東大第二外国語アンケート集計結果③〜中国語編〜
東大の第二外国語で中国語を選択した人は、その選択を今どう評価しているのか? そもそもなぜ中国語を選んだのか? そういった疑問に答えるべく、また、新入生の第二外国語選択の参考にしていただくべく、このnoteをまとめました。
このnoteでは、Angel*(Twitter: @angelic_UOT)がTwitter上で実施した、東大生に対する第二外国語のアンケートの結果を報告しています。アンケートの概要や他の外国語情報についてはこちらをご覧ください。
なお、アンケート回答者のうち、中国語選択者は194人です。
中国語を選択してよかったか
中国語を選択した東大生は「中国語を選択してよかった」と思っているのでしょうか。
結果は以下の通りです。
肯定的な評価が60%を占める一方、否定的な評価も12%ありました。
中国語を選択してよかったと思う理由
それでは、「非常に良い選択だった」「良い選択だった」と回答した人のその理由を見てみましょう。
主に言語・言語文化圏の特徴や授業に関するもの
・漢字なのでだいたい意味がとれるし、文法も簡単なのでとっつきやすい。
・動詞の活用が無く、簡単だった。
・漢字文化圏ということもあり、勉強していて日本語との共通点や相違点を見出すことができ楽しかったから。
・ビジネスをする上で、中国語が一番実用的だと思うから。
・英語以外だと文字、音声で頻繁に接するから。
・東大が中国語に力を入れていて授業や教材が充実していたから。
・中国に行って、多くを学べたから。(編注:TLPの国際研修と思われます)
・案外喋れるようになったので。
・ヨーロッパの言語にありがちな人称、数、性という枠組みとは違う文法構造の存在を実感することにより元々知っていた日本語、英語を相対的に見ることができるようになった。
主にクラスやクラスメイトに関するもの
・みんな優しい人で、中国語選んでて良かったなって思いました。
・クラスメイトの落ち着いた具合が自分に合っていたから。
・クラスの友人に恵まれたから。
中国語は、日本語と同様に漢字を使用することや文法が込み入っていないことから日本人にとって学習しやすいと言われます。それゆえか、ほかの言語よりも「読めるようになった」など達成度が高いことを肯定的評価の材料とする人が多かったです。また、近年中国が様々な分野で存在感を増す中、その実用性を評価する声も多く見られました。
また、「クラスの雰囲気がよかった」という意見も見られましたが、具体的にこういった特徴が多いというのは見受けられませんでした。「無難な感じ」といったところでしょうか。
中国語を選択して悪かったと思う理由
逆に、「非常に悪い選択だった」「悪い選択だった」と回答した人のその理由を見てみましょう。
主に言語・言語文化圏の特徴や授業に関するもの
・発音難しい。簡体字難しい。文法難しいから。
・初修詐欺が多い。
・ピンインしんどい。漢字日本と違う。発音むずい。
・中国のビジネスパーソンは基本英語で話すこと。また、ピンインの難解さに絶望した。
主にクラスやクラスメイトに関するもの
・一年という短い時間の中で習得するのはどうせどの言語も無理なのだからせっかくならスペ語やフラ語など女子も多く明るいクラスが良かったですね。
・クラスの雰囲気。おとなしい子が多すぎた。
中国語は発音やそれを表すピンインが最大の壁とも言われますが、やはりそれを指摘する声が多かったです。また、漢字が簡体字で日本語と異なる点も指摘されました。
また、クラスの雰囲気については「もう少し明るいクラスがよかった」という意見がありました。
「どちらとも言えない・わからない」理由
・文法は簡単な反面、発音と漢字が覚えられないから。
・1年程度の学習で使えるようになるわけないので実用面は関係なかった。けど、学習は比較的楽だったなと思う。
・アジアに住んでいると中国人と関わる機会がそれなりに多いので少しでも喋れると話題になるのは良いと思ったが、一方で中国文化に思ったほど興味や憧れを持てなかったので語学に対するモチベーションが上がらず、流暢には喋れない程度の中途半端な中国語力しか身につかなかったから。
・他の言語を選択したことがないから。
なぜ中国語を選んだのか
それでは、中国語選択の東大生はなぜ中国語を選んだのでしょうか。任意記述で理由を書いてもらったところ、以下のようなものが挙げられました(回答数96)。
「どんな基準で第二外国語を選べばいいんだろう」と考えている新入生は参考にしてみてくださいね。
中国語の実用性・使用頻度が高そうだから(34人)
・中国が経済面、産業面で国際的な影響力を増していてこれからもしばらくはその勢いが続くだろうと思ったので。
・これからの時代、中国は経済、軍事などで超大国になるだろうから。
・実際に使う場面が多そうだから。
・今世界で一番役に立つと思ったため。
・これからの時代を牽引するであろう中国の言葉を学びたかった。
漢字使用言語だから、漢文を活かせると思って(16人)
・漢字文化圏である日本語母語話者として関心があったため。
・漢字なので勉強しやすいと思ったから。
・漢文が好きだったので現代漢語も勉強したくなった。
・漢文が得意だったから。
簡単そうだと思ったから(13人)
・なんとなく楽なイメージがあった。
・簡単だときいたから。
話者が多いから(8人)
・なんでも良かったので使う人数が多そうな言語にした。
・話者が多い言語だから。
なんとなく、無難だと思って(7人)
・無難だと思ったから。
・なんとなく。
中国語やそれに関連する学問などに関心があった(7人)
・国文学をやりたいので、日本語と関わりの深い言語を学びたかった。
・現代中国社会への関心。
クラスの雰囲気(6人)
・クラスの雰囲気が平均的でありそうだったから。
「珍」理由
・日本を滅ぼすため。
・ロシア語と韓国語に興味があったので間を取って中国語にしました。
最後に
中国語は漢字を使用し、文法も複雑でないという点では学びやすいものの、発音や簡体字に慣れることができないと苦しいことになりそうです。また、言語としてもクラスの雰囲気としても無難と言えそうです。
中国は経済をはじめ多方面で成長著しく、実用性はますます高まっています。また、日本の文化にも古来より大きな影響を与え続けてきました。今後の世界で活躍するためにも、また日本をよく知るためにも、興味のある人は中国語の選択を検討してみてください。
※このnoteを読んだことによっていかなる損害を被ったとしても、その責任は負いかねます。
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