2022/1/1

「5.4.3.2.1 年が明けたよ」
旦那が小声で新年を伝えてくれた。
こんな日に陣痛と闘ってるとは、なんて奇跡的な経験だろうか…そんなことを思っていた。

既に3分間隔で陣痛が来ていたため、ゆっくり新年を祝うことは出来なかったが、なかなかできない経験をさせてもらってると赤ちゃんに感謝していた。
おせち料理が食べられないのは少し寂しいが…とか食い意地だけははっていた。

そこから何時間たったのだろうか、痛すぎて叫んでいた。助けて、痛いよ、辛い、もう嫌だ…
今まで見た事のない私の姿に旦那は驚きつつもただじっとそっと手を握っていた。何も言わないが、確かに力のこもった手で握りしめられていた。その手はほんの少しだけ汗ばんでいた。
緊張してるのは私だけじゃない。1人じゃない。言葉はなくとも伝わってきた。

すると突然助産師さん達の動きが慌ただしいものとなった。
何が起きたのか分からないまま痛みに耐えていると、分娩台を動かし始めた。
足を上げ、状態も少し上がった。
子宮口が全開になっていたらしい。
何も言われなかったが、いよいよ出てくるのかと悟った。

誰に教わった訳でもないが、人間の体はよくできている。陣痛の痛みと共に勝手にいきめるのだ。
そこに少し腹圧を自分でかける。グッとお腹に力を込めた時、なにか暖かい物が股の間にいる気がした。
先生が会陰切開をする音が聞こえる。
麻酔はしてない、ただ不思議とハサミで切られてる気がしたが痛くはなかった。

2回ほどいきむと
頭出てきたよ〜と声をかけられた。
そこから3回目のいきみでズルンっとした感覚があった。
産まれたよーよく頑張ったねー!
助産師さんの声と共に赤ちゃんのか細くも力強い鳴き声が聞こえた。

あー、終わった、やっと終わった、長かった、痛かった、、、これが率直な感想。

初めて見る息子は白くて浮腫んでてでもガリガリに細かった。宇宙人みたいだな、、、って思った。
ほんとに産んだのか?と言うくらいお腹は膨らんでいた。でもお腹を蹴る振動は無くなっていた。

旦那はほっとしたのかウトウトしていた。

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