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NANAとヘイセイ

『NANA』の面白さはなんだろう。

ぶっちゃけストーリーは普通だと思っている。バンドマンと別れて辛い。寂しい都会暮らし。彼氏の浮気。女の友情。

むしろ、時代考察的に見ている。幼い頃がNANAの時代だから、おぼろげに実体験としてその時代の空気を思い出す一方で、昭和のアイドルの映像を見ているときのような、不思議で理解しがたいものにも感じる。懐かしさと違和感が同時に押し寄せてとても困惑する。それが楽しい。

NANA映画版で言えば中島美嘉が良い。元気で前向きなのになんとなく寂しさを感じる。きっと自分の若さや平成の時代は一瞬で過ぎ去ってしまうことに気づいて、今を駆け足で生きているような。

実際平成はもうあとかたもない。ド派手なメイクでルーズソックスを履くギャルはもういない。令和の若者はもっとおとなしく、鬱屈とした優しさに包まれている。



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