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ヨーロッパの大人女子+はみんなブロンドに?

随分前、ドイツにやってきたばかりの頃、成人大学VHS(市民教室のようなもの)で、せっせとドイツ語を学んでいました。
誇張ではなくて、人生でドイツ語なんて全然頭になかったので、興味もなければ、来る前習ったこともなかったです。
「はい」「いいえ」に当たる言葉も知らなかったくらい。

ということで、どこへ行っても「不思議の国のアリス」状態。
町までバスに乗っても、そのアナウンスがわからなくて、すごい恐怖でした。
言葉がわからないって、こんな風に感じるんだと実感していた日々。

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ということで、まずはやっぱり言葉を知らなきゃ!と、簡単に申し込めるVHSのドイツ語初級者コースへ入りました。
そして!最初から驚かせてくれたのが、ドイツでは語学学習にダイレクトメソッドと言って媒介語を使わない方法を取り入れているところが、とっても多いということ。

それは・・・いろんな国の生徒、いろんな国の言語が入り混じるわけなので、一つの媒介語で教えるのは無理があるし、それは良いとして。
(一つのコースに国籍的に言えば、5か国~10か国以上なんていうのも、そう珍しくない)

でも、ダイレクトメソッドならば教師側は絵を使う、実物を使うなど工夫して、その理解の狭間を埋めてくれなきゃ!なんて、当時日本語教師養成コースのディプロマをとって、その直後ドイツに来た私は思っちゃっいましたが。

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そして先生の発するドイツ語が全然わからない中、無理やりと言ってもいい感じで、生徒がなんとかするという姿勢で進んでいったのですが、今日の話題の「グレイヘア」。

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これに関して先生がある生徒に言った言葉が、その当時は、「何?」とピンと来なかったけれど、「あ、そういうことを先生は言いたかったのか」と、今は腑に落ちるなという話です。(前置きの関係ない話が長すぎで、すいません!)

年を重ねると当然グレイヘアが増えて来ますね。
日本でも話題になったりですが、グレイはグレイのまま、そのままで行くのか、染めたりして若さを取り入れて、なんとか工夫してやってゆくのか、大きくは二つに分かれると思います。

先生が話していた相手は、ニュージーランドからの女性で、確かにかなりの金髪度。イエローのヘアと言えるような。
ですので先生は「グレイが増えてきたので、あなたも毎回そうやって染めているのね。ある年齢からゆくと女性って元の髪の色に関わらず、染めて金髪になってゆくよね」と言っていたわけですね~。
私の頭では当時は、グレイヘアと金髪の関連がなかったので、はて?と思ったのでした。

こちらで身近なところで見渡すと、確かにご近所のRさん。
時々お茶を飲んだりする間柄ですけれど、しばらくお互い仕事が忙しくてその機会がなく。
そして、車で通りがかった時に彼女に似た人がいるなと思って、ほぼ通り過ぎたところで「あ、Rだ!」とはじめて気づいて。
というのも、髪の毛の色が今までレッド系ブラウンだったのが、より明るい金髪に近い色に変わっていたから。
やはり、ヘアカラーで印象、随分と違うんですよ。
彼女にも「あらぁ、ヘアカラー変えたので気づけなかった!」と話したのですが。

確かに先生が言ったケースは、こんな風によくあるし、でも自然主義のドイツでは、「グレイヘア、何もしない派」もかなりいるのも確かです。
私が定期的に通っていた、Klangmassage (チベタンボウルなどを1時間ほど鳴らしてもらっていろいろなエネルギー体を整えてもらうもの)の先生は、見事な真っ白ヘアで、かえって可憐で素敵でした。


先生いわく「女性って若さを失う時が怖いんだと思うわ。例えばグレイヘアへ移行するとか」とおっしゃっていたけれど、ご自身はすんなりと移行できたみたいです。
彼女は娘さん夫婦と広大な森の中で暮していて、ちょうど退職したあたりでした。
森としての敷地は広いけれど、母屋のおうちは結構シンプルで、主義を貫いて暮らしている人という印象。

自然のままにしておくだけではあまりきれいに見えない、日本人のグレイヘアとその移行期。
どう過ごすかはかなり決断を伴うことで、その決断には「若さをどう捉えるか?」ということが必ず入って来るので、心理的なプロセスも伴うのだと思います。

「私ってどういう人?」「どういう風に他の人から見られる人?」に大きく関わってくるし、自分の人生の優先順位が反映されますよね。
究極何が大切なの?という。

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私はというと、まだグレイヘアに移行するほど進んで来ていないので、ヘナを使って時々染めている感じです。
ジアミンアレルギーもあるので、普通のカラー剤、例えばウ〇ラなんかだと、かぶれてしまうけれど、ヘナはとりあえずこの点は大丈夫。
でも時間がかかるのがちょっときついですね。最低1時間程は置いておかなくてはならないから。
けれど、選べる色がかなり豊富にある点は良いです。
 


そんなこともあって、将来のグレイヘアとの付き合い方などを考え始めているのだけれど、これ!という一つの良い案が浮かばないので、いろんな人を眺めながら、いろいろ試してみるのが必須なのかなと思っています。

すっきりとグレイヘアのままでOKという勇気もまぶしいし、また同時に、そこまで思い切らなくても良い感じで折り合う。
その形も、それもまた良いしと、どっちつかずで多分行くんだろうなと。
グレイヘアにすっかり振り切れた女性の、どこか明確さを持った姿も素敵だけれど、「うーん、どうしよう・・・」と思いながら、しばらく温めようかなと思っています。

語学学校の先生が言っていた「(こちらの女性は)お年を召すと金髪になる(染める)」というのは本当だと思うけれど、じゃ、日本人はどうなんだろう?と思うと、明るめのブラウンなどに染め続ける人の方が、大多数なのかしら。
もともとのヘアカラーを活かした何か妙案がないものかと思ったりするのですが。

たとえば、下のような自然なグラデーションにするには、実はかなりの行程が必要みたいで、それにかなり強力なケミカルトリートメントなので、アレルギーがあると、多分難しそうなんですよね。。。

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そもそも私にとってのグレイヘアの先駆者って加藤タキさんなんですが、あの当時もテレビですっきりとショートカットで、色の混じった自然な色のヘアを見た時、かなり驚きました。
その少し前に何かの講演会で、彼女がまだヘアが長くて染めていた時の印象も残っていたので、余計にその変化が大きく見えたんです。

今は近藤サトさんとか雑誌で見かけますけれど、たかがグレイヘアでも、そこにまつわるテーマは深くて、

『自分肯定』とか『自分軸』とか、人生のトータルな楽しみ方とか、高齢社会になって来たが故の、女性人生の見直しや価値観の洗い直しも含まれているんでしょうね。

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逃げないでグレイヘアについて考えることが同時に、女性人生を考える視点ももたらすんだろうなと思っている私。

ある意味、惑い年代なのかも。

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