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トレード市場で獲得すべき先発投手は?

エンゼルスは現在、先発投手の獲得を模索しています。FA市場、トレード市場の両方で獲得を目指しますが、今回はトレード市場での獲得をするためにはどの選手がいいのか、というのを考察していこうと思います。この考察は以下のサイトを参考にしています。

ガーディアンズのShane Bieber、ブリュワーズのCorbin Burnes、ホワイトソックスのDylan Cease、レイズのTyler Glasnowが主なトレード候補として挙げられています。また、いずれの選手ともエンゼルスはコンタクトをとっておりエンゼルスが本格的にエース級の選手を獲得しようとしていることが分かるでしょう。様々な項目で彼らを比較し、最終的に個人的に獲得してほしい選手を挙げようと思います。

それでは、どうぞ!!

2023年成績

まずは各選手の2023年の成績を見ていきたいと思います。

Shane Bieber (CLE)

21先発, 6勝6敗, 防御率3.80, WHIP1.23, 34四球, 107奪三振, 128.0IP, 1.8WAR

Bieberは2018年にメジャーデビュー、2019年にブレイクを果たし、2020年にはサイ・ヤング賞を獲得しました。そんなBieberですが今季は本人比では不振でした。

防御率3.80はルーキーシーズンの2018年以来の高さで、FIPも3.87、奪三振率20.1%は自己最低の数字でした。とはいうものの元の期待が高いので、そこまでひどいわけではありません。

そのため先発投手が充実しているチームでは3番手クラスになるかもしれませんが、エンゼルスに来れば間違いなくエース級になるでしょう。


Corbin Burnes (MIL)

32先発, 10勝8敗, 防御率3.39, WHIP1.07, 66四球, 200奪三振, 193.2回, 3.5WAR

Burnesは2020年に初めてブレイクし、そのまま2021年に自身初のサイ・ヤング賞を受賞しました。現在ではメジャー全体でもトップクラスのエースピッチャーとなっています。

2020年から今季2023年までの成績を見ると、WAR14.9はメジャー6位、765奪三振は同2位、投球回数622.1回は5位ととても優秀です。またこの4年間で毎年サイ・ヤング賞投票の10位に入っています。

29歳である彼は今季、3年連続で200奪三振を達成しており、WHIP1.07はリーグトップ、メジャー全体でも5位であり、サイ・ヤング賞投票でも8位に入った。


Dylan Cease (CWS)

33先発, 7勝9敗, 防御率4.58, WHIP1.42, 79四球, 214奪三振, 177.0回, 2.4WAR

Ceaseは2022年に187イニングを投げて防御率2.20、14勝8敗、WHIP1.11、227奪三振、WAR6.4を記録するとサイ・ヤング賞投票で次点に入った。ただ制球が悪く、この年リーグワーストの78四球を与えた。

27歳の彼は今季、四球こそ今まで通りであったが、今シーズンは被打率が.190から.250から跳ね上がってしまった。これが今季の不振に多いくつながっていそうです。

ただインプレー打率が.260から.330に跳ね上がっていることから、守備のいいチームに行けば復活の期待も十分にあるだろう。守備に定評のあるRon Washington監督の下で守備強化を図るエンゼルスに来れば成績が向上する可能性もあります。


Tyler Glasnow (TB)

21先発, 10勝7敗, 防御率3.53, WHIP1.08, 37四球, 162奪三振, 120.0回, 2.0WAR

2018年のトレードデッドラインにパイレーツからレイズに移籍してから、防御率3.20、WHIP1.03、奪三振率34.1%を記録している。

身長203㎝の長身から投げ下ろす右腕は、ケガさえしなければかなり強いものを持っているのだが、その健康面が一番の問題である。今季の120イニングがキャリアハイであり、100イニングを超えたのも通算で2度しかない。

30歳の彼はオールスター後13先発し、78.1イニングで防御率3.22、WHIP1.01、98奪三振をとった。2024年こそは健康で迎えられるのでできるだけ投げぬきたいところだ。


持ち球

速球

Bieber : 91.3マイル, 被打率.257, 空振り率9.3%
Burnes : 94.4マイル, 被打率.209, 空振り率22.7%
Cease : 95.6マイル, 被打率.273, 空振り率20.5%
Glasnow : 96.4マイル, 被打率.240, 空振り率24.7%

