで終わらない。いや、死んでも終わらない」って。
そんな日がくるのはずっと先だと思ってた。
死なんて、まだまだ遠いものだと思ってた。
こんなに早く現実になるなんて思ってもいなかったよ。
実は全部嘘で、12月29日は櫻井敦司復活祭なんじゃないかな、映画のための壮大なドッキリなんじゃないかな、なんて馬鹿なことを真剣に考えてるよ。そんなわけないのにね。

「PARADEは終わらない」
その言葉を灯火のように抱いて、4人になったBUCK-TICKとお魚は進む。
そこには必ずあっちゃんもいるね。

この日、ここから、また始まる。
これだけで涙が止まらない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?