線人間　波人間　光人間

線分の束に分解されたにんげん
色彩の重なりに分解されたにんげん
にんげんがふるえている
にんげんがあまりの驚きにふるえている
にんげんが宇宙の波の上でふるえている

あらゆるものの振動　
にんげんとにんげんの引き起こす地震

わたしたちはのぼっていく
わたしたちはのぼっていく
わたしたちは絡まり合いながら　
わたしたちは線分に融けながら　
わたしたちは下降と重力を謌いながら
わたしたちはのぼっていく
のぼっていく　視力を失いながら
のぼっていく　全てをみつめるための虹彩をもらって
どこまでも落ちながらマントルと碧空へのぼっていく
飛来するわたしたち　飛来するわたしたち　近づいてこい万物の香り
わたしたちはのぼっていく

わたしたちはひとつにひろがっていく　

にんげんがひとつにあつまっていくための柱　
マントルと碧空を貫いてかがやきながら伸びる柱
今も僕の家の窓から見える柱
昼も夜もあらゆる時間を貫いて建築されていた柱
にんげんがひとつにあつまっていくための柱

にんげんがひとつにあつまっていける場所を僕たちは探している
僕たちは今も探している
どうしてだろう？

線分の束に分解されたにんげん
色彩の重なりに分解されたにんげん
にんげんがふるえている
にんげんがあまりの驚きにふるえている
にんげんが宇宙の波の上でふるえている

あらゆるものの振動　
にんげんとにんげんの引き起こす地震