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【彼と彼女のものがたり】side Y

「魂」で繋がる彼と彼女のものがたり

現実の光と闇を行き来しながらも

お互いの存在を意識しながら

共に生きていく。
《信頼》〜side Y〜


「離婚したんだ、、、」

薫にそう言った時、
どう反応するのか、、、、正直恐かった。

どうして?とか、
相手がどんな人だったのか?とか

細かく詮索されるのは好みではなかった。


「そっか。
次のステージなんだね。」

否定も肯定もなく、

「そのまま」を受け入れてくれる薫には、

一番最初に話したかった。


話したからといって、
何かを期待していたつもりではなかったが…

今思えば、、、

薫から近づいてくれるのをどこかで期待していたのかもしれない。


(もう、疲れる関係はやめにしたい)

(どう思われるか気にしながら生きたくない)

と考えていた颯太にとって、
適度に距離を保ってくれる薫のスタンスは安心した。

(今は目の前にあることをひとつ一つ片付けるしかない、、、)

今すぐに薫と一緒になったところで、
彼女を幸せにできるような《精神的な余裕》は持てないままだ。

(あの頃と何も変わっちゃいない。。。)

(仕事内容をシフトするには
しばらく時間がかかる、、、)


(待っていて欲しい、、、)

喉元まで出かかって、、、口にするのは止めた。


(出来るかどうかも確証がないのに、中途半端に約束するのは失礼だ。)

(薫に変に期待させるようなことも出来ない。)


はっきりと言い切れないでいる自分自の弱さをわかりながらも、

薫に甘えている自分がズルい気がしていた。






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