大谷翔平の異例すぎる契約を解説してみた
皆さん、こんにちは。今回は、先日ロサンゼルス・ドジャースとついに契約した大谷翔平選手の契約について書いていこうと思います。その内容は額面上は10年7億ドルですが、その中身はかなり複雑なものになっていました。自分も完全に理解しているわけではなく、かなり難しいものとなっていますが、できるだけわかりやすく解説していこうと思います。
基本的な契約内容
まずは基本的な契約内容について。総額は先にも述べた通り、10年7億ドルとなっています。日本円に直すと約1015億円(!?)となっています。参考程度に、現在NPBの支配下に登録されている選手の年俸総額は約319億円です。大谷の契約総額はこれの約3倍に当たります。いかにこの数字がものすごいことだかわかるでしょう。
この契約の異常性や、いかに
「ESPN」のJeff Passan氏によると、10年7億ドルの契約の中で、最初の10年間(すなわちドジャース所属期間)は合計2000万ドルが支払われ、残りの6億8000万ドルは契約期間終了後の10年間に後払いとなっています。
2024~33 : 年200万ドル (10年総額2000万ドル)
2034~43 : 年6800万ドル (10年総額6億8000万ドル)
となっています。この後払いの方式は、メジャーではそこまで珍しいものではないが、約97%というのは異例中の異例となっています。他に後払いが含まれている契約をした選手を挙げてみます。
このように複数の選手が後払いの制度を利用していることが分かります。しかし、このリストの中で最大でもdeGromの38%、ドジャースのチームメイトだとBettsの32%、Freemanの35%です。
MLBの契約はMLB機構の承認を受ける必要があります。ただ、MLBの労使協定においては「繰延払いには上限額はない」という規定があり、ルールとしてはなにも間違ってはいない。正式な契約締結が12月12日に発表されたためMLB機構の承認を受けたことになります。
ここからさらに驚くべきことに、この提案を出したのは大谷本人だということだ。
これは大谷による勝利への意思表示ではないだろうか。大谷本人は球団からの年俸は200万ドルのみだがその他広告収入などがあるため生活などには全く困らないだろう。これによって浮いたお金によってチームを補強してほしい、という大谷の意思が感じられる。
さてここで問題になってくるのは「ぜいたく税」についてだ。これは簡単に言うと各球団への年俸総額の上限である。正確にはこれを超えても構わないが超えたことによって超過分の税金を支払はなければならない。そもそもこのぜいたく税が設定された目的はメジャー全体の戦力均衡にある。ただこの大谷の契約が認められてしまった今、根本的な目的が達成されず、リーグの均衡が崩れてしまうことでしょう。
ただ、ぜいたく税にかかわる額は200万ドルではなく、このように後払いになった場合7億ドルを将来価値とみなし、現在の価値に治して年平均の額を算出する。その計算の結果によると大谷の年平均は4600万ドル程度になるため、以下のようになる。
そのため2400万ドルの削減に成功したことになります。だがこれをきっかけにルールの変更がなされる可能性も十分あるでしょう。それでも年平均2400万ドルの削減に成功したドジャースはほかの補強にも思い切って踏み込むことができるようになったでしょう。
そうは言っても10年4億6000万ドルがMike Troutの12年4億2650万ドルを超えてMLB史上最高額であることは変わらない。
また、ドジャースにとってもかなりのリスクとなる。目の前の10年間は超安価で保有できたとしても、10年後は所属してもいない選手に年6800万ドルも支払わなければならないからだ。ここからもドジャースがいかに今の勝ちを求めているかも伝わってきます。
まとめ
さて大谷選手の契約内容を自分なりにまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。日本でもこの契約に対して賛否両論が巻き起こっていますが、大谷選手と球団が決めたことで、なんのルール違反もしていないので外野がとやかく言って変わることではありません。(ルール改正への見直しのきっかけとはなるかもしれませんが…)
まずはドジャースでの大谷選手の活躍を期待しましょう!
ヘッダー写真 : https://twitter.com/MLBONFOX/status/1733579321657450964
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