Glasnowがこの中で一番良いストレートを持っています。球速は88パーセンタイルで、空振り率は24.7%です。しかし、最も良い成績を残しているのはBurnesで、速球としてカットボールを使っています。そのカットボールの被打率は.209、被長打率は.340に抑えています。

Bieberのストレートは2020年サイ・ヤング賞を受賞したときに平均94.1マイルを計測しましたが、そこから年々下がっていて、今年は91.3マイルでした。


変化球

Bieber (スライダー) : 84.6マイル, 被打率.182, 空振り率32.7%, 44奪三振
Burnes (カーブ) : 79.8マイル, 被打率.133, 空振り率48.8%, 51奪三振
Cease (スライダー) : 86.3マイル, 被打率.216, 空振り率43.3%, 119奪三振
Glasnow (カーブ) : 83.9マイル, 被打率.095, 空振り率51.6%, 73奪三振

Ceaseはストレートとスライダーの2球種で主に組み立てており、この2球種が全投球割合の81.8%を占める。これによってかなりの三振をこのスライダーで奪っている。

Burnesは変化球の回転数がかなり高く、カーブ2794回転、スライダー2877回転となっています。ただスライダーは全投球の10%しか占めておらず、主にストレート、カーブ、チェンジアップで組み立てています。


稼働率・故障歴

2021-23の稼働率

Bieber : 68先発、46QS、67.6QS%、424.2回、1先発あたり6.2回
Burnes : 93先発、58QS、62.4QS%、562.2回、1先発あたり6.1回
Cease : 97先発、38QS、39.2QS%、526.2回、1先発あたり5.4回
Glasnow : 37先発、18QS、48.6QS%、214.2回、1先発あたり5.8回

投手に関しては耐久性が最大の疑問符であり、このベテラン選手たちももちろん例外ではありません。

BurnesとCeaseはそれぞれ2023年は32と33先発であり、通算で見てもその他の2選手よりも稼働率は高くなっています。

そうはいっても、Bieberは試合に出さえすれば一番長いイニングを稼ぐことができ、クオリティスタート率も一番高くなっている。

Glasnowは、20試合に先発したのは今季が初めてであり、彼が1年間怪我せずにローテーションを守り抜くのはかなり期待しづらい。トレードの交渉にはもちろんそのような項目も含まれるが、出場さえすれば大きなものを運んできます。


ポストシーズンの成績

Bieber : 3先発, 1勝1敗, 防御率5.00, WHIP1.28, 6四球, 22奪三振, 18.0回
Burnes : 8試合, 2先発, 1勝1敗, 防御率2.84, WHIP0.89, 6四球, 22奪三振, 19.0回
Cease : 2試合, 1先発, 0勝0敗, 防御率10.13, WHIP1.88, 3四球, 2奪三振, 2.2回
Glasnow : 10先発, 2勝6敗, 防御率5.72, WHIP1.49, 25四球, 61奪三振, 45.2回

ポストシーズンでめちゃくちゃ活躍している選手はこの中にはいない。

CeaseとBieberは今シーズンのポストシーズンで投げていない。Burnes(1先発, 4.0回, 5被安打, 4失点, 2四球, 5奪三振)とGlasnow (1先発, 5.0回, 6被安打, 3失点, 5四球, 8奪三振)はどちらも負けがついてしまった。

2022年のポストシーズンに関して、Burnesはブレーブス打線相手に被安打2で無失点に抑えている。Glasnowはガーディアンズ相手に5回を無失点に抑えました。

この中で一番経験があるのはGlasnowです。エンゼルスがポストシーズンに行くことまで期待するならば、ここも多少は考慮しなければなりません。


2024年年俸とその後

2024年年俸

Bieber : 1220万ドル予想
Burnes : 1510万ドル予想
Cease : 880万ドル予想
Glasnow : 2500万ドル

レイズは2023年シーズンの前に2年3040万ドルで契約して、2023年は540万ドル、2024年は2500万ドルで確定しています。そのためスモールマーケット球団であるレイズは価格が高いGlasnowを放出する可能性が高そうです。

