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スロー・バリ島の扇を使ってみた

家でひとりでも稽古するようになって、身体の感覚が少しずつ変わってきているように思います。意識的になったといいますか、丁寧になったといいますか、その分、今までいい加減にしてきたこととか、やらないといけないのに、先送りしてずっとほったらかしにしていたこととかにも手をつけられるようになってきました。

往還と言う言葉の意味を考えるようになってから、往くだけではなく、還ることを意識し始めたということなのだと思います。一昨日、昨日と床稽古をしていましたが、今日はスローをやりたいと思いました。いつものようにお茶碗を置いて、水を飲むというのもいいなと思いましたが、せっかくなので新しいことをやってみようと思いました。

そして取り出したのが、バリ舞踏で使っていた扇です。バリではキーパスと言います。日本の扇に比べたら、作りが雑ですが、色合いも派手で、表と裏の色合いが大きく違うので、回転するときなど、とても妖艶に見えたりします。

キーパスを使う踊りはいろんな種類のモノがありますが、その中でもクビャール系の踊りは本来とても速い踊りで、キーパスもとても速く回すことが多いです。でも、僕はゆっくり回すのも好きでしたねえ。ゆっくり回すときに身体に還ってくるエネルギーがあって、それを感じることがとても好きでした。そういうこともあって、キーパスをずっと身近において、毎日のように触れていた時期がありました。

さて、とりあえずぶっつけでやってみようと思ってやってみました。とにかくゆっくりと動いて、扇を手に取り、扇を開き、扇を回し、扇を飛ばしてから、また拾い、そして閉じて終わるというイメージです。

やってみて、キーパスに愛着を感じている自分を思い出したといいますか、とてもなつかしかったです。スローの後はいつも世界が変わった感じがします。静かですし、時間がなくなる感じです。寂静というのはこんな感じでしょうか。

瞑想といってもいいのかも知れません。床稽古に比べたら、時間も短いですし、場所を選びませんし、どこでもできるというのはいいですね。

今まではお茶碗に入れた水を飲むというかたちでのスローでしたが、これからいろんなバージョンで試してみたいと思います。

そう言えば、2020年の3月の稽古で、羽織っていた着物を脱ぐというのをスローでやったことを思い出しました。布を使っていろんなことをやってみたら楽しいかなと思います。こういうことをやれるということが、今とてもうれしいです。(o^^o)

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