その他の3人の選手は年俸調停権を保持しており、今オフのFA市場の先発投手の価格を見ると比較的安く獲得できるでしょう。


2025年の行き先

Bieber : FA
Burnes : FA
Cease : 年俸調停権あり
Glasnow : FA

1年のレンタルではない選手はこの中ではCeaseのみであり、彼がFAとなるのは2025年の後である。


獲得コスト

直近質の高い先発投手が残り契約1年以上でトレードされた例を挙げてみます。

NYM : Chris Bassitt (RHP)
OAK : J.T. Ginn (RHP), Adam Oller (RHP)

SEA : Luis Castillo (RHP)
CIN : Noelvi Marte (INF), Edwin Arroyo (INF), Andrew Moore (RHP), Levi Stoudt (RHP)

NYY : Frankie Montas (RHP), Lou Trivino (RHP)
OAK : Ken Waldichuk (LHP), JP Sears (LHP), Luis Medina (RHP), Cooper Bowman (INF)

MIN : Tyler Mahle (RHP)
CIN : Spencer Steer (INF/OF), Christian Encarnacion-Strand (1B), Steve Hajjar (LHP)

MIN : Sonny Gray (RHP), Francis Peguero (RHP)
CIN : Chase Petty (RHP)

Luis Castilloは支配下年数が丸1年残った状態で2022のトレードデッドラインに移籍し、マリナーズは獲得直後に長期延長契約を結びました。トレードのパッケージはBurnesの獲得に一番近い形となるでしょう。

Tyler MahleのトレードにはMLBのトップ100プロスペクトリストには入っていないもののMLBに近い2人のプロスペクトを獲得しました。BieberやGlasnowのトレードがこの形に近くなりそうです。ただGlasnowは年俸が高いためもう少し対価が高くなるかもしれません。

Ceaseは丸2年支配下に置くことができるため、最も対価が高くなるかもしれませんが、2023年に不振、コントロール面にも大きな不安を抱えるためBurnesレベルに落ち着くかもしれません。

いずれにせよ、この4人を獲得するためにはプロスペクトを最低2人は出さなければならないだろう。さらにBurnesとCeaseはさらなる要求をしてくる可能性が高い。


個人的に獲得してほしい選手

さっそくまいります。ズバリ、私が獲得してほしい選手は…



Bieber投手です!



Bieberを選んだ理由として一番大きなきっかけとなったのはやはり対価の低さです。BurnesとCeaseは先ほども述べた通りかなり高い対価が必要なため、ファームが枯渇しているエンゼルスはほかのチームに負けてしまう可能性が高いです。そしてGlasnowは稼働率があまり期待できないため、ハイリスク・ハイリターンで、エース級が必須であるエンゼルスとしてはここに賭けをするのはあまりにリスクが高すぎます。

Bieberもケガのリスクはありますが歴的にはGlasnowよりも稼働率が高く、比較的安いなか本来の力を取り戻せばハイリターンが見込めるので彼を獲得ほしいなと個人的には思います。

ここで個人的にトレードを予想してみたいと思います。それがこちらです。

LAA : Shane Bieber
CLE : Jo Adell, David Calabrese, Victor Mederos

まず、ガーディアンズは外野手を求めているため、エンゼルスがさらなる外野手補強に乗り出すならば飽和した外野手を放出する可能性が高いです。Adellは皆さんもご存じの通り、殻を破れそうで破れていないです。しかし彼の持つポテンシャルはかなり高いもので、パワーが全くないガーディアンズの外野手に入ればレギュラークラスに肩を並べることができるでしょう。その他のCalabreseとMederosは両者ともにプロスペクトであり、Mederosは球団のランキング20位に入っています。

この予想が確実に当たるとは思いませんが、このように外野手が含まれる可能性は高そうです。


まとめ

今回はトレード候補の先発投手を比較してみました。どの選手が来てももちろん嬉しいです。Bieber、Burnes、Cease、Glasnowの4選手は今オフにトレードされる可能性が高く、どこのチームに行くかがかなり注目されます。

エンゼルスの補強に期待する共に、これらの選手の移籍にも注目していきましょう!!

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